職場内での親睦を深めたり、取引先を接待したりなど、ビジネスにおいては、お酒の場での付き合いも重要ですよね。ですが、泥酔して醜態をさらしたり、二日酔いで仕事のパフォーマンスが低下したりしては、メリットよりも、デメリットのほうがはるかに上回ってしまいますよね。

そこで今回は、管理栄養士の望月理恵子さんから、飲み会で悪酔いしてしまいがちな、お酒の飲み方について教わります。少しでも悪酔いを避けるためには、下記の7つを心掛け、「酔いで苦しむ時間」をなるべく少なくしていきましょう!

翌日のためにも避けたい「飲み会で悪酔いする」お酒の飲み方7選

■1:空腹のまま飲酒をスタートするのはNG

空腹のままでは悪酔いする
空腹のままでは悪酔いする

飲み会でたくさん飲み食いするのを見越して、その日のランチを抜いたり軽めに済ませたりする人は、多いのではないでしょうか? しかし、お腹ぺこぺこ状態で飲酒スタートしては、悪酔いをしやすくなってしまいます。

「空腹のまま飲酒すると、アルコール分が胃や腸にすぐに吸収されて、悪酔いする原因となります。悪酔いを防ぐには、少し腹ごしらえしてからお酒を飲むようにしましょう。

飲む前におすすめの一品は、サラダや枝豆、漬物など食物繊維が豊富なもの。あとは、納豆などネバネバ系も、アルコールの吸収を遅らせる効果があるので、よいかと思います」(望月さん)

ちなみに、望月さんによれば、空腹での飲み会参加は、血糖値の乱高下を招き、ダイエットの観点からもNGとのこと。飲み会当日のランチ抜きは百害あって一利なしなので、いつも通り食事を摂るようにしましょう。

■2:運動して汗をかいた後に、お酒を飲むのはNG

運動後の一杯は最高においしいけれど…
運動後の一杯は最高においしいけれど…

運動して汗をかいた後に飲むビールやシャンパン、最高ですよね! しかしながら、望月さんによれば、こうした飲み方も悪酔いをしてしまう一因になるとのこと。

「運動した後に、いきなり飲酒すると、汗をかいて体内の水分が減っているところにアルコールを入れることになり、血中のアルコール濃度が高くなって悪酔いしやすくなります。

スポーツの後にお酒を飲むのであれば、ミネラルウォーターなどで水分を補給してからにしましょう」(望月さん)

カラカラに喉が渇いた状態でグビッといく快感は捨てがたいですが、翌日以降のことを考えれば、運動後に”いきなりアルコール”を入れるのは控えましょう。

■3:ひたすらお酒ばかり「飲み続ける」のはNG

悪酔い防止に水分補給
悪酔い防止に水分補給

空腹状態や喉が渇いた状態で、いきなりアルコールを入れるのはNGとお伝えしましたが、注意すべきなのは飲み始めだけではありません。

「飲み会の最中、お酒ばかり飲むのではなく、アルコールとノンアルコールのバランスを取ることが大切です。

アルコールを代謝するには水分を必要としますから、チェイサーを注文して、水分補給しながらお酒を楽しむようにしましょう。

あとは、肝臓をいたわるために、高たんぱくのおつまみをとること。カロリーが気になる人には、冷ややっこやバンバンジー、サラダチキンなどがおすすめです」(望月さん)

チェイサーは悪酔いを防ぐだけでなく、口内をリフレッシュして、お酒の風味を引き立てる効果もあるといわれています。アルコールに弱い人はもちろんのこと、酒好きな人もぜひ、チェイサーをお供にしましょう。

■4:スイカやキュウリを「つまみながら飲む」のはNG

実はお酒との相性がよくない?
実はお酒との相性がよくない?

