LINEは、何気ない会話の中で実はコミュニケーション力を上げられるツールであるようです。それならば、より鍛えるように動いたほうが得ですよね。

そこで今回は、コミュニケーション力を向上させるためのLINE術を、コミュニケーション関連を得意とするビジネスコーチである栗栖佳子さんに教わります。

LINEはコミュニケーション力を上げるのに使えるツールだった!

LINEはコミュニケーション力を上げるのに使えるツールだった!
LINEはコミュニケーション力を上げるのに使えるツールだった!

LINEを意識的に使用すると、コミュニケーション力を向上させることはできるのでしょうか?

「LINEでコミュニケーションを重ねることは、自分自身の気持ちと向き合う、つまり自分とコミュニケーションする機会が増えることですので、コミュニケーションの一面である『情報の共有』には役立つと思います。メッセージを発信する&メッセージを受け取る器づくりになり、コミュニケーションが楽しいと感じることがスキルアップにつながります」(栗栖さん)

やはりLINEでコミュニケーション力を高めることができるのですね。

「しかしコミュニケーションのもうひとつの側面である『感情の共有』については、LINEに限らず文字やスタンプだけで相手の気持ちをわかったつもりになるのは誤解を招くことにもなり少し危険だと思います。あくまで対面でのコミュニケーションへの橋渡し、と考えたほうが良いのではないでしょうか」(栗栖さん)

LINEでのコミュニケーションにおいて、感情の共有が不足していることは、十分注意が必要といえそうです。

LINEでコミュニケーションギャップに陥ることも

スマホを持った女性
LINEでコミュニケーションギャップに陥ることも

ところで、LINEをはじめとしたSNSにより、リアルな世界でのコミュニケーション力が低下するということも世間ではいわれていますが、この点についてはどうなのでしょうか? 栗栖さんはLINEへの依存には注意すべきと話します。

「基本的に、リアルなコミュニケーションでスキルアップを実践することが人間力アップにもつながると思います。LINEはカジュアルコミュニケーションのひとつと捉えて、人とのつながりを活性化させ、リアルな世界で活用している人もいます。ただ絵文字やスタンプを使って自分の気持ちを伝える要素が多いため、スタンプのメッセージやキャラクターの動きで自分の気持ちが伝わったように勘違いすることもあります。

しかし、『伝えた』ことと『伝わる』ことは違います。LINEはあくまでもバーチャルな空間。コミュニケーションの手段をLINEに依存してしまうと、リアルな場面で『喜怒哀楽』の感情を伝えたい場合、具体的に言葉や態度、表情で表現できずにコミュニケーションギャップに悩む人も多いと思います。

LINEの中だけでしかコミュニケーションが取れない、例えば『LINEならうまく伝えられるのに…面と向かうと何から話していいのかわからない』となっては困ります。

LINEは手軽で便利なコミュニケーションのひとつのツールにしかすぎないということを自覚して、LINEの先にあるリアルなコミュニケーションの機会を作る努力をしてみることが大切だと思います」(栗栖さん)

コミュニケーション力を上げるLINEの使い方

LINEでも情報の共有の面ではコミュニケーション力を向上させることができることは事実。栗栖さんにLINEによるコミュ力の鍛え方を教えていただきました。

送る前に声に出して読んでみる

スマホを見る女性
送る前に声に出して読んでみる

「LINEのメッセージを、送信する前に声に出して読んでみることをおすすめします。文字を目で見るだけではなく、声に出して読むことはメッセージをもう一度自分の耳で聴くことになります。これは『リマインド効果』があります。メッセージの内容だけではなく、そのメッセージに込められた感情を読み取ることにも役立ち、相手の心に届くメッセージづくりにも役立ちます」(栗栖さん)

グループチャットでメッセージの伝え方を鍛える

ミーティングをする男女
グループチャットでメッセージの伝え方を鍛える

「グループチャットも使ってみてはいかがでしょうか。1対1だけではなく、1対複数へのメッセージの伝え方には幅広い視点で物事を捉え、伝えるというスキルが鍛えられます。受け取る相手の人たちの顔を思い浮かべながら、みんなに伝わるメッセージを書くことはビジネスでも有効です」(栗栖さん)

LINEでコミュニケーション力が上がったらどう活きる?

女性ふたりがならんで歩く様子
LINEでコミュニケーション力が上がったらどう活きる?

LINEでコミュ力が上がったら、どのようなシーンで活かすことができるのでしょうか。

「LINEにはメッセージだけではなく電話や絵文字、写真やスタンプなどさまざまな機能がついています。『どうすれば、何を活用すれば自分の思いが相手に伝わるのか?』ということを探し続けていることになりますので、ビジネスのプレゼンや人材育成、グループをまとめるリーダーシップにも役立ちます。育てるという意味では子育てにも通じてきます。

ただし、あくまでもリアルのコミュニケーションで実践することが前提です。リアルのコミュニケーションスキルがアップすると、さらにLINEのコミュニケーションアップにもつながると思います」(栗栖さん)

コミュニケーション力の向上に、LINEを役立てられることが分かりました。しかし、同時にリアルのコミュニケーションをメインに据え、スキルアップを目指すことでLINEでのコミュニケーションも洗練されたものになりそうです。どちらも手を抜かず、実践していきたいですね。

栗栖 佳子氏
栗栖佳子さん
宙 代表取締役&ビジネスコーチ
(くりす よしこ)北海道出身。大学卒業後、人材ビジネス(株)パソナで営業およびコーディネーターとして1万人以上の採用面接・キャリアカウンセリングを行い、スタッフや部下の人材育成を行う。 2009年、ビジネスコーチとして株式会社宙を設立。「コミュニケーション次第で人が変わり、組織が変わり、人生が変わる!」 をモットーに年間120回以上、企業・官公庁・教育・福祉・商工会議所・海外 赴任者等を対象に「コーチングのコミュニケーション」と「アンガーマネ ジメント」を中心とした講座やセミナーを務める。
http://kurisu-sora.com/
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
石原亜香利
TAGS: