そのうっかり発言、今の時代は要注意です!限りなくグレーだけど、でも…「もしかしたらハラスメント?」実例集

 

今、リーダー職に就いている人々が悶々と悩んでいるのが、あからさまなハラスメントはNGと理解したうえでの「グレーゾーン」のやりとりについて。

どんなシーンにおける、どんな発言が、どう問題になる可能性があるのでしょうか。ハラスメント対策に詳しい新村響子弁護士に監修をお願いし、注意点から理解すべきことまで解説していただきます。

監修してくださったのは…

新村 響子さん
旬報法律事務所弁護士
日本労働弁護団常任理事。東京都労働相談情報センター民間労働相談員、東京都ウィメンズプラザ法律相談員。著書に『ブラック企業 セクハラ パワハラ対策』(旬報社、共著)、『トラブル回避のために知っておきたい ハラスメント言いかえ事典』(朝日新聞出版、共著)。

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マナー_1,キャリア_1
 

「おそらく、よいところを探してほめようと考えた末に、このような発言になったのですよね。その姿勢は間違いではないのですが、今の時代、『容姿を取り上げること』は控えるべきとされています。場合によっては、セクシャルハラスメントととられることもあるかもしれません。女性が『こんな美人と仕事ができてよかったね』などと言われて不快感を覚えるのと一緒。男性に対しても同様に配慮すべきなのです。『いい筋肉だね』なども、不快感を示す人が多いので避けましょう。

厚生労働省が行った就活セクハラのアンケートでは、女性より男性のほうが不快に感じる機会が多かったという結果が出ています。女性へのあからさまなセクハラは減る傾向にある一方で『男だから大丈夫』という意識がいまだ残っていて、そのことに苦しんでいる男性が多いのです。

ほめる場合は、ぜひ仕事への取り組みについて、具体的に言葉にしてあげてください」

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「画面オンの原則化は、パワーハラスメントにつながると判断されることもあるようですが、私は、促す程度であれば問題はないと考えています。

ただ、そのことに抵抗を感じる人がいるなかで、『絶対○○』『○○禁止』と強制するのは、問題に発展する可能性あり。住環境や家族の事情など、人それぞれ画面オンにできない理由があります。『顔が見えるほうが意見交換しやすいから』など、まずは理由を述べて、『差し支えなければ画面オンに。無理強いはしない』と伝えましょう。

また、コミュニケーションのつもりでも『女の子らしい部屋だね』『男ひとりでもきれいにしてるんだ』などの発言は避けてください。プライベートに触れられることを好まない人もいます。今は自宅が職場になる時代。粛々と仕事の話題に入っていくのがスマートです。

PHOTO :
Getty Images
EDIT&WRITING :
本庄真穂、喜多容子(Precious)