オムライスやハンバーグ、カレーの隠し味から和食まで、さまざまなメニューに使える「ケチャップ」。使い勝手がよく、常備している人も多い人気の調味料です。一方で、保存方法によっては、風味を損ね劣化につながることもあります。

そこで今回は、カゴメ・経営企画室広報グループの篠原早耶さんに、トマトケチャップのおいしさを保つ方法と、ケチャップの鮮度を見分けるポイントを伺いました。

「おいしいケチャップ」を保つ3つの行動

■1:開封後は冷蔵で保存、1か月以内を目処に使い切る

開封後は、テーブルに置いておくなどの常温保存はNG。都度、冷蔵庫へしまいましょう
開封後は、テーブルに置いておくなどの常温保存はNG。都度、冷蔵庫へしまいましょう

未開封のケチャップは、直射日光を避けて常温で保存。未開封であれば、パッケージ記載の賞味期限までおいしさを保てます。

また、篠原さんによると、カゴメトマトケチャップには殺菌力のある糖類や酢、食塩などが入っているため、開封してもすぐに傷むことはないそう。ただし、保存料をはじめ添加物は一切使用していないので、開封後は冷蔵で保管し、賞味期限に関わらず開封後1か月程度で使い切りましょう。

 ※常温:カゴメケチャップではJIS企画を参考に28℃(1年を通じた平均温度)としています

■2:チューブタイプのキャップは上向きに!下にして保管するのはNG

冷蔵庫で保存するときはキャップの向きに要注意
冷蔵庫で保存するときはキャップの向きに要注意

チューブタイプは、ケチャップが出やすいようにキャップ部分を下にした状態で保管したいところですが、トマトの水分が豊富なケチャップでは実はNG。

「同じ状態で長時間置いたままにしていると、ケチャップの水分が分離することがあります。キャップ部分を下にして保管すると、この水分が注ぎ口に溜まり、キャップを開けた際にこぼれる場合があるので、キャップを上に向けて保管するのがおすすめです」(篠原さん)

篠原さんによると、水分が分離してしまっても品質に問題はないそう。分離した場合は、ケチャップの容器を揺り動かすなどして混ざるようにすると、元の状態に戻ります。また、中の空気をしっかり抜いて冷蔵庫に入れると分離を防げるそうです。

また、残りが少なくなってきてケチャップが底にたまり、出しにくくなったときは、使う直前にひと工夫することで出しやすくなるそう。

「使う前にキャップを開けて空気をチューブに入れ、キャップをしっかりしめたらチューブの底を持ち何度か軽く振ります。するとケチャップがキャップの方に集まるので、出しやすくなります」(篠原さん)

■3:瓶詰タイプのフタはしっかり締めて!開かないときはぬるま湯を利用

瓶のフタは回らなくなるまでしっかりと締めましょう
瓶のフタは回らなくなるまでしっかりと締めましょう

次に使うときに開けやすいように甘く締めがちな瓶詰タイプのフタですが、フタをゆるく締めてしまうとケチャップの酸化や水分蒸発のもとになってしまいます。フタは回らなくなるまでしっかりと締めましょう。

「もしフタが固く開けにくくなってしまったら、フタ部分を40℃程度のぬるま湯に1~2分間つけて温めると開けやすくなります。フタ部分を強く叩いたり、直接火にかけたりするのは避けてください。瓶が割れたりフタの内部が変形したりする原因となります」(篠原さん)

チューブタイプも同様にしっかりキャップを閉じて、酸化や水分の蒸発を防ぎましょう。

【まとめ/「おいしいケチャップ」を保つ3つのポイント】
1:開封後は冷蔵で保存、1か月以内を目処に使い切る
2:チューブタイプのキャップは上向きに!下にして保管するのはNG
3:瓶詰タイプのフタはしっかり締めて!開かないときはぬるま湯を利用

ケチャップの鮮度を見分けるポイントは?

鮮度を見分けるポイントは?
鮮度を見分けるポイントは?

野菜などの生鮮食品と異なり、時間が経っても変化がわかりにくいケチャップ。賞味期限以外に鮮度を見分けるポイントを篠原さんに伺いました。

「『賞味期限』は未開封で正しく保存した状態で、おいしくお召し上がりいただける期限です。開封した場合は、賞味期限前であっても1か月以内に使い切るのが好ましいです。また、もし賞味期限を過ぎてしまってもすぐにお召し上がりになれなくなるわけではありませんが、保存条件によっては商品の味や色、香りが劣化する可能性があります。また、古くなってくると、ケチャップの赤い色が黒味(褐色)がかってきます」(篠原さん)

ケチャップの鮮度は、色味が一番の見分けポイント。新鮮なケチャップはトマトの色素であるリコピンの鮮やかな赤色です。この赤色に変化があれば、食べるのは控えましょう。

美容にも健康にもうれしい、抗酸化効果のあるリコピンが豊富なトマトケチャップ。保存方法に気をつけて最後までおいしくいただき、野菜の恵みを1日の食事に取り込んでくださいね。

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この記事の執筆者
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WRITING :
田代祐子
EDIT :
廣瀬 翼(東京通信社)