日本には昔から言霊信仰があり、普段、なにげなく使っている言葉は、その人の運命を決定づけるともいわれています。

つまり、ネガティブな言葉遣いをする人は不幸に、ポジティブな言葉遣いをする人は幸せになれるということ。では、圧倒的に稼げる人とそうでない人は、言葉遣いに何か違いがあるのでしょうか?

『ふつうの人がお金持ちになるたった1つの方法』の著者・菅原 圭さんによれば、お金持ちには共通する思考や行動があり、言葉遣いにもやはり、お金持ちならではの特徴があるとのこと。

普通の人が、いきなりお金持ちのように行動したり判断したりするのは、難しいかもしれません。しかし、口癖くらいなら真似することができそうですよね。意識的にお金持ち言葉を使えば、自然と行動や習慣が変わり、それによって富を築いていくことが可能なのです!

今回は、ライターとして、ビジネス界のキーパーソンを多数取材してきた菅原さんから、日本の有名なお金持ち達が使っている口癖7点を教えていただきました。これらを日常的に使って、圧倒的に稼ぐ人になっていきましょう!

日本の有名なお金持ち達が日常的に使っている「最強の口癖」7選

■1:やってみたいことは「思い切って全額使ってみろ」とつぶやいて挑戦する

身銭を切るほど経験値が貯まる

ZOZOTOWNの社長、前澤友作さんといえば、バスキアの絵画を123億円で落札するなど豪快なお金の使い方でも有名ですが、彼は社員に対しても「思い切って全額使ってみろ」とよく話すそうです。

「最近では20~30代から老後貯金をする人も増えているそうですが、貯めることに躍起になってお金を使い惜しみしては、人間としてのスケールが小さくなる恐れがあります。

自分が本当に欲しい、やりたいと思ったことに対して思い切って身銭を切れば、かけた金額分、もしくはそれ以上の体験は得られるはずです。

例えば、2万円のコース料理はワンコインのファストフードよりも、食材・料理のクオリイティーが高いのもさることながら、インテリアや食器一つひとつにも趣向が凝らされており、さらにはお店の雰囲気や店員さんのサービスなどあらゆる面で違いを実感できるでしょう。

もちろん、我々は前澤さんのようなお金持ちではないので、いつも贅沢三昧というわけにはいきませんが、ボーナスが出たときや、毎月少しずつ貯めたお金が一定額に達しときなどには、思い切って散財してみれば、よい体験ができると思います。

その体験は、自分の成長の糧になり、新たなお金を稼ぐ力にもなるのではないでしょうか」(菅原さん)

あなたが今、心からやってみたいことは何でしょうか? もしお金がもったいないという理由が実現を妨げているなら、「思い切って全額使ってみろ」とつぶやいて一歩前へ!

■2:自分の仕事に対して「仕事があるのがありがたい」と感謝の気持ちを抱く

お金持ちは常にポジティブ

菅原さんによれば、お金持ちでは「仕事があるのがありがたい」「今の自分があるのは周囲の人々が支えてくださったおかげ」と感謝の気持ちに満ちている人が多いとのこと。

「神戸市の中心街・三宮で不動産王だったのが、阪神淡路大震災で140億円もの借金を抱えてしまったという人にお会いしたことがあります。

その人は、もともと親の代から不動産経営をしていたというお坊ちゃん。そんな恵まれた境遇から、自分にはなんら落ち度のない天災で莫大な借金を背負うことになるなんて、失望して自己破産してもおかしくありません。

しかし、その人はそこから8年で借金をすべて返済し、みごとに事業を再建しました。辛いときには、『今日も自分も家族もちゃんとご飯が食べられた。本当にありがたい』と心の中で手を合わせ、感謝し、気持ちを切り替えていたそうです。また、『銀行さんにもよく助けてもらった』とも聞いています」(菅原さん)

どんな辛い状況でもポジティブでいるのは、お金持ちの条件のひとつ。現状に不満を漏らすのではなく「ありがたい」という気持ちをもつことで、仕事にも前向きに取り組むことができそうですよね。また、周囲に対して常に感謝の気持ちを示すと、支援者が自然と増えていき、成功への扉が開かれていきます。

■3:部下や後輩に対して「じゃんじゃん失敗しよう」と伝えて鼓舞する

失敗は成功の元

日本有数の薬局チェーンを一代で築き上げたというM社長は、社員に対し常々「じゃんじゃん失敗しよう」とハッパをかけているとのこと。M社長の考えでは、仕事には失敗がつきもので、失敗しないのはなんのチャレンジもしていないことに他ならないのだそう。

「『私は1万回失敗したのではない。1万通りのうまくいかない方法を発見しただけだ』というエジソンの有名な言葉もありますが、失敗かどうかは本人の捉え方しだい。

たとえ失敗しても、そこでやめずに成功するまで続ければ、途中の失敗は失敗ではなくなり、成功までのプロセスにすぎなくなります。

他方、『失敗したらどうしよう』と思うと、どうしても萎縮してしまって、新しいやり方を試すことができません。失敗しないようにと慎重に進めるのは、リスク回避という点ではうまい方法ともいえますが、そうした仕事の進め方からイノベーションは生まれないのではないでしょうか」(菅原さん)

大きく成功・成長するには、失敗の経験が欠かせません。やらないうちから尻込みして旧態依然の方法にとらわれがちな人は「じゃんじゃん失敗しよう」と自分を鼓舞しましょう。

