旅行に欠かせないスーツケースやキャリーバッグ。車輪がついており、床を引いて歩くタイプの、これらのバッグは、荷物が重いときにとても便利。反面、女性の力だと引くのが重く扱いにくかったり、周囲の通行者へ迷惑をかけてしまったりと何かと課題も多いものです。また、他人が引いているキャリーバッグで嫌な思いをしたこともあるのではないでしょうか?

今年のゴールデンウィークは10連休という人も多いはず。旅行や遠出をする機会にキャリーバッグを活用するケースは多くなるでしょう。

そこで、キャリーバッグのマナーある引き方やエレガントな扱い方、ふるまい方をマナー講師の片岡かこさんに教わります。

元CAのマナー講師が教えるキャリーバッグの正しい引き方&マナー

キャリーバッグをエレガントに扱えるようになりましょう!
キャリーバッグをエレガントに扱えるようになりましょう!

そもそもキャリーバッグなどの車輪付きバッグを引きながら歩くのは、ちょっと難しいものです。そんなキャリーバッグをマナーを守って上手に引くためにはどうすれば良いのでしょうか。

元CAのマナー講師である片岡かこさんに、マナーの観点から、キャリーバッグのエレガントな扱い方を教えていただきました。

■1:周りに気を配りながらゆっくり引く

「基本的には、周りの状況によく気を配りながらゆっくりと引きます。キャリーバッグには主に2輪タイプと4輪タイプがありますが、どちらのタイプも、止まっているときでもキャリーバッグから手を放さないことが大切です。特に4輪タイプは、電車やバスの中で手を離すと自走し、ほかの人に当たってしまう危険性があるため、十分注意してください」

■2:後ろの状況を気にしながら歩く

「自分ひとりで歩いているときよりも、キャリーバッグの分だけ、後ろの状況を気にする必要があります。また、曲がるときには、車を運転するときのように、振り返って巻き込み確認をすると、ほかの方に当たってしまうことも減ります」

■3:余裕のある行動とルートの事前リサーチ

余裕をもって、スムーズな移動を心がけましょう。
余裕をもって、スムーズな移動を心がけましょう。

「利用者数の多いターミナル駅や、空港などは、焦って周りが見えなくなることのないよう、時間に余裕をもったスケジュールで行動したいもの。また、エレベーターやエスカレーターを探して歩き回ることのないように、事前にエレベーターやエスカレーターの位置を確認しておくなど、移動動線をイメージしておきましょう」

■4:飛行機や新幹線の中では持ち上げることも考えて

「飛行機や新幹線の通路はとても狭く、キャリーバッグを引いて歩くことで、すでに座っている方の足や座席に当たり、不快な思いをさせてしまったり、トラブルになってしまったりすることもあります。機内や車内ではできる限り、持ち上げて移動することをおすすめします」

■5:人に当たってしまったら必ず謝罪を

誰かにぶつけてしまったときは、誠意をもった対応を。
誰かにぶつけてしまったときは、誠意をもった対応を。

「どなたかに当たってしまったときには、まず謝罪をしましょう。そして、怪我はないか確認するなど、誠意をもった対応をすることが必要です。知らんぷりをして通り過ぎることはやめてくださいね」

CAのようにスマートに引いて歩くには?

ところで、キャリーバッグといえば、CAさんが空港内でスマートに引いて移動しているシーンを見たことがある方も多いのでは? CAさんのように美しく引いて歩くコツはあるのでしょうか?

「キャリーバッグをうまく引くコツは、姿勢を正して引くことです。猫背で引くとその分、バッグが自分に近づいてしまいます。肩甲骨を寄せ合うように肩を後ろに引き、耳から遠ざけるように肩を下げ、力を抜いた状態でバッグを引くと、引きやすく、見た目にもスマートになりますよ」

ぜひポイントを押さえて、スマートに引いて歩きましょう!

人にぶつかりにくいキャリーバッグも

キャリーバッグは引き方に気を付けるのも大切ですが、最近では、「人にぶつかりにくいキャリーバッグ」が存在するのをご存知ですか? はるやまの「クロスケース」というキャリーバッグです。こうしたバッグを使うこともひとつの配慮といえそうです。

バッグ「XROSCASE(クロスケース)」¥36,000(税抜)
バッグ「XROSCASE(クロスケース)」¥36,000(税抜)

はるやま商事の担当者に、このキャリーケースの特徴を教えていただきました。

「一般的なキャリーケースは、持ち手の後方に離れて引きずる携行形態のため、ケースが持ち主や通行者の視界に入らず、周囲の通行者がつまずくなどのトラブルになります。クロスケースは車輪の位置を変え、ひし形上に持つ形態が、従来の2輪製品と異なる新しい点です」(はるやま商事担当者)

ところで、このキャリーケースの開発背景は?

「キャリーケース使用時の、人ごみ等での接触トラブルに着目し、持ち運び時に周りの迷惑になりにくいキャリーケースをつくりたいと考えました。まっすぐ下ろした腕をグリップに添えて歩行するだけでケースが横についてくるので、ビジネスバッグと同様の感覚で持ち運びができます。バッグの重量が手持ち部分から垂直に下方向にかかるため、荷物を入れても重さが気になりにくいです。手横から離れにくく、ビジネスバッグを持つような感覚で持つことができます」(はるやま商事担当者)

キャリーケースを引きながら、よく人にぶつかるという方は、クロスケースを利用してみるのもよさそうですね。


いかがでしたでしょうか。今後、キャリーバッグを引いて歩く際には、ぜひ大人のエレガントなマナーに気をつけたいですね。

片岡かこさん
マナー講師
(かたおか かこ)大学卒業後、全日本空輸株式会社(ANA)に客室乗務員として入社。国内線、国際線のビジネスクラスを中心に約6年間乗務する。現在は、女性が美しく見える所作をお教えするマナー講座の開催、マナーを中心とした執筆活動を行う。公式サイト

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この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
石原亜香利