春を感じさせる装いのひとつに、上品に落ち着いた雰囲気にまとまった色使いがあります。それが「トーン・オン・トーン」。例えば、ベージュとキャメル、クリームなどの、少しずつ色味や濃さが異なるけれど、テイストが近い色を響き合わせる整え方です。ムードが程よく統一されることによって、穏やかな着映えに仕上がります。完全な1色使いほどにはまとまりすぎない抜け感も「トーン・オン・トーン」の魅力です。

ワントーンコーデが洗練して見える理由は?海外セレブの洗練された春スタイル6選

■1:シックなタイトスカートを「穏やかムードのこなれルック」にシフト

グリーン系のコーディネートでまとめるMeghan(メーガン)妃
グリーンを引き立てた、適度な肌見せ

きちんと感の高い「タイトスカート」は、エレガンスを象徴するボトムスです。細身シルエットが効いて、シャープに見えやすいのですが、やわらかいムードに整えるうえで、トーン・オン・トーンのコーデが役立ちます。

英国王室のMeghan(メーガン)妃は、キーカラーに濃いめのモスグリーンをチョイス。艶やかなレザーのタイトスカートに、薄手のブラウスを引き合わせました。革のクールさと、布のソフトな風合いのずれが、上下1アイテムずつとは思えないほどの深みを、装いにもたらしています。

淡いブルー系のコーディネートでまとめるSofia(ソフィア)妃
トップスもコンパクトにまとめて、すっきりしたシルエットに

「タイトスカート」は、キリッとした印象が強いアイテムですが、優しげなトーンの色を選べば、表情を変えられます。

スウェーデン王室のSofia(ソフィア)妃は、淡いブルー系のトーンでまとめ、穏やかな印象のコーデを披露。アイシーブルーのタイトスカートにパウダーグレーのトップスを引き合わせ、全体をソフトな雰囲気で包みました。ベルトや靴まで、近いトーンでそろえて、品格までまとわせています。

■2:ざっくりニットを「脱・カジュアル」の大人っぽコーデにアップデート

ピンク系のコーディネートでまとめるJennifer Lopez(ジェニファー・ロペス)氏
真っ白いスニーカーを、ほんのりピンクのアクセントに

人気の続く「ざっくりニット」はトレンド感の高い着こなしに導いてくれるから、春から先も重宝しそう。ルーズに見えないよう、大人っぽく整えるには、トーン・オン・トーンが効果的です。

歌手・女優のJennifer Lopez(ジェニファー・ロペス)は、ピンクのファー飾り付きニットセーターに、ゴムウエストのリラックスパンツをマッチング。ゆるく見えすぎていないのは、くすませたピンクで色味を統一したから。カジュアル顔のアイテムをセットアップ風に着こなせる点でも使いこなしたいお見事技です。

白系のコーディネートでまとめるJamie King(ジェイミー・キング)氏
リラックス感の漂うニットのVネックが大人感を演出

「ざっくりニット」の場合、のどかな印象にまとまりやすいのですが、トーン・オン・トーンを取り入れれば、上品な見え具合に仕上げやすくなります。

女優のJamie King(ジェイミー・キング)が真っ白いニットセーターに引き合わせたのは、同じく白のボリュームスカート。色味は近くても、表面が毛羽立っているスカートを取り入れることによって、上下の風合いのギャップが際立って、全体に動きがある異素材ミックスコーデに。爪先のとがったポインテッドトウ靴も加わって、リュクス感がアップしました。

■3:ロングアウターを「上品な縦長エレガンス」に馴染ませる

ベージュ系のコーディネートでまとめたCeline Dion(セリーヌ・ディオン)氏
赤のバッグとシューズを艶やかな差し色に

日中は暖かくても、夜は冷え込む日があり、春の終わりまで「ロングアウター」は手放せません。アウターを重たく見せない着こなしにも、トーン・オン・トーンは力を貸してくれます。

歌手のCeline Dion(セリーヌ・ディオン)は、ベージュ系のロングコートをはおって、ファッションショーに来場。大判ストールも同系色でまとめたおかげで、優美な見え具合に。ベージュ系は穏やかさと気品が両立するから、使いこなしたい組み合わせです。

クリーム色系のコーディネートでまとめるEva Herzigova(エヴァ・ハーツィゴヴァ)氏
ロングネックレスも縦落ち感を添える小技として適任!

無地の組み合わせが多いトーン・オン・トーンですが、色味がそろっていれば、柄も生かせます。

モデル・女優のEva Herzigova(エヴァ・ハーツィゴヴァ)は、淡いクリーム色をベースに、エレガンスを感じさせるコーデを組み上げました。コートもスカートもロング丈ですが、控えめなトーンが効いて、重たく見えていません。大ぶりな柄でも地色が似通っているので、落ち着いた見栄えにまとまっています。穏やかなパステルカラーがベースになったスカートをチョイスし、春の先取りルックを披露しました。


必ずしもぴったり同じ色に統一する必要がないのが、トーン・オン・トーンと付き合いやすい理由です。むしろ、アイテムごとに少しずつ濃淡や質感を変えるほうが、全体を趣深く見せてくれます。キーカラーの選び方次第でいろいろなムードを醸し出せるから、春からのスタイリングで試してみてはいかがでしょう。

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この記事の執筆者
多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報、着こなし解説などを発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かした解説が好評。自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い。著書に『おしゃれの近道』『もっとおしゃれの近道』(学研パブリッシング)がある。
PHOTO :
AFLO
WRITING :
宮田理江
EDIT :
石原あや乃