子どもから大人まで身近なお惣菜・コロッケ。ご飯にはもちろん、おやつにも片手で食べやすいメニューです。しかし、自宅でつくると衣が取れてしまったり、サクッと揚げられなかったりと、なかなか難しいのが現実。

そこで今回は、コロッケ専門店「All About My Croquette」店長で料理家の田窪史絵さんに外はサックリ、中はホッコリとしたおいしいプレーンコロッケのつくり方を、自宅でつくりやすくアレンジしたレシピで教えていただきました。

コロッケ専門店に教わる、究極のコロッケのつくり方

材料(2~3人分)

コロッケ7個分の材料。これに、衣に使うパン粉と卵、小麦粉を使います
コロッケ7個分の材料。これに、衣に使うパン粉と卵、小麦粉を使います
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ジャガイモ(男爵 大150g) 3個

<材料A>
味コンソメ(粉) 3g
塩 3g
生クリーム 60ml
醤油 少々
コショウ 少々

<材料B>
生パン粉(細挽き) 適量
バッター液(卵1個、小麦粉大さじ2杯、水100cc)

下準備として、ジャガイモは塩を入れたお湯で皮つきのまま、竹串がスッと通るまで茹でます。熱いうちに皮をむき、1個はそのまま直前まで冷蔵庫に入れてよく冷やします。残りの2個はマッシュにします。アツアツのうちに素早くしっかりと潰すのがポイントです。手で潰すとより滑らかになります。

つくり方

■1:マッシュポテトが熱いうちに材料Aと混ぜ合わせる

マッシュポテトに生クリームを混ぜます
マッシュポテトに生クリームを混ぜます
塩、コショウ、味コンソメを入れます
塩、コショウ、味コンソメを入れます
隠し味に醤油を数滴いれます
隠し味に醤油を数滴いれます
ネットリとするまでよく混ぜ合わせます。手で混ぜるのが一番早くよく混ざります
ネットリとするまでよく混ぜ合わせます。手で混ぜるのが一番早くよく混ざります

■2:冷やしておいたジャガイモを切り、マッシュポテトと混ぜる

しっかり冷えていると切りやすくなります
しっかり冷えていると切りやすくなります
1cm角のサイコロ状に切ります
1cm角のサイコロ状に切ります
「2」のマッシュポテトに角切りジャガイモ入れ、角切りジャガイモを潰さないようにサックリと混ぜます
「2」のマッシュポテトに角切りジャガイモ入れ、角切りジャガイモを潰さないようにサックリと混ぜます

■3:成形する

1個70gを目安に、食べやすい大きさに成形します
1個70gを目安に、食べやすい大きさに成形します
少し扁平の俵型に整えます
少し扁平の俵型に整えます
大きさが均等になるようにしましょう
大きさが均等になるようにしましょう

■4:バッター液をつくる

小麦粉を大さじ2杯ボールに入れます
小麦粉を大さじ2杯ボールに入れます
卵1個と水100ccを入れます
卵1個と水100ccを入れます
モッタリと糸を引くくらいになるまでホイッパーで混ぜ合わせます
モッタリと糸を引くくらいになるまでホイッパーで混ぜ合わせます

■5:衣をつける

目の細かい生パン粉をボールに用意します
目の細かい生パン粉をボールに用意します
「3」で成形した具をバッター液にくぐらせ、まんべんなくバッター液をつけます
「3」で成形した具をバッター液にくぐらせ、まんべんなくバッター液をつけます
バッター液をつけたら、パン粉の中に入れます
バッター液をつけたら、パン粉の中に入れます
上からたっぷりパン粉をかぶせ、全体にまんべんなくまぶします
上からたっぷりパン粉をかぶせ、全体にまんべんなくまぶします
形を崩さない程度に、ギュッと押し付けるようにパン粉を密着させます
形を崩さない程度に、ギュッと押し付けるようにパン粉を密着させます
7個すべてきれいに衣がつきました
7個すべてきれいに衣がつきました

