【目次】

摂取目標量は20g! 食物繊維を積極的に摂取して


 
 
松生 恒夫先生
松生クリニック院長、医学博士
(まついけ つねお)東京慈恵医科大学卒業、同大学第三病院内科助手、松島病院大腸肛門病センター診療部長を経て、2004年現職。日本内科学会認定医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本消化器病学会認定専門医 『寿命の9割は腸で決まる』『日本一の長寿県と世界一長寿村に学ぶ腸にいい食事』他、著書多数

「水溶性」「不溶性」ふたつの食物繊維のベストバランスを知ろう!

2種の食物繊維のベストバランスは『不溶性2:水溶性1』。
2種の食物繊維のベストバランスは『不溶性2:水溶性1』。

QOL(生活の質)の低下や、寿命短縮の可能性のある便秘が、増加している理由のひとつには、食物繊維不足が深刻というのがあるようです。

「便秘予防に勧められる栄養素のひとつとして知られる食物繊維の摂取量は、年々減少しています。摂取目標量は、18〜20gとされていますが、2010年以降は14g前後で推移しており、摂取目標を大きく下回ってしまっています。

食物繊維には、水溶性と不溶性のふたつに分けられます。不溶性食物繊維は、穀類、野菜、豆類、キノコ類、果物などに含まれ、胃や腸で水分を吸収して大きく膨らみ、腸を刺激し、ぜん動運動を活発にすることで便通を促進します。

一方、水溶性食物繊維は昆布、ワカメ、こんにゃく、里芋などに含まれ、大腸内で分解されるとビフィズス菌などの善玉菌が増え、整腸効果をもたらします。

1日に必要とされる水溶性食物繊維はおよそ5g。これら2種の食物繊維のベストバランスは『不溶性2:水溶性1』ですので、意識的に摂ることでお腹の調子を整えていくと良いですね」(松生先生)

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【1】キウイ

左/ゼスプリグリーン(グリーン種):食物繊維量3g/水溶性1:不溶性4、右/ゼスプリサンゴールド(ゴールド種):食物繊維量1.4g/水溶性1:不溶性2
左/ゼスプリグリーン(グリーン種):食物繊維量3g/水溶性1:不溶性4、右/ゼスプリサンゴールド(ゴールド種):食物繊維量1.4g/水溶性1:不溶性2

朝食メニューや夕食後のデザートなど食卓でキウイフルーツを楽しんでいる人に嬉しいニュースが。キウイこそ、便秘解消の救世主スーパーフルーツだったのです!

2016年に世界初のキウイフルーツの国際シンポジウム「キウイフルーツの栄養素及び健康効果に関する国際シンポジウム」が開催され、キウイフルーツの添加後に「酪酸」濃度が増加したという研究結果が発表されるなど、注目が集まっています。

そして、他の果物と比べても、食物繊維量が豊富と言われています。例えば、バナナ1.1g、りんご1.4gに対しグリーンキウイは、食物繊維量が3.0gと倍以上。

また、キウイフルーツは、便の膨張と保水力をアップさせる食物繊維の効果が、他の繊維に比べて高いこともわかっています。

「キウイフルーツは、水溶性食物繊維含有量が多いので、意識的に摂ることで健康増進にもつながります。また、豊富に含まれるのは食物繊維だけでなく、主要な17種の栄養素がどれだけ含まれているかを比較した栄養素充足率スコアでも、キウイはトップクラスです。ビタミンはもちろん、カリウムやアクチニジンなども含む高栄養素でバランスのいいフルーツなのです」(松生先生)

キウイは、手のひらで包むように優しく持ち、弾力を感じるくらいが食べごろ。固いときは、バナナやリンゴなどの「エチレン」を発生する果物と一緒にビニール袋に入れ、室温で2~3日ほど置くと良いそうです(熟してきたら冷蔵庫保管です!)。

下処理の手間がかからず、皮のギリギリまですくって無駄なく食べられるハーフカットは栄養摂取面からもオススメです!

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【2】りんご

抗酸化作用でシソバカスを防いでくれる効果も!
抗酸化作用でシソバカスを防いでくれる効果も!

