ダイエット中であっても避けられない、仕事の付き合いでの会食や飲み会など。カロリーオーバーにならないように、太りそうな揚げ物やビール、シメの麺類やご飯は控えるなど、食べ方・飲み方を工夫している人も多いのではないでしょうか?

しかし、一見するとダイエットや美容によさそうなチョイスでも、意外にも肥満の原因になってしまうこともあるようです。

今回は、管理栄養士の望月理恵子さんから、飲み会で「よかれ」と思って逆に太りやすい食べ方・飲み方の盲点について教わります。これから接待や飲みの場が控えているという人は、ちょっとだけでも頭にメモしておくだけで、

ダイエットや美容によさそうなのに逆効果!飲み会で「意外と太る」NG行動5選

■1:飲み会に備えて「ランチを抜く」のはNG

飲み会の「前」に食事を抜くのは逆効果
飲み会の「前」に食事を抜くのは逆効果

「今晩は飲み会だから、そのぶんカロリー調整しなきゃ」と、ランチを食べなかったり、ごく少量で済ませたりすることはありませんか? 実は、この作戦は、ダイエットにおいては逆効果とのこと!

「ランチを抜いて空腹状態で夜、飲食をすると、血糖値が急上昇したのち、急降下します。血糖値が急降下すると、体が“エネルギーが足りない”と勘違いして、食欲が止まらなくなってしまうおそれがあります。

また、空腹状態では、胃腸がアルコールをよく吸収して酔いやすく、判断力が鈍って、いつも以上に飲み食いしてしまうおそれも。

カロリー調整したいなら、飲み会の“前”ではなく、飲み会の“後”をおすすめします。つまり、当日のお昼を抜くのではなく、翌日の朝食やランチを軽めにしましょう」(望月さん)

今日は、お昼を抜いたから大丈夫!……という油断からも、暴飲暴食につながりやすいかもしれませんね。当日のランチはいつも通り摂って、飲み会ではお酒や食事の量をきちんとコントロールしましょう。

■2:美容食だからといって「ナッツを食べ過ぎる」のはNG

美容食だけれど高カロリー
美容食だけれど高カロリー

ビタミン、ミネラルが豊富でスーパーフードとして知られるナッツ。お酒との相性も抜群ですが、「ナッツは美肌効果もあるし!」と、ありがたがってパクパク食べてしまうのはNGです。

「ナッツは脂質や食物繊維が多く、アルコールの吸収を遅らせる作用がありますので、二日酔い防止にもってこい。ただ、高カロリーなので、食べ過ぎには要注意です。

特に、お酒を飲みながら、ナッツを何気なく口に運んでいると、知らず知らずのうちにカロリーオーバーするおそれもあります。最大でも、10粒までにしましょう」(望月さん)

自分が食べた量をしっかりカウントすることが大事ですが、楽しく飲んでいると記憶も曖昧になりがちですよね。もし「あれ、私、何粒食べたっけ?」となったら、その時点でナッツはストップしましょう。

■3:糖質・脂質たっぷりのサラダを注文するのはNG

「サラダ」といっても糖質のかたまりなものも
「サラダ」といっても糖質のかたまりなものも

居酒屋メニューの中で、比較的ヘルシーなイメージのあるサラダ。ところが、“サラダ”と名がつく料理が、必ずしも低カロリーとは限りません。

「サラダの中でも、かぼちゃサラダ、ポテトサラダ、マカロニサラダは、糖質が多くカロリーが高めです。また、マヨネーズやオイリーなドレッシングが多く使われているサラダも、脂質が高くなります。

サラダを注文するなら、生野菜サラダ、海藻サラダ、ごぼうサラダなどがおすすめです。また、ドレッシングをポン酢などノンオイルのものにすれば、よりカロリーを抑えることができます」(望月さん)

サラダであればとりあえずセーフ……なんてことはありません。サラダの具材、ドレッシングに何が使われているかも要チェックしましょう。

■4:「甘いお酒」を飲み過ぎるのはNG

実はビールより太りやすい?
実はビールより太りやすい?

太りやすいお酒といえば、まず思いつくのはビールではないでしょうか? ところが、望月さんによれば、ビールよりも女性に人気のカクテルやワインのほうが、むしろ要注意とのことです。

「“ビール腹”などという言葉もあることから、ビールはダイエットの大敵のようなイメージもありますが、“ビール腹”とは、もともとは“ビア樽のような腹”を指す表現。ビールで太るという意味ではありません。

むしろ、ビールは発泡性によってお腹がふくれやすく、たくさんは飲めないので、イメージほど太る心配はないと思います。それよりも、甘いカクテルやワインなどのほうが、ジュースのような感覚でぐいぐい飲めてしまうため、カロリーオーバーのリスクが高いです。

また、日本酒も美肌効果があるなどとして女性人気が高まっているようですが、カロリーという点ではあまり望ましくありません。

ダイエット中に飲むなら、焼酎やウイスキーなど、糖質ゼロの蒸留酒を。たとえば、焼酎のお茶割やホッピー割、ウイスキーを炭酸水で割るハイボールなどがおすすめです。

また、蒸留酒は糖質ゼロといっても、アルコール自体にカロリーはあり、アルコール濃度に比例して、カロリーは高くなります。なるべくアルコール濃度が低くなるように自分で調整するか、店員さんに注文するときに『薄めでお願いします』とお願いするようにしましょう」(望月さん)

女性の好みそうなお酒ほど、高カロリーの傾向があるようですね。ダイエット中は、そもそもアルコール自体を避けるのが最善ですが、お付き合いで飲む場合は、蒸留酒を薄めて飲むようにしましょう。

■5:低カロリーだが「塩辛いおつまみ」を食べ過ぎるのはNG

低カロリーでも塩辛いおつまみに要注意
低カロリーでも塩辛いおつまみに要注意

美容意識の高い人であれば、ジューシーなお肉や揚げ物など、いかにもカロリーの高そうなメニューは避けていることでしょう。しかし、そんな人でも意外と見落としがちなのが塩分。実は、カロリー自体は高くなくても、塩辛いおつまみは太りやすいのだそう!

「漬物や干物、塩辛などは、塩辛いおつまみは、お酒が進むうえ、食欲も増進させるので、暴飲暴食につながるおそれがあります。

また、塩分の摂りすぎは、むくみの原因になり、からだに脂肪はつかなくても、太って見えるおそれがあるという点でも、おすすめできません」(望月さん)

塩分はダイエットとは一見すると無関係のようですが、スリム体型を維持するためには、看過できない要素なのですね。漬物やスルメイカは、低カロリーで罪悪感なく食べられるおつまみですが、食べ過ぎないようにしましょう。

いかにも太りそうなメニューを避けるだけでは、ダイエットの戦略として十分とはえいません。「気を付けているつもりなのに、なぜか飲み会のたびに体重が増える」とお悩みの人は、今回ご紹介したNG行動を、この機会にぜひ改めてみましょう。

望月理恵子さん
管理栄養士
(もちづき りえこ)株式会社Luce代表取締役、管理栄養士、山野美容芸術短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、日本臨床栄養協会評議員、ダイエット指導士、ヨガ講師、サプリメント・ビタミンアドバイザーなど、栄養・美容学の分野で活躍。多くの方が健康情報を学ぶための健康検定協会を主宰するとともに、テレビ・雑誌などで根拠ある栄養学を提供・監修をしている。
この記事の執筆者
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WRITING :
中田綾美