シャネル、フェンディのデザイナー、カール・ラガーフェルドが逝った。85歳という高齢もあり、いつかこの日が訪れることは誰もが分かっていたことだが、いつもキマっていたその出で立ちからはやはり想像できず、ファッション界の王がいなくなったことはまだ非現実的だ。

シャネル、フェンディのみならず、様々なブランド、デザイナー、プレスたちが哀悼の意を表している。高齢になっても移り変わりの激しいモードの世界で常に先頭に立った彼は帝王や皇帝との表現がふさわしい。

老いてますます洗練されたカール・ラガーフェルド

白黒、シャープなスタイルを真似したい

いつも白黒だったカール・ラガーフェルド。高い襟、タイにつけたジュエリーなどシックな中に色気を見せる彼のスタイルは、まさに伊達男の極み 写真:Shutterstock/アフロ

カール・ラガーフェルドといえばそのスタイリングがアイコニックだった。白髪のポニーテール、サングラス、襟の高いシャツに大きめのタイ、シャープなブラックスーツ、そして手にはクロムハーツとレザーグローブ。

エディ・スリマンのディオールオムに惚れダイエットして以来ずっとこのスタイルが定番だった。美を作り出すもの、自身の美へもストイックであり、サングラスも高い襟もグローブもシワを隠すためであったろう。最近では髭を生やしており、これも同じくシワ隠しだろう。いつまでもカッコよく見せ続ける姿勢は男として見習うべきだ。

痩せる前はヨウジヤマモトのスーツだった。いずれにしろシャープなカッティングが好みだったのだろう。

100kg超から42kg減!

一時100kgを超えていたカール・ラガーフェルド。ディオールオムのスーツが着たいがために2000年秋から13ヶ月で42kg減量。当時の記録は『42kg減! 華麗なるダイエット』として出版されている 写真:Shutterstock/アフロ

高い襟のシャツはシャルべへの特注品。巻いたタイやリボンに添えるジュエリーなどはシンプルな中に華やぎを添える。

彼を見ているとダンディズムの創始者ボー・ブランメルを思い出す。実際に2006年の『ヌメロオム』でUltimate Dandysと題したファッションシューティングをしている。そこでのモデルポートレートはさながらボー・ブランメルのようだ。

クラシックでエレガントでダンディの象徴だったカール・ラガーフェルド。最後に彼の名言から伊達男たちは学びたい。

「服があなたに合わせるのではなく、あなたが服のほうに歩み寄らなければ」

享年85歳。合掌。

この記事の執筆者
デザイン誌、ウェブファッションメディアを経てデジタルエディター/マーケターとしてフリーに。ジャン=ポール・ゴルチエとピアノを愛し、日々ゴルチエのヴィンテージとピアノ曲をサーチ。タキシードにスカートが自分にとっての正装。メンズプレシャスのインスタグラムも担当している。