高級贈答用菓子のなかでも、贈る相手が思わずほっとするようなものを探しているなら、ぜひ候補にしたいのが、榮太樓總本鋪の「梅ぼ志飴(うめぼしあめ)」。

初めて見るのに、なぜか懐かしい気持ちにさせてくれます。その梅ぼ志飴のこだわりや秘密をご紹介します。

榮太樓總本鋪の梅ぼ志飴とは?

榮太樓飴「缶入 梅ぼ志飴」¥360(税抜)

梅ぼ志飴とは、江戸の庶民には高価だった「有平糖(あるへいとう)」をもっと気軽にと思い、創意工夫の末に生まれた飴だといいます。

「ウメボシアメ」と聞くと、酸っぱそうですが、実はまったく酸っぱくないのです。

まだ固まりきらない紅着色の飴を鋏で切り、指でつまんだ三角の形が梅干しに似ていると洒落好きの江戸っ子たちが呼んだことから、「梅ぼ志飴」と名付けられたとか。

黄色と紅色の2種類の色がありますが、味は同じ。独特のコクがあり飽きない味わいです。三角形の角が丸くなっているのは、飴を断裁した際の切り口が、誤って口中を傷つけない配慮とともに、飴の欠けを防ぐためなのだそう。

梅ぼ志飴の3つのこだわり

梅ぼ志飴の3つのこだわり

そんな梅ぼ志飴には、次のようなこだわりがあるといいます。榮太樓總本鋪の広報担当者は次の3つを挙げます。

1:手づくり

「肝心な部分は、昔から変わらない手作業で行っていること。完全にすべて機械化して製造しているわけではないのです。例えば、飴を煮詰めて窯を火から下ろすタイミングなども、職人の経験値によって判断されています。焦げるギリギリのところまで攻める職人の勘でつくられています」

2:昔から変わらないシンプルな原材料

「梅ぼ志飴の黄色のものは、砂糖、水飴のみでつくっており、その原材料は昔から変わりません。紅色のほうは天然色素で赤く着色していますが、昔も今も合成着色料や保存料は使っていません」

3:砂糖と水飴の比率

「砂糖の割合が一般的な飴よりも高いのが特徴です。梅ぼ志飴の材料は、1に砂糖、2に水飴でつくりますが、とても砂糖をたくさん使います。スーパーで売られている一般的な袋飴は、砂糖の比率は水飴と比べてそんなに高くないのですが、梅ぼ志飴は砂糖の比率がとても高いのです。これにより、賞味期限が1年もちます」

梅ぼ志飴は口紅の下地だった!?

昭和初期の梅ぼ志飴

実はこの梅ぼ志飴、化粧品の乏しい明治・大正時代に、上方の芸妓・舞妓さんたちが、梅ぼ志飴を唇に塗ってから口紅をつけると、口唇が荒れず紅に照りが出るからと、東京土産に請うたといわれているそうです。

このように、芸妓・舞妓さんたちの口紅の下地に使われていたのは、どんな背景があるのでしょうか? 詳しくお話を伺いました。

口紅のノリが悪かった?

「明治、大正のころは、化粧品も今のように質がよくなく、口紅もノリが悪かったのではないかと思われます。ところが、飴をなめて、その舌で口唇をちょっと潤し、その上に紅を差すと質のよくない当時の口紅でも、しっとりと肌になじんだのではないでしょうか。砂糖のベタベタ感が、そういう役割を果たしたと思われます」

東京土産として

「京阪のだんな衆が東京に来たときに梅ぼ志飴を東京土産として購入。地元に戻り、ひいきにしている芸妓さん、舞妓さんたちにプレゼントする。すると、彼女たちは鏡台にしまい、化粧のときになめる。口紅を差すときにちょっと下地に使う。つやつやリップになった。こんな感じだったといわれます」

紅花の美しい飴に魅了されていた!

「当時の梅ぼ志飴の赤い飴は、材料に本物の紅花を使用していたため、飴自体、かなり美しかったことから、塗ることで自分の唇も梅ぼ志飴のように美しくなりそう、と感じたのではないでしょうか」

「榮太樓飴」のもうひとつの人気商品「黒飴」

榮太樓總本鋪で売られている榮太樓飴

榮太樓總本鋪で売られている榮太樓飴は、「梅ぼ志飴」「黒飴」「抹茶飴」「紅茶飴」「のど飴」「バニラミルク飴」の6種類。このうち、どれが一番人気なのでしょうか?

「1位は梅ぼ志飴、2位は黒飴です。3位以下はあまり差がないです。

黒飴が人気の理由、それは『おいしい』から。当社の菓子は飴だけでなく、生菓子や黒みつなどもありますが、全体的に、黒糖、黒みつのものは人気が高いです。

それは、すべて『沖縄産黒糖100%』だからです。当社は昭和のころ、社員をわざわざ沖縄に送り込んで現地に滞在させ、おいしい黒糖選びをしたほど、黒糖にこだわりました。ですから、当社の黒みつや黒糖商品はおいしいと人気があります。実際、コクがあり風味がしっかりしていると思います」

「榮太樓飴」(4缶入)¥1,540(税抜)

榮太樓飴は、昔から全国的に知られている銘菓。贈答用としても古くから利用されてきました。日本で榮太樓飴以外に、贈答用の「のし」をかけている飴はないといわれています。それは長い歴史と品質の高さがあるからこそ。

榮太樓飴のことを知らなかった方は、ぜひ次の大切な方への贈り物の機会に、選んでみてはいかがでしょうか。

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この記事の執筆者
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WRITING :
石原亜香利
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