デザインのバリエーションや手ごろな価格の物も増え、身近な存在になった浴衣。夏祭りや花火大会だけでなく、いつもと気分を変えたいときのお出かけ着としても定着しました。ただ「浴衣を着るときには、どんな下着を着ければいいの?」そんな疑問をもつ方も多いようです。

もちろん、着物専用の下着も販売されていますが、年に数回のために購入するのもちょっと不経済。下着のプロである川原好惠さんは「わざわざ購入しなくても、普段使いの下着でもOK」だといいます。

では、普段使いの下着の中から浴衣にもOKの物を選ぶには、どんな事に気を付ければ良いのでしょうか?

浴衣用の下着、どう選ぶ?実は、普段着用でも代用可能

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夏に向けて着用シーンが増える浴衣は、日本人らしさを改めて感じさせる趣あるスタイルが魅力的

成人式の振袖を着るとき、着物の下にタオルを巻いた記憶がありませんか? ご存知のように、これは体の凹凸を抑えるため。洋服を着るときは、メリハリボディーが理想ではありますが、着物を着るときは逆に、凹凸が少ない方が美しいシルエットに仕上がるからです。

浴衣の場合も同様で、バストは盛ったり強調したりせず、できるだけナチュラルなシルエットになるブラジャーを選ぶのがポイント。普段用のブラジャーで代用する場合には、ワイヤーが入っていないブラレットやハーフトップなどがおすすめです。

豊かなバストの方は、“ミニマイザー”と呼ばれる、バストをコンパクトに見せるブラジャーを着用すると、上半身のシルエットをスッキリ見せることができます。このタイプは、「シャツを着たときにボタンとボタンの隙間が広がる」、「ニットを着たときに太って見える」などという女性のお悩みも解決してくれるので、1枚持っているととても便利です。

ショーツも意外にラインが出やすいので、薄手の総レースや、ヒップ部分の生地が切りっぱなしになっている、段差ができにくいラインレスショーツ、あるいはソング(Tバック)が安心。白の浴衣の場合は、色が透けないようにベージュを選べば完璧です。

普段使いの下着でOK!浴衣を着用する際に選びたい下着を厳選

上記で紹介したポイントを押さえた、今年の浴衣シーンで活躍するおすすめの下着を、川原さんにセレクトいただきました。

■1:ナチュラルなバストシルエットで、下着のラインも心配なし!

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ブラレット¥7,000、ショーツ¥3,000/エス バイ スロギー(トリンプ・インターナショナル・ジャパン)

伸縮性に優れた薄手の素材を用い、すべてをボンディング(接着)技術で仕上げ、まるで着けていることを忘れてしまうかのような着けごこち。ブラジャーにワイヤーは入っていないものの、やや厚みのあるカップなので、ナチュラルでありながら綺麗なバストシルエットをつくります。

ブラジャーもショーツも縫い目がないから、浴衣に下着のラインがひびく心配もナシ! 幾何柄レースとのコンビがとてもスタイリッシュなデザインです。

■2:グラマラスなバストをコンパクトにまとめて、浴衣姿もすっきり

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Cucute3/4カップブラ¥8,500〜、ノーマルショーツ¥3,800〜/スタディオファイブ(ワコール)

グラマラスなバストは魅力的ですが、浴衣を着るときはコンパクトにまとめるのが正解。そこでおすすめしたいのが、この豊かな胸をキュキュッと小さく見せる「Cucute」ブラ。先に述べた“ミニマイザー”の代表格といえるブラジャーです。

中央に寄せ集めたバストをチュールで前から支える、安定感のあるパターン(特許取得済み)が、コンパクトに見せる秘密。「バストが大きいから、太って見える」そんな悩みをもつ方も、一度お試しを。このパターンの優秀さを実感できるはずです。ショーツもラインが響きにくい仕立てなので安心です。

汗が気になる場合は、カップ付インナーも強力助っ人

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サマーカップ付フレンチ袖インナー¥5,400/フリープ(島崎)

「ブラジャーだけでは汗が心配……」そんな方は、カップ付インナーがおすすめ。背中や脇の汗はしっかりキャッチしつつ、カップが付いているのでブラジャーなしでもOK。生地には、サラッとした感触でベタつきやムレを抑えるキュプラと、やわらかな綿を掛け合わせた「キュプラ混天竺素材」を使用。汗を吸い取って浴衣を汗ジミからガードしつつ、着用感はストレスフリーです。

前回のコラムでご紹介した、インナーやペチコートをプラスするのもOK! ただし、インナーは体にフィットしていないと、シルエットがもたついてしまうので、伸縮性に優れた素材のぴったりサイズを選ぶのがポイントです。


浴衣はナチュラルなバストシルエットが基本ですが、体型などによって求める機能や好みは分かれるもの。上記を参考に下着を選んで、夏らしい浴衣姿のおしゃれを楽しんでくださいね。

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この記事の執筆者
文化服装学院卒業後、流通業界で販売促進、広報、店舗開発を約10年経験した後、フリーランスとして独立。下着通販カタログの商品企画などを経て、現在はランジェリーを中心に、雑誌、新聞、ウェブサイトなどで執筆・編集を行なう。モットーは「ラグジュアリーからプチプラまで」。国内外の展示会・店舗を幅広く取材する。
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PHOTO :
Getty Images
WRITING :
川原好恵
EDIT :
石原あや乃