ベーシックなアイテムの代名詞的な黒タイツですが、もっと多彩に使いこなせるレッグウエアでもあります。例えば、英国王室のCatherine(キャサリン)妃は、黒タイツをエレガントにまとうコーディネートのお手本にしたくなるおしゃれ上手のひとりです。

人気の続くセットアップや、勢いが戻ってきたミニ丈ボトムスとも好相性を発揮。品格や落ち着きを印象づけてくれる黒タイツを使って、洗練された装いに整えるスタイリングは覚え甲斐があります。

キャサリン妃は「黒タイツ」を愛用!エレガントな春スタイル5選

■1:チェック柄を引き立てる

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統一感を高める、地色のグリーンに合わせた小物選びが肝

黒タイツは柄物のボトムスを引き立てるバイプレーヤーにうってつけのキャスティングです。

スコットランドを訪れたキャサリン妃は、沈んだトーンの地色に太い格子柄を重ねたチェック柄の「ブラックウォッチ」で全身をまとめました。緑、青、黒を基調色とする、伝統的なタータンチェックのひとつで、近年はドレッシーな装いに落とし込む着方が支持されています。

こういった柄入りのボトムスを印象的に見せるうえで、黒タイツはいい仕事をしてくれる存在。ボトムスの色に黒が入っていると、全体のなじみがよくなります。

■2:単色ワンピースを華やかに魅せる

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黒のショートブーツとタイツを馴染ませて、レッグラインの引き締め効果をUP!

ワンピースやスカートとの間で、色のコントラストを効かせると、黒タイツの「引き立て力」が一段と高まります。

ロンドンの学校を訪問したキャサリン妃が選んだのは、きれいなグリーン単色のワンピース。どこか懐かしげなレトロ風味のシルエットがのどかなムードを醸し出しています。

主役のワンピースを、黒のクラッチバッグと黒タイツでサンドイッチして、華やぎを強調。色数を2色に絞り込んだから、ワンピースの静かなドレープが印象的に映る仕掛けです。

■3:ミニスカートに大人感をプラス

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ミニスカートも正統派テイラードジャケットとのセットアップなら、品格ルックに様変わり

大人っぽい雰囲気のある黒タイツは、ミニ丈ボトムスの甘さを抑える働きも期待できます。

ミニ丈のフレアスカートはキュートに見えすぎる心配がありますが、黒タイツで合わせれば、シックな着映えに。程よいガーリー感を帯びた「大人かわいい」系のコーデにまとまりました。

黒のハイネックで、カラートーンを引き締めたのも、気品を感じさせる理由です。

■4:フレアスカートを優美に演出

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艶めきを帯びたバッグと靴で、質感の違いを演出

エレガントさを際立たせる「縁の下の力持ち」的にも黒タイツを役立てられます。

オペラハウスに向かうキャサリン妃は、ウエストを絞った「フィット&フレア」の艶やかなベリー色のスーツをチョイス。華やぎとロイヤル感を兼ね備えた色がポイントだから、残りのアイテムはすべて黒で統一しました。

ゆるやかに裾が広がったフレアスカートの優美さを、黒タイツが引き出しています。ゆったり幅のボトムスと、レッグラインにぴったりの黒タイツは抜群のコンビネーションです。

■5:渋め色で品格コーデに

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地味すぎない渋め色のチョイスが、セレモニー服を格上げするコツ

冠婚葬祭に代表される、かしこまった場でも黒タイツは重宝します。

弔問のセレモニーに臨んだキャサリン妃は、クラシカルなワンピースに身を包んで、弔意を物静かに表現。襟の縁取りや、ボタンの周りにあしらった黒がタイツと響き合って、落ち着きを加えました。

渋めの色をキーカラーに据えて、黒で深みを出すというのは、品格コーデの基本技です。


無難な選択に陥りがちな黒タイツですが、「とりあえず」ではなく、意識的にコーデへ組み込めば、キャサリン妃のようにおしゃれな着映えに整える効果が見込めます。春先はまだ冷え込む日が少なくないから、レッグウエアは頼れる味方。黒タイツのおしゃれな操り方を手に入れて、装いの演出に役立ててみてはいかがでしょう。

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この記事の執筆者
多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報、着こなし解説などを発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かした解説が好評。自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い。著書に『おしゃれの近道』『もっとおしゃれの近道』(学研パブリッシング)がある。
PHOTO :
Getty Images
WRITING :
宮田理江
EDIT :
石原あや乃