できることなら、もっとお金を稼ぎたいと思うもの。ただ、普通の働き方では大金を稼ぐことは難しいです。億万長者のような、徹底的に時間の効率化を行っている人に学ぶしかありません。

彼らは一体、どんな時間術を行っているのでしょうか? お金持ち事情に詳しい経営コンサルタントの稲村徹也さんと、副業アカデミー代表の小林昌裕さんのふたりに、お金を稼ぐために無意識でやっている時間の使い方・時間の考え方を教えていただきました。

お金をもっと増やしたいなら、今すぐ仕事中に取り入れていきましょう!

大金を稼ぐ億万長者達が無意識にやっている「時間の使い方習慣」6選

■1:何が欲しいのかを具体的にして優先順位を決める

行動の取捨選択することが重要

稲村さんによると、時間とは心構えだそうです。何事にも積極的な心構えをもっているかが大切だとのこと。

「目標を達成するには、計画を立て、期限を決め、自信を奮い立たせ、情熱を持ったゴール設定が必要となります。障害に立ち向かうには、勇気と血液が沸騰するようなゴールが必要なのです。億万長者やリーダーはヴィジョン、ミッション、価値観、行動指針をもっています」(稲村さん)

また、億万長者には億万長者の友人がいて、彼らは必ず稼げる仕組みをもっており、その仕組みをつくることに対して、多くの時間を投入しているそうです。

「具体的に、億万長者はまず血沸き肉踊るようなゴールを101個設定します。それらを、健康、感情、人間関係、家族、楽しみ(趣味)、精神、環境、ビジネス、キャリア、資産構築の10の分野に割り振りします。そして、各分野の上位2位まで決めます。10の分野なので、合計すると20個ですね。この20個から最も大切なこと上位3つを選び、それらを優先的にスケジュール管理します」(稲村さん)

この10の分野とは、人生の車輪(Wheel of Life/下図)に割り当てるとイメージしやすくなります。人生の質(Quality of Life)を評価し、すべての分野を均等に10にもっていくことが大切なのだそうです。人生の車輪といった名前の通り、これで綺麗な円ができれば車輪のように自然と前へ進んで行けるということ。

人生の車輪(Wheel of Life)

「億万長者や成功者の多くが、自分自身、何が欲しいのかを具体的に明確に理解しています。そのために一番時間を割きます。逆に、優先順位の低いものは、スケジュールから切り捨てるのです。仕事とプライベートの『ON』と『OFF』がはっきりしていて、海外の経営者では多いのですが、1年のうち1~2か月間を家族と世界旅行などして過ごしています」(稲村さん)

まずは、上記の絶対にやりたいこと・叶えたい夢や理想をひたすら紙に書いてみましょう。そして、健康、感情、人間関係、家族、楽しみ(趣味)、精神、環境、ビジネス、キャリア、資産構築の10の分野に割り振り、上位をピックアップしてみてください。人生の質を上げるために、これらの優先順位を決めて綺麗な円を心がけていきましょう。

■2:午前中はイノベーションの時間・ランチタイムは新しい人と会う時間にする

どの時間帯に何をするかを決めて

毎朝の通勤時間、満員電車に乗るのはそれだけですでに体力を浪費してしまい、辛いですよね。億万長者はこのようなストレスを遠ざけようとするそうです。

「朝はそれより早くに出社することで、ガラガラな電車の中で仕事ができたり、リラックスすることができます」(稲村さん)

朝にランニングやフィットネスをしたりした後に仕事することは、脳の回転にもとてもよく、エネルギッシュに仕事を始められるそうです。

「特に午前中の時間はゴールデンタイム(黄金の時間)と言われ、頭が疲れていないので、この時間に脳を使う仕事をすると効率UPします。億万長者や成功者は、この時間に思考を集中させたり、アイディアを出したり、イノベーションの時間にしています。電話をしたり人と会ったりせずに自分だけの時間をつくるのです。自分自身に有効に時間を使うことが人生なのです」(稲村さん)

だから、彼らが人に会うのは午後以降、夕方だそうです。ただし、こちらからお金持ちを誘うなら、ランチに誘うことを稲村さんはおすすめします。

「多くの人は、ディナーや飲み会に誘うことが大切だと思うのですが、億万長者や成功者は暇ではないので大切な人との時間を過ごすことが一番だと考えます。ランチタイムは、『誰と人脈を作らないのか? 誰とビジネスをしないか?』を決めるための時間としているのです。

ランチだと高くても1,500円程度、ディナーや飲み会では最低5,000円はかかりますよね。ランチタイムは、イノベーションの時間が終わった後なので、とても大切な時間であり、良質な人間関係をつくります。人生を変えるには、このようなマインドセット、人間関係、環境が大切です」(稲村さん)

午前中はイノベーションの時間にあて、ランチタイムは新しい人と会う、ディナータイムは大切な人と過ごす、ということをぜひやってみましょう。

■3:月給計算でなく時給計算で考える

時間は有限であることを意識する

「月給いくら?」で自分や他人を判断していませんか? 稲村さんは、「億万長者は時給計算、凡人は月給計算」と言います。

「億万長者や成功者は、自分の時給で物事を考えています。生産性のないものはやらないからです。時間単位の生産効率を重要視しており、短時間でいかに多くの収入を生み出すかを常に考えて行動しているのです。お金は無限であり、効率的に複利的に増やすことができます。しかし、時間は有限です。億万長者や成功者は人生で一番貴重なものは時間であることを良く知っているのです」(稲村さん)

