ラグジュアリーの入り口メディア「Precious.jp」の記事より、肩こりや腰痛などに効果的なストレッチのやり方をピックアップしてまとめました。しっかり効果の出る正しい方法を種類別でご紹介するので、ぜひ日々の生活に取り入れてみてください。

ストレッチの効果的なやり方【種類別メニューも!】


「朝ラン」ウォーミングアップに効果的なストレッチ

■ウォーミングアップに効果的なストレッチ
40代からの「朝ラン」のウォーミングアップ方法。

■1:ウォーキング(5分~10分ほど)

身体を温めるのが目的です。夏は比較的短くて済みますが、冬は身体が温まるまで時間がかかりますので余裕をもって始めましょう。

■2:ストレッチ

特に肩甲骨周辺・股関節周辺の筋肉を動かすストレッチを中心に行うようにします。

【ストレッチの例】
≪肩甲骨周辺の筋肉をほぐすストレッチ:肩回し≫
(1)指先を鎖骨にあてるようにし、からだの前で肘と肘を合わせる
(2)肘が身体の下→横→前を通るように動かす。慣れてきたら肘で大きな円を描くように。逆回しも同様に行う

≪股関節周辺の筋肉をほぐすストレッチ:ランジ≫

(1)両脚をそろえて立ち、片方の足首に両手を添える
(2)手を添えていないほうの脚を大きく後ろに下げる
(3)顔は正面を向き、余裕があれば太ももの上に両手をおく(つま先よりも前に膝が出ないように注意)

寒い季節は体が温まるまで時間がかかるため、より入念なウォーミングアップが必要になります。

心も身体も美しく!40代からの「朝ラン」で充実した日々を手に入れる

アンチエイジングに効果的なストレッチ

■アンチエイジングに効果的なストレッチ
骨密度や筋肉量は、運動などをしないと加齢とともに減っていく。

\アンチエイジングには筋トレ、有酸素運動、ストレッチが有効/

「骨密度や筋肉量は、何もしないと加齢とともに減って行きます。それらを保つためにも適切な運動が必要です。アンチエイジング対策に有効な運動(体を動かすこと)としては、以下3つが挙げられます」(「クリニックシュアー銀座」院長・飛田砂織先生)。

筋トレ:筋肉量や成長ホルモン、代謝をアップする

有酸素運動:内臓脂肪を減らしたり、メタボリック症候群を予防する有酸素運動のひとつであるウォーキング。ウォーキングは、記憶と思考を改善したり、認知症を予防したりなど、脳にも作用する可能性がある
ストレッチ:肩こりを緩和して、姿勢が悪くなることを防ぐ。体の柔軟性を保つことで美しさにもつながる

自宅でできる簡単な筋トレ

スクワットや腕立て伏せなど、自宅で簡単にできるトレーニングがオススメです。筋肉には、全身に血液を巡らせる役割があります。トレーニングで筋肉を鍛えると、血行がよくなり、冷え性の改善につながります。また、基礎代謝がアップし、太りにくい体づくりをサポートします。また、適度な運動は成長ホルモンの分泌を促します。

手軽に始められるウォーキング

手軽に始められるウォーキングも効果的です。1日20分、週2回を目標に行うようにしましょう。まとまった時間がない方は、1回5分を4セットでもかまいません。ウォーキングをすると血行がよくなり、肌細胞に酸素や栄養が行き届いて、ターンオーバーが活発になるため、美肌効果が期待できます。また、筋肉量が増えて基礎代謝がアップし、太りにくい体に近づくことができます。

ストレッチや日常生活で「NEAT(非運動性熱産生)」を活用
運動の時間がとれない人は、就寝前や起床後のストレッチや、仕事や家事を利用しましょう。歩幅を大きく早足で姿勢よく歩く、エスカレーターではなく階段を使う、通勤時に隣の駅まで歩く、歩きながらお腹を凹ませて姿勢を整える、毎日少しずつ雑巾がけをする、などを取り入れてみて。

「これらは『日常生活の中での運動量(NEAT)』として、エネルギー消費の2~3割を占めると考えられ、ダイエットにも有効と期待されています。普段からキビキビ動くことを心掛けると運動量がアップする、これなら毎日続けられますね」(飛田先生)。

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むくみ期に効果的なストレッチ

脂肪が燃えやすい身体づくりにあたって、重要なのはタイミング。 女性の身体は、ホルモンバランスの関係上、むくみやすい生理前約 1 週間〜生理中の「むくみ期」と、代謝がいい生理中期から14日くらいの「やせ期」があります。

「むくみ期」は身体に水分を溜め込みやすいため、水分排出、血行促進のためのストレッチがおすすめ。もちろん、冷え性の方にもGOOD。

\「むくみ期」の人はストレッチを/

だるくてやる気のおきない「むくみ期」の人は、テレビを見ているときやお風呂上りなどにゴロゴロするだけの、簡単ストレッチがおすすめです。血行がよくなり、気分もスッキリします。ポイントを押さえて、おなかを意識して行いましょう。

いずれにしろ、無理は禁物です。普段運動をしない人は、おなかに力が入りづらかったりお尻をうまく使えなかったりするもの。「疲れた」と思ったらやめて、起き上がるようにしましょう。

むくみ期のストレッチ。
むくみ期のストレッチ。

あなたは今「むくみ期」? 「やせ期」? ダイエットに効果的な運動は、この2周期で違うんです!

目覚めに効果的なストレッチ

立って行うのでもOKです。
立って行うのでもOKです。

\朝起きたら「肩甲骨」を動かす/

まず朝目覚めたら、ストレッチがてら肩甲骨まわりを動かしましょう。白鳥が羽ばたくようなイメージで手を外側にひろげ、

(1)腕を頭上に上げる

(2)お尻の後ろで指先同士を合わせる

1と2をそれぞれ10〜20回ぐらいを目安に繰り返します。肩甲骨から腕が生えているように動かすのがポイント。

肩甲骨付近には「褐色脂肪細胞」という脂肪を燃焼しエネルギーに変える細胞が集まっているので、意識的に肩甲骨を動かすと代謝アップにつながります。さらに午前中に代謝を上げておくと、その後の5〜6時間、高代謝の状態が続きます。目覚めもスッキリして朝から頑張ろう! という気にもなれるので、一石二鳥ですね。

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猫背に効果的なストレッチ

\オフィスで手軽にできる簡単ストレッチヨガ/

■1:座ったまま片膝を伸ばす

片足の膝を伸ばす。

まず、椅子に浅く腰掛けて、片足の膝を伸ばして、ももの後ろ側の筋肉を伸ばします。ももの後ろ側の筋肉が固くなって縮むと姿勢が悪くなり、猫背になりやすくなるためです。

膝を曲げる方の足の位置は、自然な場所で構いません。膝を曲げる方の足の上に両手を添えます。このときに、猫背になりがちなのですが、背筋をしっかりと伸ばすことがポイント。リラックスしながらゆっくりと呼吸をします。伸ばした方の踵を立てると、ふくらはぎのストレッチを同時に行うことができます。

30秒間、この姿勢を維持するだけで、体が温まり、じんわりと血の流れがよくなっていくことを実感できるそう。片足を伸ばした後に、立ち上がって両足の感覚を比べてみると効果を実感しやすいです。両足を30秒間、伸ばすことを毎日続けるだけで、姿勢を正す大きな効果が期待できます。

■2:上半身をねじって胸を開く

上半身をねじる。

次にご紹介するのは上半身をねじるストレッチヨガ。椅子の上で足を組み、片手を膝の外側に添え、もう片方の手で椅子の背もたれにつかみます。背もたれをつかむ場所は、自分がやりやすい場所で構いません。

ねじった体の先の方へ顔を向けたら、背もたれをつかんだ手を使いながら胸を開きます。このポーズでも猫背にならずに、背筋をしっかりと伸ばすことを意識してください。胸が開くので、肩を前に押し出してしまっている肩胛骨を正しい場所に戻し、姿勢を正す効果が期待できます。

また、目線をできるだけ遠くに据えることで、疲れ目対策にもなります。

■3:両手を後頭部で組んで背中と首を伸ばす

背中と首をしっかり伸ばす。
背中と首をしっかり伸ばす。

続いては、椅子の上で体側を伸ばすストレッチヨガ。椅子の上で背筋を伸ばし、座骨の上にしっかりと重心を乗せます。頭の後ろで両手を組んで、背中と首をしっかりと伸ばすことを意識しましょう。そのまま、上半身を真横に倒していきます。呼吸は、ゆっくりとしてください。

日常生活の中で、体を真横に倒すことはほとんどないのですが、このストレッチヨガは、腰や背中に加え、肩の猫背対策としても効果が見込めます。

■4:両腕を前後に伸ばして肩胛骨を寄せる

体の前で腕を伸ばして手のひらを組みます。
肩胛骨を寄せる。

まず、体の前で腕を伸ばして手のひらを組みます。このときに、肩胛骨は左右に開かれます。次に、ゆっくりと天井を見ながら、両手を後ろに引きます。そうすると肩胛骨どうしが背中で近づきます。呼吸は、両手を後ろに引いたときに吸い、手を前に伸ばしたときに吐きます。

