高級ホテルのラグジュアリーなスパ。利用してみたいと思うけれど、慣れていないと勝手が分からないものです。さらに大人女性であればお作法についても気になり、足が遠のいてしまっているかもしれません。

今回は、高級ホテルのスパを利用する際に、最高のくつろぎを得るために知っておきたい基本的なお作法を、国内外の高級ホテルのスパ愛好家である阿久津友紀さんに教わります。

高級ホテルのスパの基本的な心構え

高級ホテルのスパの基本的な心構え
高級ホテルのスパの基本的な心構え

高級ホテルには、よくスパ施設が備わっています。高級ホテルならではのラグジュアリーなくつろぎを体験できる場で、トリートメントなどのマッサージや温浴、スチームサウナなどで癒しを受けられるほか、ラウンジで思う存分くつろぐこともできます。

最近では、各ホテルのスパはそれぞれオリジナルのサービスを提供しており、リラクゼーションやスキンケア、疲労ケアなどのゲストの要望によってカスタマイズしてくれる傾向もあります。

そんな高級ホテルのスパを存分に楽しむために、これまで多数の高級ホテルのスパを経験してきた阿久津さんに、利用の際の基本的な心構えを教えていただきました。

「リラックスするという気持ちを高めて、時間に余裕を持ち、早口にならず、大声を出さず、急がないことが基本です。私の場合、高級スパはそれぞれの香りがあるので、入った瞬間に深呼吸していい香りを感じ、笑顔モードに切り替わります。靴の出し入れ、タオルの準備や施設案内など、やってくださるものはすべておまかせして感謝の意をお伝えすると、サービスのグレードも上がるでしょう」

高級ホテルのスパのお作法

続いて、高級ホテルのスパのお作法を具体的に見ていきましょう。

■1:着替えやすい服装を

着替えやすい服装を
着替えやすい服装を

スパでは着替えやすい洋服がおすすめです。オイルなどがついてもかまわないようなスタイルであればなおいいです。ホテルの客室からスパへ行くときの服装は、ガウンのままでいいところと、そうでないところがあるため、要確認です。私は、行きはお洋服で、帰りはガウンのほうがのんびりできます。スリッパやガウンが新品になるので、その後のホテルライフも楽ちんです。

■2:予約の遅刻はNG

予約の遅刻はNG
予約の遅刻はNG

当たり前のことですが、いくらリラックスできる場所だからといって遅刻はよくありません。やむを得ない場合は事前連絡を。

■3:はしゃぎすぎない

スパは皆がリラックスする場所。気の知れた友人と行くと、つい高級スパの雰囲気にうれしくなってはしゃいでしまいがちですが、友人との普段どおりの音量でのおしゃべりは避け、まわりに迷惑にならないよう小声で。

■4:トリートメントを受ける場合、直前の食事やアルコールは控える

トリートメントを受けるときには最大限にリラックスするために、直前にお腹いっぱい食べたり、アルコール類を飲んだりするのは避けたほうがいいでしょう。

■5:トリートメントを受ける前に、身体をキレイにしておく

高級スパにはたいてい温浴施設が充実しており、ホットタブがあるのでじっくり堪能し、身体をキレイにしておきましょう。

■6:スパフードやスパドリンクを取りすぎない

スパではフードやドリンクが用意されているものですが、たくさん取って残している人を見るとかっこ悪いなと思います。

高級ホテルのスパを楽しむためのポイント

そして阿久津さんに、自身の経験から、高級ホテルのスパを最大限に楽しむためのポイントをアドバイスいただきました。

■1:予定時間より早めに行って温浴施設を堪能する

予定時間より早めに行って温浴施設を堪能する
予定時間より早めに行って温浴施設を堪能する

トリートメントの内容だけでなく、温浴施設がスパの価値を決めると思っています。見晴らしのよいホットタブやジャグジー、さらにスパのシャンプーなどのアメニティーや化粧品もそのスパをまるごと堪能するには不可欠。出たり、休んだりを繰り返すことで、どんどん体もゆるみ、その後の効果を最大限得られると思います。カウンセリングで香りを選んだり、内容を確認したりするにも時間がないとできませんので、予定時間より早めに着くようにしています。

■2:リラクゼーションルームもうまく使う

リラクゼーションルームもうまく使う
リラクゼーションルームもうまく使う

温浴施設を楽しんだ後は、リラクゼーションルームでのスパドリンクやフードも楽しみ。ひざ掛けやベッドもそのスパによって特徴があるので、お気に入りのブランドのものだとかなりうれしいです。最近は、施術前と施術後のリラクゼーションルームを分けてスパドリンクやフードのラインナップを変えているところもあるので、じっくり堪能するには事前の下調べも必要かも。また、たっぷりの水分補給も大事です。

■3:スパに行くときは、メイクはOFF・髪は洗ってきっちり乾かしてから

ボディーのトリートメントを受けるときには、まっさらな状態で受けたほうが、その施術で使うオイルの香りを最大限に楽しめるのでおすすめです。髪はある程度、乾かしておかないと、施術後にまとまらないことにもなりますし、最近は、ヘッドも上質なオイルでマッサージしてくださることも多いので、髪は乾かしておくようにしています。

■4:オイルは絶対流さない!

オイルは浸透するまで時間かかるので、流さないほうが長くスパに行った気分を堪能し続けられます。スパによってはガウンを着て部屋まで帰れないので、その際もオイルがついても問題ない、リラックスした衣服でいくのがいいかなと思います。

高級ホテルのスパは、ホテルステイをさらに充実させることのできる素敵な体験。初心者の方は、ぜひこれらのマナーを意識して気持ちよく過ごし、とことんくつろいで、普段感じられないリラックスを味わいましょう。

阿久津友紀さん
ホテルジャンキーズクラブ会員
(あくつ ゆき)ホテル愛好家の集まりホテルジャンキーズクラブ会員。ホテル情報誌『ホテルジャンキーズ』にて「阿久津友紀のエステ&スパ」を連載中。マスコミ勤務。100か国に迫る国でスパ体験。ホテルのスパの充実度でホテルを選び、スパはひとりで行く派のホテルスパジャンキー。
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
石原亜香利