海外メディアが絶賛した、雅子皇后の輝かしいお姿とそのコミュニケーション力。

米『ニューヨークタイムズ』誌までもが、5月27日付で「With Trump's Visit to Japan, Empress Masako Finds a Spotlight(トランプ氏訪日で、雅子皇后がスポットライトを浴びる)」という記事をあげるほど、世界的にも評価されました。

なぜ、雅子皇后は海外から一目置かれたのでしょうか? それは「装いや所作がエレガントだったから?」「英語が喋れたから?」「元外交官というキャリアをおもちだから?」。

それは、ただ単に皇室の方がもつ品格ということだけではありません。映像・画像に映るその姿に、相手に対する敬意や思いやり、好意、知性、そして、何よりデリカシーがあったからなのではないでしょうか。

国賓として迎えたトランプ大統領夫妻との初対面からエスコート、会見、宮中晩餐会など、すべての場面におけるプレゼンス(その存在感や佇い)に「人を大切にすることを知っている・人から大切にされた経験のある方が自然に行う、心あるスマートな配慮や振る舞い」が国を超え、人々の目に美しい行為として映ったからです。

まさに上級国際レベルの交流力。

新時代「令和」の始まりとともに、世界がスポットライトを当てた雅子皇后の「上級国際レベルのプレゼンスと交流力」の特徴的なポイントを分析していきましょう。

8つのポイントで紐解く!雅子皇后「上級国際レベルのプレゼンスと交流力」

■1:米国では自信と信頼の証:笑顔と固い握手で相手を迎える

笑顔で、相手の目を見て、固い握手。

国賓として訪日したトランプ大統領夫妻。やはりホームではない場所や国ではいつものようにはいかず、緊張もあるでしょう。そのようなときに、温かくにこやかな笑顔、目線をしっかり合わせ、画像で見てもわかるくらいに固い握手が交わされたら、「この方々は受け入れてくださる」と安心し、一気に心の距離が近くなります。

相手が米国の方であればなおさら、この3点は初対面で最も重要視されることなのです。

今回の訪日では、いつものトランプ大統領夫妻の外交の様子と比べても、穏やかで、よく目にする奇妙な顔や固い表情も、両陛下と場をともにしている場面では見ることもなく、驚くほど良い笑顔だったことがとても印象的です。

■2:相手に安心感を与え、相手の美点を輝かせる

宮中晩餐会で両陛下が出迎えた際のメラニア夫人の笑顔は、かつてこの方がこのように自然で良い笑顔を外交時に見せたことがあるだろうか? と、記憶を辿ってしまうほどの和やかさ。

本来、とても綺麗な女性であることは理解していましたが、その表情の柔和な美しさを目にし、人間とはたとえ生まれた国・住む国が違っても、安心感を与え、受け入れてくれる相手に心を開き、良い笑顔が自然にあふれることを再確認しました。一流の交流力は、相手の美点を引き出すことさえできるのです。

■3:相手との向き合い方・距離感の取り方

自分から和やかに話しかけ、横並びだとしても相手の方に少し体を向ける。

雅子皇后は、どのシーンでも、相手に圧迫感を与えない程度に、少しだけ相手に向かって体を前に出し、距離を近づけ親愛の情を示していらっしゃいます。また、顔だけでなく、必ず相手に姿勢を向けようとしていらっしゃることがわかります。

体の正面を相手に向けるということは、あなたの話に興味がありますという意志表示であり、好意の表れ。受けた側も、必ずそれを感じることができるのです。

■4:客人をひとりっきりにしない

さまざまなシーンの映像や画像を目にするにつけ、必ずご自身から話しかけていらっしゃることがよくわかります。歩いている際、ディナーの席に着いてからなどなど、招いた客人をひとりっきりにさせない(手持ち無沙汰にさせない、さびしい思いをさせない)のは、招いた側の責任として非常に重大。

しかし実はこれ、できるようで、なかなかできる方がいらっしゃいません。

今回のように、いろいろな意味で世界から注目される客人を迎える立場は、その扱いに今までの経験値と、客人への理解と配慮の如何が問われます。それをいとも自然に行われた、雅子皇后。

外交官だった父の勤務地、当時のソ連やスイスでの海外生活をはじめ、母国ではない場所、言語も文化も違う場所で、孤独を感じた経験をおもちであろう方が行う、特徴的な気遣い。ちょっとしたときにも声をかけ、トランプ大統領夫妻をニコッとさせていらした雅子皇后のコミュニケーションは、気高いうえに上級国際レベルなのです。

■5:世界に通じる非言語コミュニケーション

手を差し伸べ、相手にわかりやすいエスコート。

握手もそうですが、相手に手を差し伸べるボディーランゲージは、世界共通で温かく安心感を与えるものです。今回のトランプ大統領訪日時、両陛下と一緒に写っている映像・画像の中で、雅子皇后がメラニア夫人をエスコートしている場面が多くありました。

