「本物の家具」がもつ魅力を味方につけてもらうために、インテリアエディター「D」が厳選した大人のためのインテリアアイテムをご紹介する連載。

身長156cmと小柄なエディターが、実際に家具を触ったり、座ったりしながら、女性ならではの視点でインテリア名品の魅力を掘り下げます。第15回はインパクトのある照明アイテムがそろうブランド、トム・ディクソン「ベル テーブル ライト ブラック ラージ」です。

インテリアを引き締める「ベル テーブル ライト ブラック ラージ」

漆黒の「ベル テーブル ライトブラック ラージ」(写真左)は、影のような不思議なたたずまいをしています。
漆黒の「ベル テーブル ライトブラック ラージ」(写真左)は、影のような不思議なたたずまいをしています。

乳白色のカバーを透過して広がる優しい光が、艶のあるベースに映り込む間接照明の「ベルライト ラージ」。一見シンプルに見える形状ですが、サイズがすこし大きめなことで、ひとつあるだけでもインテリアがピリリとしまり、コンテンポラリーアートのような効果があります。

【ブランド】トム・ディクソン【商品名】ベル テーブル ライトブラック ラージ【写真の仕様の価格】¥160,000(税抜)【サイズ】幅400×奥行き400×高さ600mm【材質】スチール(メッキ塗装)、ガラス【電球】口金サイズE26 白熱電球40W ※付属電球なし
【ブランド】トム・ディクソン【商品名】ベル テーブル ライトブラック ラージ【写真の仕様の価格】¥160,000(税抜)【サイズ】幅400×奥行き400×高さ600mm【材質】スチール(メッキ塗装)、ガラス【電球】口金サイズE26 白熱電球40W ※付属電球なし

光沢のある黒い塗装は、まるで漆のような質感。バウハウスデザインのインテリアにも、モダンな和の空間にもしっくりと合います。個人的には、質感と幾何学的なシルエットにそこはかとなくジャパネスクな印象をもちました。

スムーズに回せるスイッチで調光できます。
スムーズに回せるスイッチで調光できます。

ブラックの存在感が苦手な方には、鏡面仕上げのシルバーもオススメです。シェードに周囲の風景が映し出されることで空間に溶け込みつつ、アクセントを加える効果があります。

「鏡面仕上げは、映りこみ効果によってモノの存在が『透明』になる」と、知り合いの建築家が表現していました。
「鏡面仕上げは、映りこみ効果によってモノの存在が『透明』になる」と、知り合いの建築家が表現していました。

ひとりで持ち運べて、お手入れも簡単なベル テーブル ライト ブラック ラージ 

照明は安定感もとても大事です。とはいえ、重すぎても自由に配置換えできませんよね?

こちらは6.5キロ程度ですので、女性ひとりでも簡単に持ち運びできます。購入した際に注意したいのは、電球が付属していないこと。調光機能を活用したいので、光源は白熱球になります。家電量販店で、口径E26(一般的なサイズです)の40W白熱球をご購入ください。

バーの部分を握りこみ、ベース部分に手を添えて持ちましょう。
バーの部分を握りこみ、ベース部分に手を添えて持ちましょう。
クルクルと反時計回しにセード部分を回すと外せます。
クルクルと反時計回しにセード部分を回すと外せます。
設置する際は、セードの真ん中にある小さなネジがポイント。
設置する際は、セードの真ん中にある小さなネジがポイント。
ネジを合わせて、時計周りに回すと固定できます。
ネジを合わせて、時計周りに回すと固定できます。

手づくり感とコンテンポラリーのバランスが魅力。イギリスブランド「トム・ディクソン」

トム・ディクソンについて。
トム・ディクソンについて。

2002年に、イギリスで創業されたトム・ディクソン。デザイナー本人の名前をブランド名にしている通り、トム自身のクリエイティビティーがブランドの世界観をつくり出しています。独特の「手づくり感」が残るデザインは、世界中のものづくりの現場に自ら足を運び、その工程を生かしているからこそ。

同ブランドのヒットアイテム、歪んだ有機的な形状が魅力の「メルト」は、球体をつくる過程で生まれた失敗作が発想の原点。
同ブランドのヒットアイテム、歪んだ有機的な形状が魅力の「メルト」は、球体をつくる過程で生まれた失敗作が発想の原点。

市場に合わせて商品開発をするのではなく、ものづくりの現場から発想を得て発信するスタイルで、時代を牽引し続ける稀有なブランドのひとつです。

素材の特徴を生かし、ラグジュアリーな空間を仕立てる魔法使いみたいなデザイナー、トム・ディクソン

チュニジア生まれでイギリスを拠点に活躍するトム・ディクソン氏。
チュニジア生まれでイギリスを拠点に活躍するトム・ディクソン氏。

チェルシー・アートスクールを6か月で中退したあと、ミュージシャンとして活動。事故によって破損したバイクの修理をきっかけに得た溶接の技術を使って、廃材を用い自ら手を動かして独学でデザインを学びました。

そのデザインは英国的なクラシカルな側面をもちながらも奇抜でユニークです。2000年に大英勲章を受勲、2014年にはデザイナー・オブ・イヤーに選出され、代表作のひとつ「Sチェア」は、MoMAのパーマネントコレクションに選ばれるなど、世界中で高い評価を得ています。

イギリスのライフスタイルブランド「HABITA」のディレクターを経て、2002年に自身の名前をブランド名にした「トム・ディクソン」を創立。最近では、商業施設の内装や建築デザインのプロジェクトを多数手がけ、空間構築の分野においても活動を広げています。

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この記事の執筆者
イデーに5年間(1997年~2002年)所属し、定番家具の開発や「東京デザイナーズブロック2001」の実行委員長、ロンドン・ミラノ・NYで発表されたブランド「SPUTNIK」の立ち上げに関わる。 2012年より「Design life with kids interior workshop」主宰。モンテッソーリ教育の視点を取り入れた、自身デザインの、“時計の読めない子が読みたくなる”アナログ時計『fun pun clock(ふんぷんクロック)』が、グッドデザイン賞2017を受賞。現在は、フリーランスのデザイナー・インテリアエディターとして「豊かな暮らし」について、プロダクトやコーディネート、ライティングを通して情報発信をしている。
公式サイト:YOKODOBASHI.COM