もはや、「旅」と「写真」は切っても切れない時代。

写真家として、世界各国を旅した山口規子さんが旅先での写真撮影のコツをわかりやすく解説した書籍『トルタビ 旅して、撮って、恋をして』が発売されました。

スナップ、風景、料理、建築、人をテーマに、素敵な写真が満載のこの書籍の中から、本記事では「料理」をクローズアップ。

山口規子さんが世界各地で撮影した料理とともに、その撮影テクニックを教えてもらいました。

オーストリアのウィーンは老舗のカフェが沢山ある。カフェ・シュヴァルツェンベルクのウィーナー・メランジェは泡が特徴的。泡にピントを合わせ、潔くクローズアップ!

「料理を上手に撮影する」簡単テクニック15

ポイントはモノの置き方、光の方向、ピントの深さ。置き方のコツは「モノ」の形をよくみて配置することです。また、ファインダーを覗きながらいらないものを取り除くと、洗練されてすっきりまとまります。撮影場所は自然光が入る窓際がオススメ!

■1:光の綺麗なテーブルに座る

チェコ共和国のプラハにあるレストラン「ヴィラ リヒテル」は市内を一望できる素晴らしいロケーション。店内の凛とした空気と美しいナプキンは美しい料理の始まりの合図。

レストランではストロボをバシバシたく撮影は避けましょう。隣のテーブルで愛をささやき合っているカップルがいるかもしれないから。自然光が入る窓際の席を希望して。

■2:動く被写体は手ブレにも注意!

タヒチのランギロア島には世界で唯一の環礁ワインがある。白とロゼの2種類で年間4万本しか生産していない。サンゴの粒でできた土壌は水はけもよく、ミネラルがたっぷり。

ソムリエがワインを注いでくれるときの所作は素敵です。ここでは自分の手ブレに注意。シャッター速度1/60秒以上の速さで、手ブレ補正機能がついているカメラはスイッチオン!

■3:肉料理の撮影は「高さを見極める」のがコツ!

肉料理はその土地のものを。フランスの白い牛シャロレー牛、モンゴルの羊、エジプトの鳩、神戸牛、沖縄のアグー豚、秋田の比内鶏、琵琶湖の野生鴨、北海道の鹿肉、宮崎の尾崎牛など。肉汁の虜になる旅、オススメです!

肉料理の撮影のポイントは、1. 厚さを見極め、カメラアングルを決める。2. ピント位置を決める。3. 不要な部分のお皿は潔く切る。4. 逆光気味で撮る。5. さっさと撮って食べる!(笑)

■4:おしゃれなカトラリーは、デザインチックに撮影!

チェコ共和国のプラハはゴシック、アールヌーボー、キュービズムなどの建築を間近に見ることができる街。カフェ・インペリアルも作家のフランツ・カフカが愛した伝統的なカフェで、1914年のアールヌーボー建築は圧巻。

店名ロゴとフォークがかっこよかったので、ふたつのフォークでロゴを挟んでデザインチックに撮影。店員に怪しまれたら、正直に「フォークがかっこいいから写真に撮っている」と言いましょう。無言が一番怪しまれます。旅の教訓。

■5:白いハンカチをレフ板に

東京浅草にある料亭「茶寮一松」は旅気分を味わえます。門をくぐると緑豊かな庭、伝統技法で建てられた日本家屋は都会の喧騒を忘れさせてくれる。外国人も喜ぶこと間違いなし。

ツヤや照りを出したいときは逆光で、影の部分にレフ板をあてます。旅先では白いナプキンや白いハンカチ、白いノートなど、白っぽいものをレフ板に代用してみましょう。

■6:フルーツはみずみずしさが命!

ハワイのカウアイ島は山が海にせり出し、海と山が両方同時に撮れる島。写真はアート・カフェ・ヘミングウェイのグラノーラ。ふたりで同じメニューを頼み、おそろいでかわいく!

フルーツはみずみずしさが命。乾かないうちに撮りましょう。被写界深度を浅めにして、イチゴだけにピントを合わせ、背景にいるパート―ナーの顔がわからないように写し、謎を残す。

■7:被写界深度を浅くして、行き交う人を入れ込む

イタリアのローマにあるカフェ・グレコの屋外は行き交う人々を眺めながら楽しめるカフェ。屋外は温かい飲み物が冷めるのも早いから3分で撮るべし! ティラミスは絶品、注文必須です。

背景に行き交う人々を入れ込む場合は「縦位置」がオススメ。なぜなら奥行き感が出るからです。そして被写界深度を浅くして人々をぼかして撮ると臨場感が出ます。

■8:俯瞰するアングルは、余白に気を付けて

タイのタオ島はバンコクから国内線でサムイ島へ、更にフェリーボートで約2時間の島。写真は屋台で食べたサテー(焼き鳥)とパパイヤサラダ。もち米は手でつまんで食べます。

どう撮ったらよいか迷ったら、まずは真上から俯瞰撮影。すべてのものを入れようとすると余白が気になってくるので、もっと近づいてお皿の端をフレームアウト。潔く切って撮りましょう。

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