リンゴに含まれるポリフェノールは抗酸化作用が強く、紫外線などの活性酸素が原因で起こるシミソバカスなどを防いでくれるという効果があります。ポリフェノールは内臓脂肪を減らしてくれる効果も! ポリフェノールは皮の部分に多く含まれるため、ぜひ皮付きで摂取したいところ。また、水溶性食物繊維も豊富なので、整腸作用にも効果を発揮します。

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【3】バナナ

柳井美穂さん
RIZAP 教育開発部 管理栄養士 NRサプリメントアドバイザー
(やない みほ)東京農業大学 応用生物科学部栄養科学科卒業後、都内短大の栄養学科に助手として勤務。その後食品メーカーの開発研究所勤務を経てRIZAPに入社。店舗カウンセラーを経て、本社の教育部門に異動。医師や医療機関との共同研究プロジェクトに参画するなど、RIZAPメソッドを栄養面から積極的に支える。低糖質食品の開発や、レシピ本の数々を監修、その他、パーソナル料理ジム「RIZAP COOK」の栄養サポート、CSR活動「EGAOプロジェクト」にて子どもたちと保護者へ食育教室を開催するなど、健康的な食事の大切さを広めている。
朝にバナナを食べるのは良いの?
朝にバナナを食べるのは良いの?

「朝から適度な糖質摂取は体内時計をリセットできて、1日のスタートとしてとても良いですね。バナナは食物繊維も多いので、血糖値の急激な上昇を抑制できますし、お通じにも良いですね。手軽に食べられることも、忙しい朝には適しています。しかし、たんぱく質が足りないので、ヨーグルトやスムージーなど、何かほかのたんぱく質を含む食品と一緒に摂取することがおすすめです」(柳井さん)

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【4】グレープフルーツ

岩田麻奈未さん
美養フードクリエイター
(いわた まなみ)中医薬膳師、健康リズムカウンセラー、味覚カウンセラー。パリの料理学校「Ecole Ritz Escoffier(エコール リッツ エスコフィエ)」でフランス料理を学んだ後、「本草薬膳学院」にて薬膳を学び、中医薬膳師の資格を取得。美肌・美腸レシピを得意とし、美味しく食べて心も身体もキレイになる食スタイルを提案。著書に『ヤセ菌が増えて太らない食べ方』(自由国民社)がある。 
食物繊維が豊富なグレープフルーツ。
食物繊維が豊富なグレープフルーツ。

食物繊維やビタミンCが豊富な「グレープフルーツ」。

「グレープフルーツは、フロリダ、カリフォルニア、南アフリカと産地が異なるため、通年を通して手に入れることができます。フロリダ産は冬から春にかけて、カリフォルニア産は夏、南アフリカ産は秋が旬です。ホワイトは、柔らかな果肉で果汁も多く、爽やかな酸味が特長。ピンクは、果肉がしっかりとしていて、ホワイトより酸味が少なく食べやすいです。南アフリカ産は、赤色が濃く、酸味がまろやかなんですよ」(岩田さん)

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【1】玉ねぎ

内臓脂肪を燃焼してくれる玉ねぎ。
内臓脂肪を燃焼してくれる玉ねぎ。

冷え性対策のために、毎日の食事にぜひ取り入れてほしい食材が「玉ねぎ」。食物繊維が豊富であるほか、玉ねぎに含まれるケルセチンという成分が内臓脂肪の燃焼を助ける働きがあるのです。あらゆる料理に使える玉ねぎは、常に冷蔵庫にストックしておきたい食材です。

【2】キャベツ

食物繊維が豊富なキャベツ。
食物繊維が豊富なキャベツ。

キャベツは食物繊維が豊富に含まれており、整腸作用などに効果を発揮してくれます。また92%が水分であるため、カロリーが低く抑えられるのもうれしいポイントですね。

調理するとグッと食べやすくなるため、スープにすることでたくさんの量を摂取でき、満足感が高いのもメリットです。

【3】セロリ

食物繊維やカリウムが豊富なセロリ。
食物繊維やカリウムが豊富なセロリ。

セロリにも食物繊維やカリウムが多く含まれるため、整腸やむくみ解消にぴったりです。また、シャキシャキとした食感があることで満腹感アップにも一役買ってくれます。スープなどに使う際には、ちょっと食感を残す程度に煮込むとよいでしょう。

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【4】アボカド

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく含み、便秘解消に最適なアボカド。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく含み、便秘解消に最適なアボカド。