悪酔いしないためには、適度におつまみを摂ることが大事ですが、とはいえ食べ物のなかでも、スイカやキュウリは要注意とのことです。

「スイカやキュウリは利尿作用があるという点で、おつまみには不向きです。先ほどからお伝えしているように、悪酔いしないためには、水分補給が大切ですが、お酒と一緒にスイカやキュウリを摂ると、トイレに何度も行きたくなり、尿として水分がどんどん体外に排出されてしまいます」(望月さん)

もちろん、スイカやキュウリは飲み会で厳禁!というわけではありませんが、口当たりがよくて低カロリーだからといって、これらばかり食べていては、翌日に響いてしまうかもしれないのです。

■5:さまざまなお酒を「ちゃんぽん飲み」するのはNG

「ちゃんぽん」すると酒量が増えやすい
「ちゃんぽん」すると酒量が増えやすい

これは社会人の方なら皆さん言われなくても心得ていらっしゃると思いますが、念のため。

特に、飲み放題プランがついているとき、かけつけ一杯はビール、それからチューハイ、ワイン……というように、さまざまなお酒をオーダーしたい人も多いのでは? これらの、いわゆる「ちゃんぽん飲み」も、悪酔いを引き起こすおそれがあるとのことです。

「ちゃんぽん飲みの何が悪いのかというと、お酒の種類を変えると“味変”効果で飽きがこないので、ついつい飲み過ぎてしまいがちな点です。

複数のお酒を飲む場合は、『今日は●杯まで』というふうに、しっかりルールを決めて飲むようにしましょう」(望月さん)

“ちゃんぽんは悪酔いしやすい”と昔からよくいわれますが、複数の種類のお酒を飲むこと自体が悪いのではなく、飲酒量が増えやすいのが問題なんですね。

■6:アルコール度数を確認せずに「カクテル」を注文するのはNG

ジュース感覚で飲むのはNG
ジュース感覚で飲むのはNG

お酒があまり強くない人にとっても、甘~いカクテルは飲みやすいですよね。しかし、ジュース感覚でゴクゴク飲み干してしまうのは考えもの。

「カクテルは甘くて口あたりがよいのですが、アルコール度数が意外と高いものも少なくありません。飲みやすいからといってカクテルを次々と注文していると、知らず知らずにうちに自分の許容量をオーバーしているおそれがあります」(望月さん)

カクテルは名前や見た目のイメージだけで選ぶのではなく、メニューを見たり、お店の方に伺うなど、アルコール度数も確認しながら注文するようにしましょう。

■7:「エナジードリンク割」を飲むのはNG

エナジードリンク割で気分がハイに!?
エナジードリンク割で気分がハイに!?

レッドブルウォッカなど、エナジードリンクとアルコールを合わせたものは、ソフトドリンクのように飲みやすいといわれています。しかし、お酒が苦手な人ほど、こうしたエナジードリンク割は避けるのが賢明です。

「エナジードリンクには、カフェインが入っているものが多いです。ただでさえお酒で気分がハイになるのに、そこへカフェインの覚醒作用が加わることにより、余計にハイテンションになり、ぐいぐい飲んでしまうおそれがあります」(望月さん)

エナジードリンクはあくまで、仕事中シャキッとしたいときにお世話になるもの。お酒の場にはふさわしくないかもしれませんね。

適度なお酒はストレス解消にもなりますが、他方で「酔っ払って失敗した!」なんて後悔は避けたいもの。お酒と上手に付き合うためにも、今回ご紹介したNG行動は控えましょう。もちろん、お酒を飲めない方は、無理して飲まないよう事前に「お酒飲めない」宣言をすることを忘れずに!

望月理恵子さん
管理栄養士
(もちづき りえこ)株式会社Luce代表取締役、管理栄養士、山野美容芸術短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、日本臨床栄養協会評議員、ダイエット指導士、ヨガ講師、サプリメント・ビタミンアドバイザーなど、栄養・美容学の分野で活躍。多くの方が健康情報を学ぶための健康検定協会を主宰するとともに、テレビ・雑誌などで根拠ある栄養学を提供・監修をしている。
この記事の執筆者
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WRITING :
中田綾美