この動作を繰り返すと、肋骨を巻くようにして前に出てしまっている肩胛骨が本来の場所に戻るため、肩全体の動きがよくなり、猫背を解消する効果が期待できます。腕だけを小さく動かすのではなく、肘を背骨に持って行くイメージで大きく肩全体を動かすことがコツ。肘が背骨に近づけば、自然と胸が開きます。

1回だけでは効果を実感しづらいのですが、10回ほどやれば、体が温まってきて、効果を実感することができます。

■5:両手を開いたまま首を上下する

手のひらを下にして両手を横に伸ばし、首を下に向けながら息を吐きます。
息を吸いながら、手のひらを上に向け、天井を見つめます。

手のひらを下にして両手を横に伸ばし、首を下に向けながら息を吐きます。次に、息を吸いながら、手のひらを上に向け、天井を見つめます。手のひらを上に向けて天井を見た姿勢をしばらくキープします。

無理をする必要はありませんが、肩の動きをできるだけ大きくすることを意識するとよいとのこと。手のひらを動かすというよりは、肩の付け根を回すと自然と手のひらが回るというイメージで動かすことがポイント。腕を水平にすることが辛い人は、腕を下に向けても大丈夫です。

猫背を解消するためには、肩全体の血流をよくする必要がありますので、手のひらを下に向ける動作と、上に向ける動作をバランスよく続けます。このストレッチヨガも、1回から効果はありますが、10回ほど続ければ固まっていた筋肉がほぐれ、手を下ろした際にじんわりと血が流れ行く感触を実感できるそう。

■6:片手を添えながら首を横に倒す

首を倒した方向と逆側の鎖骨の辺りに手のひらを添えます。

最後は、椅子の上で背筋を伸ばして体を真っ直ぐにし、首を横に倒します。首を倒した方向と逆側の鎖骨の辺りに手のひらを添えます。楽に呼吸をしながら、その状態を30秒ほどキープします。

息を吐くときに猫背にならないように気をつけましょう。手のひらは重たさを少し感じるくらいに添えます。息を吸うと手のひらに肺が膨らむ感触が伝わるはずです。息を吐くときに、手のひらで肩を少し押します。首を曲げることで肩を伸ばした状態を作り出し、呼吸をすることでさらにそこから伸ばすことを助けるイメージで行うとよいです。

肩に添えない方の手は、中ぶらりんにしておくと効果が現れやすいそう。このストレッチヨガをやる前と、やった後で、それぞれ肩を回してみると、変化が実感できるので、こちらもモチベーションアップに繋がります。

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■肩こりに効果的なストレッチ

\肩こり解消のストレッチはまず「肩甲骨」から行おう/

肩こり解消のストレッチはまず肩甲骨から行おう。
肩こり解消のストレッチはまず肩甲骨から行おう。

みなさんは背中にファスナーのある洋服を自分でファスナーを上げたり、下げたりすることができますか?

「以前はできたけれど、今はしづらくなった……」という場合、肩甲骨の硬さが関係しています。普段の生活ではパソコンやスマホなど、腕を前に伸ばすだけの生活で、肩甲骨まわりを動かさない生活です。そうすると、肩甲骨周辺の筋肉が硬くなり、動きにくくなってしまうのです。

「重い頭を支えているのは首だけではなく、背中側の首から肩周り、背骨にかけての筋肉(僧帽筋)にも関わってきます。筋肉が疲労して血液の循環が悪くなると、そこに乳酸が溜まって、痛みが出て、筋肉を硬くさせてしまうのです。肩こりは胸にある大胸筋が萎縮して上腕が引き込まれて内旋し、肩甲骨が外側に開き、僧帽筋が縮むことにより起こります」(いいだ整骨院・鍼灸院の原 幸夫さん)

肩甲骨周りはさまざまな筋肉があるところ。いきなり肩の僧帽筋を動かそうとしても、なかなかほぐれていきません。

「(肩甲骨の周辺は)背中をおおう広背筋(こうはいきん)、背骨に沿う脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)、腰椎(ようつい)と肋骨(ろっこつ)と骨盤をつなぐ腰方形筋(ようほうけいきん)といった筋肉が、お互いに絡み合い伸びたり縮んだりしながら体を動かしています。

