唐突ですが、皆さんは自分が一流だと思いますか?

そう聞かれるとおそらく多くの人は「そんなことはない」、「まだまだ自分には足りないことがある」と感じるのではないでしょうか。なかには「人に一流も二流もない!」と憤る人もいるかもしれません。

『部長の一流、二流、三流』の著書である志倉康之さんは、経営コンサルティングと企業研修を通じて年間200社以上を訪問する、コンサルティングのプロ。その経験の中で経営陣からのプレッシャーや責任範囲の拡大など、課長時代とは比較にならないほどの大きな役割に押しつぶされる部長を数多く見てきたそうです。

しかし一方で、部長職として求められる以上の結果を出している人もおり、「この両者の違い」を明確にした答えをまとめたのが、この本。もちろんそのメゾットは部長以外でも活用できるものばかりで、今回はその中から7つの「一流の習慣」をご紹介します!

一流はここが違った!ビジネスに必ず役立つ7つの習慣とは?

■1:自ら問題や課題を増やしていくのが一流の考え方

一流は自ら問題や課題を増やしていく
一流は自ら問題や課題を増やしていく

「皆さんは自分が一流だと思いますか?」という質問にも通じますが、自分自身の問題について問われたとき、「その答えの傾向でビジネスレベルが分かる」と志倉さん。一番危険なのは「今は特にありません」という、自らの危機意識がまったくない人です。

一方、問題を認識してそれを解決するために奮闘していると「問題はありますが、もうすぐ解決します」と答える人もいます。一見正しいようにも見えますが、これは二流の考え方。なぜならその人が目指す「問題がない」状態とは、目指すべきゴールがないことを意味するからです。その点、一流の人は例えばこう答えます。

「問題はたくさんあります。まずは……」

つまり日々問題を解決しながら、さらなる理想を求めて問題の数を増やしているのです。一流の人こそ問題が解決することはありません。

■2:時間ばかり長い会議を避けるため、目的を忘れない工夫をする

「目的の設定」をして非生産的な長時間会議を回避
「目的の設定」をして非生産的な長時間会議を回避

日本のビジネスシーンの悪習である「非生産的な長時間会議」。これは当初の会議で話し合うべき目的を、途中で見失っていることから起こります。ありがちなのは「お客様から聞いた話なんだけど……」といった、当初の目的と異なる話題が出てきてしまい、関係ない議論に終始してしまう。

それを防ぐために一流の人が行っているのが、「目的の設定」に時間を使うこと。決定した目的はホワイトボードに明記するなど、具体的に「見える化」することが重要。それによって話が逸れても軌道修正しやすくなるのです。

■3:新人にはコツを教えるのではなく、まず自分が手本を見せる

春は新人や部署移動で加入した部下が増える時期です。志倉さんによると、仕事を教える上司で比較的多いのは「コツをまとめて効率よく教える」タイプ。一見正しいようにみえますが、これは二流の方法です。

一流はまず、実際に自分が見本となってやってみせます。するとイメージがより明確になるので、そこから初めて「コツを教える」に進みます。教えたら今度は実際に相手にやってもらい、できている部分は褒めましょう。自分がやっていないことを人に教えても、効果的ではないのです。

■4:部下のミスを叱るとき、「人」ではなく「事」を叱る

起こった問題に対して集中するための準備が大切
起こった問題に対して集中するための準備が大切

「罪を憎んで人を憎まず」という言葉がありますが、つい人は起こしてしまった罪ではなく、起こした人の人間性を否定してしまいがち。それはビジネスシーンでも同様です。

例えば部下が何度も同じミスをして「ビジネスマンとして失格です」と謝罪をしたとき、「何度もミスをするのは確かに問題だな。早急に改善策を考えよう」といったフィードバックは二流。人と事を分けていません。

