愛犬に「待て!」を覚えさせると、いろいろなメリットがあるとか。

例えば拾い食いが止められないなら「拾い食いをする前に『待て!』といって止めさせて、ワンちゃんと一緒にその場を離れます。ワンちゃんの頭の中に起こっている『食べたい!』という欲求を、『待て!』の命令ひとつで、強い欲求から気持ちを逸らせることができるんです」(ペットショップ、モントゥトゥ渋谷西武店の店長・中島芳美さん)

そのほかにも、ムダ吠えをする、誰かに飛びかかろうとする、ケンカしそうになる…など、「待て!」は問題行動を止めさせる魔法の言葉なのです。

犬のしつけは、いつもの接し方より、ちょっとだけ厳しく声かけするのがポイント

■タイミング:ご飯の前ではなく、おやつの時間を利用する

「ワンちゃんたちの大好きな時間がご飯と散歩です。よく、ご飯をあげる前に『待て!』の練習をする方がいらっしゃいますが、大好きなご飯の前に『待て!』を入れると、ワンちゃんたちの大好きなものが苦行になってしまいます。それに、ご飯の前だけ『待て!』をすればいい…とワンちゃんにヘンな習慣がついて、本当に待って欲しいときに、待てないことも」(中島さん)

ベストな『待て!』練習は、おやつの時間がいいそうです。

「おやつは、ワンちゃんにとってご褒美。『待て!』をすれば、ご褒美がもらえる!と理解させれば、すぐに覚えてくれます」(中島さん)

  1. お座りをさせ、落ち着かせる
  2. 鼻先におやつを見せながら「待て!」と声をかけ、待たせる
  3. 立ち上がろうとしたら座らせ、「待て!」と言いながら待たせる
  4. 食べさせるときは、必ず「よし!」と声をかけてから

最初はじっと待てず、おやつに飛びかかろうとしたり、飼い主に甘える仕草をするかもしれませんが、そこはじっと我慢。

10秒くらいから「待て!」と「よし!」を繰り返して、少しずつ待たせる時間を延ばしていくのがポイントです。

「待て!」ができるようになったら、盗み食いやイタズラを止めさせることが可能に。
「待て!」ができるようになったら、盗み食いやイタズラを止めさせることが可能に。

■褒め方:大げさに喜ばず、クールな仕草と言葉で褒めること

欲しいものをじっと我慢したのだから、「待て!」ができたら思い切り褒めてあげたいのは親心。でも、これはNGなのだそう。「躾の時間と遊びの時間は、ちゃんと切り替えましょう。『待て!』ができたからといってワンちゃんを抱きしめたり、興奮させるような褒め方をしたりしてはいけません。『待て!』=遊びの延長だと誤解してしまいます」(中島さん)

「待て!」ができたら、「Good !」とか「いい子!」など短い言葉をかけながら頭をなでて褒めてあげましょう。ただし、「ワンちゃんは飼い主さんを喜ばせたいと思っています。『あなた(愛犬)がちゃんと待てて、私は嬉しい』という気持ちがワンちゃんに伝わるように、笑顔を忘れずに声かけしてください」(中島さん)

「待て!」の練習が終わったら、あとは思い切り遊んでOK。躾と遊びのメリハリをつけて、愛犬たちが混乱しないように注意しましょう。

■やってはいけない三禁:言葉を変える・大声を出す・長時間やる

「待て!」を覚えさせるとき、やってはいけないことが3つあります。「『待て!』という言葉のほかにも『STOP!』とか『WAIT!』があります。どれか一つに決めたら、ワンちゃんが混乱するので、ほかの言葉を使ってはいけません」(中島さん)

犬は聴力がよく、人の感情が伝わりやすいことも心しておくべき。「大声をあげたり、語気を強く言ったりすると、怒られていると勘違いして、逆に逃げようとします。『待て!』と言うときは感情を込めず、冷静に命じてください」(中島さん)

訓練は短時間に、サッと切り上げるのも重要とか。「ワンちゃんは飽きっぽいので、3~4回で切り上げてください。最初のお座りをしなくなったら、もう飽きている証拠なので、訓練を切り上げて、遊びの時間に切り替えてあげてください」(中島さん)

「待て!」が覚えられたら、ご近所の散歩からちょっと遠出へ、行動範囲も広がりそう。

「1日ですんなり覚える子もいれば、1週間~10日かかる子もいます。それもワンちゃんの個性です。途中で投げ出さず、ワンちゃんのペースに合わせて訓練を続けてください」(中島さん)

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EDIT&WRITING :
中島 祐美
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