防寒が最重要ミッションだった冬コートと違い、春コートは軽やかなイメージが求められます。重たく見せず、こなれ感をまとって着こなすためには、全体のバランスが大事。きっちり固めてしまうのではなく、さらりとはおる感じで、ライトにまとめるスタイリングを心がけて。

コートルックを彩る小物や、引き合わせるウエアの柄などが春らしいムードを呼び込んでくれそう。海外のおしゃれ上手たちが披露してくれたアイディアを参考に、春コートスタイルに磨きをかけていきましょう。

今年っぽくブラッシュアップできる!参考にすべきオシャレプロの「春コートスタイル」5選

■1:ベーシックコートは「小物使いでアップデート」

おしゃれな小物使いとインパクトのあるコートの着方の女性
シャツ裾も片方だけをウエストインして、賢くアシンメトリーな着こなしに

手持ちのコートから、手軽に別の表情を引き出すには、小物使いが便利です。

例えばコートの上からベルトを巻くだけでも、ウエストマークが決まります。トレンチに付属しているような、共布のベルトではなく、雰囲気の異なるフェミニン系のベルトを選ぶほうが印象を変えやすいでしょう。キュッときつく巻くか、わざとゆるめに巻くかでも、ムードを変えられます。片方の肩だけを落とす着方も、コートルックを重たく見せません。小ぶりのバッグでキュート感を演出。フェミニンな色がきれいなハイヒールも艶めきを添えています。

■2:「コートとストライプ柄でつくる縦落ち感」でほっそりイメージをアピール

カーキ色のコートを着こなす女性
パンツのベルトを無造作に垂らして、縦落ち感を印象づけて

柄を上手に取り入れると、コートルックを爽やかな見え具合に整えられます。

春夏にふさわしい、すっきりしたイメージを呼び込むには、縦縞のストライプ柄がベストチョイス。それぞれに縞模様の細さや色味が異なるシャツとパンツを組み合わせれば、さらにシャープな着映えに仕上がります。無地のダークカラーコートを重ねても、前を開けてストライプ柄を見せているので、すっきりした軽快さが感じられるコーデです。

■3:定番のデニムルックがこなれて見える「オーバーサイズコート」

ビッグシルエットなベージュのコートを着こなす女性
コートのビッグシルエットを際立たせるミニバッグの合わせ技も流石

カジュアルルックの代名詞的なジーンズに、別のムードをまとわせるうえでも、コートは頼れる存在です。

はき慣れたジーンズの上から、オーバーサイズのコートをはおるだけで、自然体のスタイルを演出できます。ボタンを留めず、ベルトも巻かない着方は、気負わない雰囲気に見せてくれそう。着こなしのポイントは、風をはらむようなコートの遊ばせ具合。歩くたびにコートが優雅にひるがえることによって、デニムコーデにリズムとこなれ感が出ます。

■4:ドレスライクにまといたくなる「上品柄のコート」

花柄のコートを着こなす女性
フラットシューズで軽やかな足元を印象づけて

コートをドレスライクにまとうのなら、艶やかな総柄タイプがおすすめです。

色使いのきれいな柄物コートは装いの主役を任せられるから、残りのアイテムはプレーンな見え具合の無地タイプで大丈夫。花束がプリントされた上品なコートをモノトーンルックに合わせて、互いを引き立て合わせました。

ワンピースを着るようなイメージで、コートを主役に据えて、残りはシックにまとめると、全体がエレガンスときちんと感を兼ね備えた見栄えにまとまります。

■5:スポーツテイストを格上げする「エレガントなコート」

ネイビーのコートを使ったスポーツミックスコーデの女性
スポーティアイテムは1点にとどめて、洗練テイストを主体に

アスレジャー風のスポーティーなボトムスを格上げする切り札的ピースとして、エレガントな品格コートを投入する選択肢があります。

両サイドに縦ラインが走るトラックパンツは春夏にふさわしい元気な見栄え。その分、イージーに見えやすいのですが、ネイビーの膝丈コートを重ねれば、ぐっと落ち着きが増します。

サイドラインをしっかり露出してあるので、シャープなレッグラインを印象づける効果は損なわれません。縦長でスリムなチェスターコートはこのような着こなしにうってつけです。


防寒面で頼もしい春コートですが、着こなしのキープレーヤーに位置づけると、コーデを組み立てやすくなります。持ち味の大人感やシックさを、少しずらすつもりで、自在のアレンジを試して、春の装いに鮮度を加えてみましょう。

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この記事の執筆者
多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報、着こなし解説などを発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かした解説が好評。自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い。著書に『おしゃれの近道』『もっとおしゃれの近道』(学研パブリッシング)がある。
WRITING :
宮田理江
EDIT :
石原あや乃