さらに小林さんは、自分の時給を常に把握するだけでなく、「相手の時給も想定で計算する」と言います。

「万が一、遅刻してしまうときは必ず事前に連絡します。同様に、打ち合わせの終了時間はあらかじめ決め、最初にその時間を相手に告げます。それは、相手の時給が高いことがわかっているためです」(小林さん)

億万長者が付き合う相手自身も億万長者であることが多いもの。自分の時給を常に計算しているからこそ、相手の時間も貴重なものと考え、無駄にしないようにするそうです。1時間単位でコストパフォーマンスを考えるようにしてみましょう。

■4:スケジュール帳を眺めて夢実現のシミュレーションをする

イメトレでモチベーションアップ

億万長者は自分の優先順位を年間スケジュールに入れて、それを週間スケジュールにあてはめ、さらに毎日スケジュールをチェック。そして、スケジュール帳を眺めて、常に夢実現のシミュレーションをしているそうです。

「億万長者は計画してつくられるものです。スケジュールに関しては、思いつきの行動はしません。億万長者にはゴール設定があるので、それを達成するためにスケジュールを組み、そのために行動します。夢を叶えるために、どんな行動をするかを実践・実行するだけなのです。夢をただ眺めることはしません」(稲村さん)

夢の実現のためには何が必要なのか、資源(リソース)、人間関係、環境、知識、知恵、計画、戦略、戦術を分析し、いつまでに何をするかをはっきりと決めているため、毎日のスケジュール管理や自己管理、チームとの関係が欠かせないのだそうです。夢実現のためにいつまでに何をするか、スケジュール帳を見ながらイメージしてみましょう。

■5:うまくいかない場合の時間の浪費は、成長への学びの投資と捉える

くよくよ後悔しなくていい

仕事で失敗すると、「時間を無駄にした!」と思いがちですよね。小林さんによると、億万長者は失敗しても、それを必ずしもネガティブには捉えていないようです。

「トライした結果、うまくいかない場合の時間の浪費は、成長への学びの投資と捉えるのです」(小林さん)

うまくいかなかった反省を次の行動に生かすことができれば、それは時間の浪費ではなく、前向きな投資となるのだそうです。失敗したときは「いい勉強になった」と考えるようにしてみましょう。

■6:電話はどうしても必要な場合以外は極力出ない

電話応対は時間の無駄ととらえよう

最近は、ビジネス上の連絡手段も、メールやチャットがメインとなっています。以前、ホリエモンこと堀江貴文氏が、「電話してくる人とは仕事するな」と発言して議論を呼んだこともありました。

小林さんも「電話はどうしても必要な場合以外は、極力出ない」と言います。それは、相手の都合に関係なくかかってきた電話によって、貴重な時間が奪われるためだそうです。電話は手の届かないところに置き、仕事のやりとりはメールやチャットのみに絞ってみましょう。

以上6点を、自分の時間の使い方や考え方と照らし合わせてみてはいかがでしょうか。漠然と時間の浪費をしていないか振り返り、少しでもお金を稼ぎたいなら、少しでもできるところから始めてみてください。

稲村徹也さん
ビジネスオーナー、経営コンサルタント
(いなむら てつや)ウェーブリンク株式会社代表取締役。高校在学中にバンドデビューを夢みて上京するが、夢破れてホームレスになる。元経営者から学び、21歳で土建業を起業。年商20億円の企業にまで成長させるが株式上場目前で社内が分裂、30歳で億単位の借金を背負う。後に再スタートをきり、アウトソーシング業のほか、コンサルティング業や投資業など複数の会社を経営。2018年には、ミリオンセラー『金持ち父さん貧乏父さん』の著者、ロバート・キヨサキ氏、ベストセラー『日本人のためのお金の増やし方大全』の著者、ロバート・アレン氏を日本に集結し、幕張メッセで1万人のセミナーを開催。著書に『「失敗」を「お金」に変える技術』(きずな出版)などがある。
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小林昌裕さん
副業アカデミー代表
(こばやし まさひろ)「収入の柱を増やし、人生を選べるようになる」を理念とする副業アカデミー代表。明治大学リバティアカデミー「金融マネジメント入門」講師。ロバート・キヨサキ氏の著書『金持ち父さん 貧乏父さん』を読んだことをきっかけに、2009年にサラリーマンをしながら副業で不動産賃貸経営を始める。区分マンション・都内シェアハウス・地方一棟マンションなどを保有して年間の家賃収入が3,000万円を突破。また、不動産賃貸経営以外にも20余りの副業を実践し年間収益が1億円を超え、2014年にサラリーマンを卒業。現在は副業を教える学校「副業アカデミー」の運営をしながら、さまざまな大学・企業・団体での講演などを通じて、あらゆる人の収入の柱を増やすために幅広い活動をしている。
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この記事の執筆者
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WRITING :
あわいこゆき
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