シャンソン歌手として、映画俳優として一世を風靡したイヴ・モンタン。彼の装いにおいて奇をてらったものや、スノッブな雰囲気の服はほとんど見当たらない。もちろん当時だれよりもダンディではあったが、どちらかというと大衆にわかりやすくシンプルな服装が、彼のスタイルだった。特にスーツもジャケットもモノトーンの色合いを好んだことが、スノッブに見えない理由だったと言われている。

シックだがノンシャランなイヴ・モンタン

ストイック、が形容に合う着こなし

  • スーツ同様にカジュアルなジャケット&パンツの装いも、モンタンはダークトーンでまとめていた。ポロニットのシャツもボタンをトップまで留めて非常にスキのない印象。ともすると地味になりがちな合わせだが、「プンターレ(剣先の飾りチップ)」を配したベルトが、モダンなアクセントとなっている。靴はここでもブーティ!写真:Globe Photos/アフロ
  • シックの王道であるダークスーツの装い。使う色は2~3色に限定し、ミニマルに徹することで男の色気を強調。そこにモンタンは、リラックスの味付けとして、同系色のニットを加えることを好んだ。それにつけてもクラシックスーツは、最低限のアイテムでお洒落を成立させる必携アイテムであることが、この写真からもわかる。写真:Globe Photos/アフロ

しかし、実際につぶさに観察すると、ダークスーツでもメランジ調の生地だったり、パンツも無地のようで柄織りのものだったり、伊達男らしくエスプリの効いたもの選びはしていたという。そんなモンタンスタイルを現代の装いに取り入れる場合、あまりにフラットに陥らないのがポイント。たとえばジャケットも黒やグレーだけでなく、少し暖かみのある濃いブラウンにしてみたり、胸に差すチーフを色柄ものにするだけで、洒脱さは添えることができるのだ。

また、カジュアルなベルト使いや軽妙なショートブーツなど、個性的な小物使いもモンタンらしさ。ストイックさのなかに茶目っ気を取り入れる、彼の心の余裕を忘れたくない。

※2011年秋号取材時の情報です。

※価格は税込みです。

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