体の解毒作用を担っている臓器といえば、肝臓。この肝臓が溜めてしまった疲労を解消し、解毒作用を高めてくれる成分がグルタチオンです。このグルタチオンは、アボカドの中に豊富に含まれているのです。アボカドといえば、美肌効果などが有名ですが、実は肝臓の働きを高めてくれる効果もあるのですね。また、アボカドには水溶性食物繊維と一緒に、腸のぜん動運動を促す不溶性食物繊維もバランスよく含まれているので、便秘の解消にも最適です。

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【5】ビーツ

むくみ、高血圧、動脈硬化などを予防し、腸内環境を整え、肝機能を高めるビーツ
むくみ、高血圧、動脈硬化などを予防し、腸内環境を整え、肝機能を高めるビーツ。

ビーツには食物繊維のほか、天然の難消化性オリゴ糖「ラフィノース」が含まれています。腸内の環境を整えて善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑制する効果が期待できます。また便通を改善することで、老廃物を体外に排出しやすくします。

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むくみ解消にも効果的 | 食物繊維の多い「芋類」【1選】


里芋

低カロリーで食物繊維たっぷりの里芋。
低カロリーで食物繊維たっぷりの里芋。

里芋は糖質が少なく、代謝を促すビタミンB群たっぷり!低カロリーで食物繊維(ムチン等)を多み、美肌や便秘解消も期待できます。独特のぬめり成分は、免疫力アップ。粘膜を保護するだけでなく、たんぱく質の吸収をよくしてくれるので肉や魚と好相性です。食物繊維やカリウムも豊富なので、むくみも解消にも効果的。

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便秘改善&免疫力アップ | 食物繊維の多い「きのこ類」【1選】


まいたけ

αグルカンのほかに、免疫力アップが期待されるβグルカンも含有。
αグルカンのほかに、免疫力アップが期待されるβグルカンも含有。

ウイルス抑制に有効と言われているのは舞茸に含まれるαグルカンの効果によるものとのことですが、他にも免疫力アップにはβグルカンも含有されています。このβグルカンの含有量が、きのこ類でもトップクラスという舞茸! 様々な栄養素が健康をサポートしてくれます。

インフルエンザ予防の際は、αグルカンだけでなく、舞茸に含有されているビタミンDなども相乗効果を発揮しています。

また、MDフラクションと呼ばれる水溶性食物繊維のβグルカンは免疫機能を高め、体の酸化を予防する効果も期待されています。そのMXフラクションや食物繊維、αグルカンなどのおかげで血糖値上昇を抑制する効果や、話題のAGE(終末糖化産物)対策にもなります。豊富な食物繊維のおかげで、便秘改善サポートにも役立ちます。

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水溶性食物繊維が白米の20倍 | 食物繊維の多い「穀類」【1選】


もち麦

岩田麻奈未さん
美養フードクリエイター
(いわた まなみ)中医薬膳師、健康リズムカウンセラー、味覚カウンセラー。パリの料理学校「Ecole Ritz Escoffier(エコール リッツ エスコフィエ)」でフランス料理を学んだ後、「本草薬膳学院」にて薬膳を学び、中医薬膳師の資格を取得。美肌・美腸レシピを得意とし、美味しく食べて心も身体もキレイになる食スタイルを提案。著書に『ヤセ菌が増えて太らない食べ方』(自由国民社)がある。 
基礎代謝を低下させないためには、腸内環境を整えよう。
基礎代謝を低下させないためには、腸内環境を整えよう。

「もち麦には、腸内の善玉菌のエサとなる水溶性食物繊維が豊富に含まれています。白米の約20倍も含まれているので、便秘解消に効果的です。

また、ビフィズス菌とヤセ菌(日和見菌)と呼ばれる腸内細菌が、水溶性食物繊維を発酵分解する際に短鎖脂肪酸を産生するのですが、この短鎖脂肪酸には「脂肪の蓄積を防ぐ」「食欲をコントロールする」「交感神経を刺激して脂肪の燃焼を促す」といった肥満予防の効果も期待できます。

そのほかにも、脂質の代謝に欠かせないビタミンB群や、体内の水分バランスを保つカリウムなどのミネラルも含まれているので、腸内環境を整えるならオススメの食材です」(岩田さん)

健康寿命をのばしつつ華やか!腸活レシピ【もち麦編】

この記事の執筆者
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