現在、英国において「ロイヤルワラント」の発行権を持つのは、エリザベス女王、エディンバラ公、チャールズ皇太子の3人だけ。その全員からそろってワラントを獲得――さらにいえば故エリザベス皇太后存命期には4つのワラントを得た数少ないブランドが、1894年設立の超老舗バブアーである。

カントリーライフを象徴するバブアー

軽くすっきりとしたバブアー「バーフィールド」

【御用達DATA】●1894年創業 ●英国王室御用達 1971年エディンバラ公、1982年エリザベス女王、1987年チャールズ皇太子1世紀以上にわたって英国貴族のアウトドアライフを支え続ける‘バブアー’から、話題の新作が登場! 定番モデルの6オンスのワックスコットン地より2オンス(約57g)軽量化を計り、都会的な印象にモダナイズを遂げた『バーフィールド』(写真)は、今季の大注目株。全体は乗馬用モデルのディテールを細部に残した、ショート丈タイプ。はおるとカーディガンのように軽く、見た目以上にすっきりシルエットが完成する。
【御用達DATA】●1894年創業 ●英国王室御用達 1971年エディンバラ公、1982年エリザベス女王、1987年チャールズ皇太子1世紀以上にわたって英国貴族のアウトドアライフを支え続ける‘バブアー’から、話題の新作が登場! 定番モデルの6オンスのワックスコットン地より2オンス(約57g)軽量化を計り、都会的な印象にモダナイズを遂げた『バーフィールド』(写真)は、今季の大注目株。全体は乗馬用モデルのディテールを細部に残した、ショート丈タイプ。はおるとカーディガンのように軽く、見た目以上にすっきりシルエットが完成する。

その理由は、雨をしのぎ体を温める、オイルドジャケットの便利さだけではないだろう。野山を駆け、狩猟やフライフィッシングに戯れる……。

バブアーとはただの道具でもファッションでもなく、英国人ならだれもが憧れる「カントリーライフ」の、まさに象徴。チャールズ皇太子やその家族がバブアーを着た姿は、きっと彼らに「英国に生まれた幸せ」を実感させてくれるのだ。この国で放送されるテレビドラマや映画を観れば、バブアーがいかにイギリス国民から愛されているかが、よくわかるだろう。

そんなバブアーが都会で着こなすお洒落アイテムとして今では大ブレイクを遂げている。ロンドンの店舗には若者が押し寄せ、街には細身スーツに名品ジャケット『ビューフォート』を合わせ、レンジローバーを駆るエグセクティブの姿も多い。これぞ名品が決して廃たれることなく、世紀を超えて愛される土壌を培った「ロイヤルワラント」の力か。ああ、日本にこんな、継承される服文化があるだろうか?バブアーのオイルのにおいを嗅ぐたびに、英国ファッションの懐の深さに思いを馳せるのだ。

※2011年春号取材時の情報です。

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名品の魅力を伝える「モノ語りマガジン」を手がける編集者集団です。メンズ・ラグジュアリーのモノ・コト・知識情報、服装のHow toや選ぶべきクルマ、味わうべき美食などの情報を提供します。
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