その際、雅子皇后は必ず手を差し伸べ、向かう先に送り出すように腕で示し誘導、自らの先を歩かせるよう促し、しかも相手の視覚の範囲内、ほぼ横からさりげなくサポートをするなど、常に相手を立て、いつでも側にいることを示す、スマートな非言語コミュニケーションも特筆すべき点でした。

同じ言語を話せる者同士であったとしても、より相手が理解しやすく、伝わる方法をとることで、相手の不安感をぬぐって心地よくさせ、失敗をさせたり恥をかかせたりという事態を未然に防ぐことがとても大切だと、よくご存知なのでしょう。

■6:気品と知性を兼ね備えたアピアランス

アイボリーホワイト、テイラードカラーの上着のある装い。

純心さのなかに、温かみのあるプレゼンスを彩ったのが白のワードローブの数々。皇后というお立場にふさわしい温かみのある白を用いた、上着のある装いが印象的でした。

なかでも、カラー(襟)のある上着を着用するスタイルは、その知性・品性ある振る舞い・気遣い、会話力という無形の力を、よりわかりやすく受け手に伝えるツールになっていました。

雅子皇后のロイヤル・プレゼンス。国際舞台のトップレベルにおいても好ましく、相手に「快」を与える、そして、この方にお会いでき、さらにエスコートされることが如何に光栄なことかを、感じさせるものです。

■7:気高き温かい存在感は言語を超える

天皇陛下とおふたりで並ばれたお姿は、にこやかながら堂々とした佇い。だからなのかはわかりませんが、トランプ大統領が普段より開けっぱなしのスーツの前ボタンを「閉じた瞬間」があったのです。

両陛下との会見のために皇居を訪れたトランプ大統領は、いつものごとく上着の前ボタンを開いたまま。しかし、一旦室内に案内された後、歓迎式典のために再度外に出てきたときには、前ボタンが閉じられていました。

どのタイミングで閉じたのだろう? 誰かがこっそりアドバイスしたのだろうか? と映像を細かく追いかけると、陛下に導かれ秋篠宮ご夫妻、安倍首相夫妻と順に挨拶をした直後、さっと自ら前ボタンを閉じたのでした。

また、会見中に足組みをしたと報じられたメラニア夫人。会見が行われた「竹の間」で椅子に座った途端に、習慣からでしょう、足を組んでしまいましたが、雅子皇后と会話をしている途中のある瞬間、足を解き両足をそろえたのでした。

これらは、両陛下の品位あるそのプレゼンスと、その場に漂う和やかながらも荘厳な空気に加え、自分たちをすぐに受け入れてくれた相手の存在の大きさに身が引き締まり、無意識に身を整える、という敬意の表れであると読み取れます。

■8:英語はコミュニケーションツールのひとつに過ぎない

両陛下ともに英語が堪能であったことは、今回の皇室外交においてとても良いコミュニケーションを図ることができた、重要ポイントであったことは間違いありません。

しかし、言語はあくまでひとつのツール。雅子皇后のプレゼンスは、幼少のころから母国日本ではない国で、多くの人とふれあい、コミュニケーションをとり、また外交官として国際社会の中で仕事をし、相手を尊重し、配慮しながら、ご自身の身につけた、世界に通用する交流力なのでしょう。

そしてそこには、人に大事にされ・大事にした経験から会得されたであろう、さりげない気遣いと温かさを感じさせるのです。

きっと、このような皇后陛下のお姿を誰よりも喜んでいらっしゃるのは、天皇陛下に違いありません。


威厳の中にもデリカシーのある「上級国際レベルのプレゼンスと交流力」。本物のグローバル感覚をお持ちである雅子皇后が存在する令和時代の日本を、これからも世界中が見ていることでしょう。

この記事の執筆者

東京生まれ、ニューヨーク在住。国際イメージコンサルタント。武蔵野美術大学卒業後、パーソンズ美術大学(米国・NY)に留学、「ファッション&イメージコンサルティング」コース修了、ディプロマを取得。フリーランスを経て2004年、ニューヨークで株式会社リアル コスモポリタンを設立、CEOに就任。ニューヨークと東京を拠点とし、国際イメージコンサルタントの第一人者として25年超にわたり活躍。日欧米亜合わせ数千人の、国際的に活躍するトップエグゼクティブ、政界・財界人をはじめとしたハイプロファイリングクライアントのコンサルティングを手掛ける。AICI(国際イメージコンサルタント協会)ニューヨーク支部元ボードメンバー。スティービーアワード審査員。主な著書『仕事力をアップする身だしなみ 40のルール』(日本経済新聞出版社) 、『Premium Image management for Men』DVD監修(SONY PCL)、『NY流 魅せる外見のルール』(秀和システム) 等
公式サイト:Real Cosmopolitan Inc.
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PHOTO :
AFLO
WRITING :
日野江都子
EDIT :
石原あや乃