周辺が固まっていれば、肩甲骨の動きも悪く、周囲の筋肉はアンバランス状態。そこで、動きやすいところから動かしてみる、ストレッチしやすいところからストレッチしてみるのもよい方法です」(原さん)

ただなんとなくストレッチをするのではなく、肩こりなら肩甲骨まわりから行うがベターというわけです。

\肩こり解消ストレッチ/

(1)肩のこりに効くストレッチ

胸を突き出すようにして、肩こり、胸、肩関節の痛みを防止します。喉の調子も改善します。

肩のこりに効くストレッチ。
肩のこりに効くストレッチ。

姿勢を正して、天井を見るように、ゆっくりとアゴを引き上げていきます。頭を後ろに倒すのではなく、あくまでもアゴを上へと向けていくイメージです 。

「このとき手を体の後ろで組み、アゴを上げていくのと同時に、組んだ手を斜め 下へと引っ張っていくと首前だけでなく、胸、肩の筋肉もほぐれていきます。手を上げ下げして、左右に動かすと、伸ばされる場所が違うので気持ちいい場所を 見つけてください」(原さん)

手の指はクロスさせ、肩甲骨をぐっと内側に寄せるイメージで行います。

(2)肩関節ATMストレッチ

ATMとはアンチトリックモーションストレッチのことで、代償運動をおこさないストレッチです。背中のこり、肩こりが改善し、肩関節の動きがよくなります。

肩関節ATMストレッチ1
肩関節ATMストレッチ1
肩関節ATMストレッチ2
肩関節ATMストレッチ2
肩関節ATMストレッチ3
肩関節ATMストレッチ3

左足のひざを曲げます。左手で左足のかかとをつかみ、肩甲骨を前に引き出すようなイメージでひざを伸ばしていきます。足の位置を下げると肩甲骨の上方が、上げると下方が伸びます。足を内側に持ってくると肩甲間部(けんこうかんぶ)が伸びます。

伸ばしたいところが引っ張られるように、背中を丸めるのがポイントです。弓にたとえると体が弓で手と足で引き寄せるイメージです。最初はできなくて当たり前。特に体が硬い人には難しいストレッチですが、続けるとできるようになってきます。

(3)肩関節前方ストレッチ

肩甲骨の動きがよくなり、肩関節の可動域が広がるストレッチです。

肩関節前方ストレッチ1
肩関節前方ストレッチ1
肩関節前方ストレッチ2
肩関節前方ストレッチ2
肩関節前方ストレッチ3
肩関節前方ストレッチ3

両手を肩幅より広めに開いてからソファーに手をつきます。ソファーの前にしゃがみ、ゆっくりと下方向へしゃがんでいきます。

このストレッチを行うときは、背中が丸くなりやすいので、背筋はしっかり伸ばしておきます。また、勢いよくかがみこむと肩を痛める可能性がありますので、ゆっくりと慎重に行うようにしましょう。肩甲骨の内側に効くストレッチ。きちんと固定されていれば、椅子でも代用できます。

(4)肩関節柔軟

肩甲骨の間をせばめて、肩周辺をじんわりと伸ばしていくストレッチです。

肩関節柔軟1
肩関節柔軟1
肩関節柔軟2
肩関節柔軟2

後ろ手で、ソファーの背もたれをつかみます。手の幅は肩幅程度が目安。肩甲骨の間をせばめて、胸と腕のつけ根周辺を伸ばします。このとき背中はしっかり伸ばし、視線は少し上方向に向きましょう。

下を向いたり、ひじは曲げないようにしてください。手と手の間は狭い方が効果的です。つらかったら手と手の幅を調節してください。肩こりがひどい人は腕が上がらないかもしれません。また、立ったままの姿勢でもOKです。

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腰痛に効果的なストレッチ

(1)左膝を付く
(2)右足を一歩前に置く
(3)体重を前方にかけ、左足の付け根をじんわりと伸ばす
(4)腰がそれないよう、へそを凹ませるのがポイント

痛みを感じそうになったら、こまめに取り入れてください!
痛みを感じそうになったら、こまめに取り入れてください!

上記の運動を1分間に5~8回をワンセットで。各回、3秒息を吸って、5秒吐き出しながら行います。

息を吐きながら、重心を移動させると、よりストレッチをかけられます。私は、朝晩と作業の間、「あぁ、来そうだな・・・!」と腰痛の予感があるときに、こまめに5~8回づつ左右入替えて行っています。おかげさまで、最近ハリや整体に行かなくなっているので、効果は出ている様子。ぜひお試しください。

「草むしり」からわかった!腰痛をやわらげる1分間ストレッチ

この記事の執筆者
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