また、部下・後輩を指導する立場にある人は、チーム全体の活性化のためにも、これを口癖にするのがおすすめです。

■4:どんなことを言われても「そうですね」と返して受け入れる

広く受け取る姿勢が成功の鍵

あなたは、上司などから意に沿わない指摘を受けた場合、「でも」「だって」などとつい口答えをしてしまうことはありませんか? 例えば、次から次へと仕事を振られてオーバーワークぎみのところ「君、まだ終わらないの?」なんて嫌味を言われたら、一言もの申したくなるのが人情ですし、口には出さずとも表情には出てしまう人が多いはず。

しかし、お金持ちはたとえどんな言葉をかけられても、まずは「そうですね」と受け入れる傾向があるのこと。

「これまでたくさんのお金持ちを取材してきましたが、彼らは総じて懐が深いのです。自分の価値観とは異なる意見を幅広く受け取ろうとする器の大きさがあり、見当違いな指摘をされても、腹を立てずに、とりあえず『そうですね』と受け取ります」(菅原さん)

ポジティブなリアクション「そうですね」を口癖にすることで、人間関係が円滑になるというメリットもあるでしょう。

それに、どんな意見もはねのけず、まずは受け取ることで考え方の幅が広がり、そこから自分が思いも寄らなかった成功へのヒントが見つかるかもしれません。

■5:相手の話を聞くときは「例えば?」「具体的には?」と聞いて掘り下げる

会話から情報を引き出す

もうひとつお金持ちが人と会話するときの特徴として、安易に「わかった」と言わず、相手の話を「例えば?」「具体的には?」と掘り下げる傾向があるとのことです。

「お金持ちの人は、情報収集に貪欲。人と会ったらそのご縁を生かして、自分が知らなくて相手が知っている情報をとにかく得たいという気持ちが強いようです。

例えば、雑誌の取材などでお会いした経営者の方からは、こちらがインタビューする側なのに、逆に出版業界について根堀葉堀、質問されることがよくあります。なにげない会話で普通は聞き流してしまうような内容にも興味津々の様子で、こちらもついついいろいろ話してしまいます」(菅原さん)

ちょっとした雑談の中にも、さまざまなビジネス・アイディアが隠れているのかもしれませんね。特に、自分にとってこれまで興味のなかった話題に触れたときこそチャンスです。「例えば?」「具体的には?」の一言で、情報をどんどん引き出しましょう。

■6:思い立ったら「これから~しましょう」とつぶやいて行動する

お金持ちはフットワークが軽い

菅原さんによれば、お金持ちは、フットワークが軽く、「これから~しましょう」と思い立ったらすぐに行動に移す傾向があるとのこと。

「仕事だけでなくプライベートにおいても、お金持ちは行動的です。『また今度』とか『そのうち』など、あいまいな言葉でお茶を濁すことがありません。

例えば、新規オープンのお店の話題になった場合、『じゃあこれから行きましょう』となったり、『今日は無理ですが、来週●日はいかがでしょうか?』と具体的な日程を提案してきたり、あるいは『スケジュールを確認して折り返し連絡します』と言って、本当にすぐ連絡があったりします。

こういう人は、仕事もさくさく片付けますし、どんどん情報を吸収して成長スピードも早いです」(菅原さん)

先延ばし癖があると、出会いや学びのチャンスが失われてしまいます。「また今度」や「そのうち」とは封印して、代わりに「これから~しましょう」を口癖として、即断即決即行動を!

■7:お金に対して「お金は寂しがりや」とつぶやいて愛情を抱く

「お金は寂しがりや」とは、日本を代表する投資家・村上世彰さんの父親の口癖。

この言葉が意味するのは、お金はひとりでポツンといるのが嫌いなので、仲間(お金)を集めると仲間が仲間を呼んでどんどん増えていくということだそうです。また、村上さんの父親に限らず、「お金は寂しがりや」を口癖にしているお金持ちは少なくないとのこと。

「この口癖には、お金に対する愛情や、ポジティブな関心が表れていると思います。

しかしながら、日本人では『お金がほしい』と思いつつも、お金に対して愛情を注ぐというよりは、『お金は二の次』とか『お金はどうでもいいのだが』などと、お金への関心を素直に認めようとしない人が多いのではないでしょうか。

また、お金について公言するのをはばかるような傾向もあり、仕事の対価を交渉するだけでも『あの人はがめつい』などとささやかれることもあるほどです。

ただ、お金をそんなふうに日陰者扱いするのは、お金に対して大変失礼な話。100円よりも1万円、1,000万円、1億円と金額が大きいほど、お金は強いパワーを発揮でき、大きなことがらを実現できます。それに、お金を稼げる人はそれだけ高い能力や人間的魅力があるのも事実でしょう。

お金持ちはおしなべてそうしたお金の価値をきちんと理解しているという印象です」(菅原さん)

あなたはお金に対して、たっぷりの愛情を注いでいますか? お金持ちになりたい気持ちとは裏腹に、お金に対するネガティブなイメージが拭えない人は「お金は寂しがりや」を口癖にして、お金が喜ぶような行動を心がけましょう。

どれもシンプルなフレーズばかり。ビジネスを成功させてお金持ちになりたいけれど、何から始めていいのかわからない……という人はまず今日からすぐにでも口癖にしていきましょう!

菅原 圭さん
(すがわら けい)早稲田大学文学部卒。コピーライター、出版社勤務を経てフリーに。ライターとして、ビジネス界のキーパーソンをはじめ作家、文化人など著名人を多数取材。成功する人の考え方、習慣、振舞いなどに関心をいだき、さまざまな角度からその共通点を探究、著作に結実させている。
『ふつうの人がお金持ちになるたった1つの方法』菅原圭・著 河出書房新社刊
この記事の執筆者
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WRITING :
中田綾美
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