「ビジネスマンとしての価値は今回の仕事だけじゃない。あなたはいろいろ頑張ってくれている。しかしながら今回のミスは早急に改善する必要がある。改善策を一緒に考えよう」

これが一流の人のフィードバックです。まず「人」を褒め、「事」に対して集中するための準備を実施。すると相手も自信を失わず、成長する意識が持ちやすくなります。

■5:忘れないようメモを取るのは二流、相手のためにメモをとるのが一流

部下の報告こそ積極的にメモをとろう
部下の報告こそ積極的にメモをとろう

「できる部長ほどメモを取る」と志倉さん。しかし、取引先や上司の発言、自身が興味ある内容についてのみメモを取り、部下の発言や自身の興味がないことを聞き流す人は二流です。一流はむしろ、部下の報告に対して積極的にメモをとるのです。

志倉さんはメモを取る理由について「自分のため」だけではなく「相手のため」でもある、と著書で述べています。自分の発言に対して、上司が積極的にメモをとっていたら、部下のモチベーションは上がります。それにより相手のポテンシャルを引き出すのです。

■6:成長するために、インプットだけではなくアウトプットも意識

ビジネスマンとして成長するため、読書をしたりセミナーに参加するのは素晴らしいことです。しかし二流の人は、このようなインプットだけを増やすだけで済ましてしまいがち。むしろ一流の人は「人に教えることが最大のスキルアップになる」ことを知っています。

つまり、インプットと同様にアウトプットの割合を意識し、例えば「有志の勉強会で講師をつとめる」「部長同士でお互い知識を教え合う」といった仕組みを構築しているのです。人に教えることで「理解していたつもりが理解していなかった」ことに気づき、さらなるスキルアップにつながります。

■7:仕事面だけで評価されるのは二流!一流は存在そのものが評価される

存在そのものに価値があるというのが最も強い
存在そのものに価値があるというのが最も強い

部下に対して「部長のどのようなところが尊敬できますか?」と聞いたとき、よくある回答は「仕事ができる」「コミュニケーション力がある」といった、長所を明確にしたものではないでしょうか? 一見好ましい回答のように感じますが、志倉さんによるとそれは一流に対する回答ではないそうです。では一体どんな回答が一流に対するものなのでしょうか?

「特に理由はありませんが、尊敬しています」

これは一見あいまいで何も答えていないように感じますが、存在そのものに価値があるというのが最も強いのです。理由は存在なので、代わりがありません。

「存在そのものに価値がある」ような人になるにはどうしたらいいのでしょうか? その答えについて志倉さんは「本書でお伝えしていることを粛々と実行する」としています。これはもちろん「言うは易く行うは難し」でなかなか実行できるものではありません。ふと自分が困ったときにどうするのが一流への近道になのか? 『部長の一流、二流、三流』を読むことでその答えのヒントを見つけつつ、一歩一歩進んでいくしかないのです。皆さん、少しずつでいいので頑張りましょうね!

¥1,500(税抜)
¥1,500(税抜)
志倉康之さん
株式会社巧コンサルティング 代表取締役、中小企業診断士、産業能率大学総合研究所兼任講師、中小企業基盤整備機構チーフアドバイザー
(しくら やすゆき)カルチュア・コンビニエンス・クラブでは経営企画室、新規事業部、ネット通信事業責任者(部長職)などを経験。新規事業立ち上げと事業責任者しての経験および、中小企業診断士としての経営支援活動で1,500名以上の社長と出会うなか、中小企業の廃業率の高さに危機感を抱くようになる。 2015年に株式会社ビジネス・プレースクルーの支援をうけ、株式会社巧コンサルティングを設立。経営コンサルティングやプログラムの開発、企業研修、営業企画などに従事する。現在は年間200日を超えるコンサルティングや企画研修などにおいて、これまで身に着けたノウハウを分かりやすく伝える。著書に『部長の一流、二流、三流』(明日香出版社)がある。
この記事の執筆者
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WRITING :
高山 惠