働く女性のみなさん、「バリバリ働いているのにいまひとつ職場で評価されない」と、悩んでいませんか? いつも仕事を頑張っているのに昇給や昇格が遅いと、なぜなのか? 気になってしまいますよね。実はこれ、「無意識のうちにやっているクセ」に問題があることがあるのです。

そこで、優秀な人が絶対にやらないこと、評価されるための意識やすべきことについて、コンサルタントの鳥原隆志さんに教えていただきました。どれかひとつでも当てはまったら、改めていきましょう!

あまり評価されない人が無意識でやっている、NGな仕事習慣7選

■1:仕事量をアピールする

結果を出さなければ忙しいアピールも意味なし
結果を出さなければ忙しいアピールも意味なし

仕事をする中で、人から評価されるということは、自分の喜びにもなるし、仕事を続けていくモチベーションにもなります。しかし、鳥原さんによると、その評価を上げようとアピールすることが、評価が上がらない原因になるそうです。

「今日どれだけ仕事したか、仕事の量をアピールする人は評価されません。それよりも、どれだけの結果を残せたかが大事なんですね」(鳥原さん)

確かに自分は頑張っているつもりでも、仕事では量より質が重要ということのようです。

■2:満点を取ろうとする

また、「満点主義の人も評価されない」と鳥原さん。

「仕事には満点を取るべき仕事と、合格点でいい仕事があります。だから、すべて満点を取ろうとすると、逆に不合格点しか出ないというジレンマに陥ってしまいます。時間とパワーは限られているので、今日満点を取るものを3つ決め、あとは合格点でよしとしましょう」(鳥原さん)

とくにキャリア女性は頑張りすぎの人が多いので、気をつけたいですね。

「頑張ると、もっと仕事が増えます。それでパンクして、人に迷惑をかけてしまう、という結果になってしまうので、頑張らないことを頑張ってください。新しいことを始めるのは比較的簡単にできるけれども、何かをやめたり、何かをやらないと判断するのは難しい。でも、それをやらないと、いつまでたっても仕事は増えるばかりです。優先順位をつけることが大事ですね」(鳥原さん)

パンクする前に、緊急度と重要度の高さで、仕事に優先順位をつけましょう。

■3:分析したがる

ただの評論家になってしまうと評価が上がらない
ただの評論家になってしまうと評価が上がらない

何でも分析したがる傾向の人も評価が上がらないそうです。

「分析とは、仮説を立てて、その裏付けを取るという行動なんですが、分析がメインになってしまい、情報を集めすぎると、逆に選べなくなってしまいます。だから必要以上の情報は、仕事の成果を遠ざける。手段が目的になってしまってはいけません。情報はある程度集めたら、次へ進みましょう」(鳥原さん)

分析だけで満足しないよう、注意しましょう。

■4:ひとつのことに没頭する

さらに、ひとつのことに没頭する人は、評価が低いのだとか。一見、集中力があって仕事ができそうなイメージですが……。

「ひとつのことを終わらせようとすると、なかなか終わらないのです。同時進行で仕事が回せる人のほうが、評価は高いですね。いくつかの仕事が同時進行できるようになると、仕事のスピードが上がります。

そのためには、仕事を細かく刻んでいくといいでしょう。私の場合も、単行本の執筆を2、3冊同時に進めています。ひとつの企画に行き詰っている時間が無駄なので、行き詰まったら、切り替えたほうが逆に集中力が上がります」(鳥原さん)

鳥原さんによると、アイドルタイムを活用することも大事だそう。例えば、コピーをしている時、コピー機の前でただ待っているのではなく、その間に、携帯でメールを処理するなど、他のことがいくらでもできるということです。仕事を細かく刻んで、隙間時間を有効に使うようにしましょう。

「理論的には、ひとつの仕事が完全に終わってから、次に取り掛かろうとするのが正論なんですが、ビジネスの現状では、それでは仕事がたまっていったり、優先順位の組み換えができなかったり、上司からすると先にやってほしいことが後回しになって、評価が下がります。常に3つくらいの仕事を回して、その都度、仕事の順序は柔軟に変えていくといいでしょう」(鳥原さん)

評価を上げたいなら、ひとつの仕事に意識を100%向けてしまわないようにしていきましょう。

■5:自分に求められていることを勘違いしている

自分の役割をしっかり確認してみよう
自分の役割をしっかり確認してみよう

後輩の面倒を見ようとして、つい口を出してしまうことってありませんか? それも評価が下がるポイントに。会社があなたに求めているのは、後輩を温かく見守ることかもしれません。

「自分に求められることを勘違いしている人は、評価が下がります。評価されない人は能力がないのではなく、評価されるポイントを勘違いしている場合が多いんです。例えば、プレイングマネジャーは、プレイングの部分が評価されている、と勘違いしている人が多い。

プレイングを頑張りすぎるとマネジメントができなくなってしまうのですが、会社としてはマネジメントしながらプレイすることを求めているのに、その逆をすると当然、評価されないわけです。上司からすると、後輩を育ててほしい。一方で、自分はそれは私の仕事じゃないと思っている。

この行き違いは、評価される側とする側のすり合わせができていないことによって起きているのです。良かれと思って先走り、求められていないことをやってしまっては、両方にとってよくありません」(鳥原さん)

自分の評価を聞くのは勇気がいりますが、会社が求めていることを確認した上で、動いたほうが賢明のようです。

■6:根回しができていない

根回しと聞くと、ダークとかずる賢いといったイメージですが、それは誤解で、実際ビジネスの現場では、根回しは重要な要素。

「評価が低い人は、根回し不足の人が多いです。逆に根回し上手だと評価されます。根回しというのは自分のためではなく、相手の衝撃を緩和するために、前もって情報を提案しておくことなのです。会議で何かを決めようとするのは、駄目ですね。会議は決めたことを確認する場であります。ビジネスの世界では、あらかじめキーパーソンにひとこと言っておくと、仕事の進み方が全然違ってきます」(鳥原さん)

事前にキーパーソンとコミュニケーションをとって、評価を上げていきましょう。

■7:仕事を断らない

安請け合いして適当な仕事になる方が問題!
安請け合いして適当な仕事になる方が問題!

意外にも、仕事を断れない人の評価は下がるそうです。

「断りにくいという人がいますが、限りある資源でストーリーを完結するためには、新しいことを入ってこないようにしないと質が上がりません。仕事を受ける前提で、何でもかんでも『はい』というのは、よくないですね。タンスの中に入らないくらい服を入れているのと同じことです。結果できなくて、途中で仕事を投げ出してしまうこともありえます。そういうふうになるより、先に断ることで、かえってブランド力がつくこともあるんです」(鳥原さん)

鳥原さんも、仕事の依頼は基本断ることから始まるのだとか。そうすると、相手から「お忙しいんだな」と評価をいただいて、何とかしてお願いしたい、というふうに思わせることができるのだそうです。

仕事を断ると、自分にはもう任せてもらえなくなってしまうのではないか?と不安になりますが、勇気を出して断ってみることも大事なようですね。

鳥原さんのお話の中では、「頑張らないことを頑張る」「仕事が同時進行できるとスピードが上がる」「仕事は断ったほうがブランド力はつく」など、意外だけれど納得できるポイントが次々と上がってきました。思い込みは失敗の元のようです。これらを実行して、よりできるキャリアウーマンを目指していきましょう!

鳥原隆志さん
インバスケット・コンサルタント
(とりはらたかし)株式会社インバスケット研究所代表取締役。大手流通業にて、さまざまな販売部門を経験し、スーパーバイザーとして店舗指導や問題解決業務に従事する。その経験を活かし、株式会社インバスケット研究所を設立。現在、日本で唯一のインバスケット・コンサルタントとして活躍中。
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この記事の執筆者
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WRITING :
あわいこゆき
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