■6:揚げる

180℃の油に入れ、途中でひっくり返したり触ったりせず3分待ちます
180℃の油に入れ、途中でひっくり返したり触ったりせず3分待ちます
3分経ったら油から上げます
3分経ったら油から上げます

自宅では、コロッケが鍋底や他のコロッケとくっつかないよう大きめの鍋にたっぷりの油で揚げます。鍋が小さいときは一度に揚げるのではなく、何回かに分けて揚げましょう。一度にたくさん入れすぎると、油の温度が下がってしまい、サクッと揚がらないことがあります。

■7:3分間置いて余熱で中まで熱を通す

油から上げた後、さらにそのまま3分置き、余熱で中まで熱を通す
油から上げた後、さらにそのまま3分置き、余熱で中まで熱を通す

■8:できあがり

揚げたて熱々をいただきます!
揚げたて熱々をいただきます!

究極のコロッケのできあがり! 熱々のサクサクをいただきます。

サクサクな衣、口どけ滑らかなマッシュポテトに、角切りジャガイモが食感の変化を生み出します
サクサクな衣、口どけ滑らかなマッシュポテトに、角切りジャガイモが食感の変化を生み出します

そのままでジャガイモの甘さと食感、隠し味の醤油の香ばしさを楽しむもよし。好みでケチャップやソースをかけるのもおすすめです。

冷めたときは、トースターかフライパン弱火で片面2分を目安に加熱しましょう
冷めたときは、トースターかフライパン弱火で片面2分を目安に加熱しましょう

「究極のコロッケ」のつくり方5つのコツ

■1:ジャガイモはマッシュと角切りの2種類を用意

ジャガイモのみのシンプルなコロッケは、食感で変化をつけましょう。クリーミーなマッシュポテトとジャガイモ特有のホクホク感、ふたつの食感を楽しめるのが「究極のコロッケ」の特徴です。

■2:角切り用のジャガイモは、切る前に丸ごとよく冷やす

冷やすことで切りやすくなり、さらにゴロッとした食感が引き立ちます。できればひと晩冷やすと、よりジャガイモの甘みが増すそう。また、マッシュしたジャガイモと角切りのジャガイモを混ぜ合わせるときは、角切りジャガイモが潰れて食感を失わないよう注意してサックリと合わせます。

■3:扁平な俵型に成形し、熱の通りを均一にする

少し扁平な形に整えて、熱の通りを均一にします。また、衣をつける前にバットへ並べラップをフワッとかけて冷蔵庫で一晩寝かせると、中の水分が飛ぶため揚げるときに破裂しにくくなります。ここでも冷ますことで、ジャガイモの甘みが増しておいしくなります。

■4:衣は目の細かい生パン粉をミッシリとつける

パン粉のつけ方が甘いと、すき間から中身が流出して揚げている間に破裂してしまいます。衣をミッシリと密着させるのが、きれいな揚げ上がりの秘訣です。

■5:揚げ時間は3分、触らずに待つ

揚げ途中にひっくり返すなど、コロッケに触ってしまうと、衣がはがれたり破裂したりする原因になります。揚げている間はできるだけ触らず3分間待ちましょう。

■6:揚げ上がりに3分置いて余熱を通す

油から上げたら、3分間そのまま置いて余熱でじっくり熱を通します。中は余熱で温めることで表面が焦げ過ぎるのを防ぎます。

オーナーの夢「料理ひと皿をひとつのコロッケに」を実現したコロッケ専門店

東急世田谷線松陰神社前駅から徒歩1分。商店街にある「All About My Croquette」
東急世田谷線松陰神社前駅から徒歩1分。商店街にある「All About My Croquette」

オーナーが、お母さんのコロッケが大好きで開いたコロッケ専門店「All About My Croquette」。オーナーから相談を受けた田窪さんはさまざまなコロッケを考案しました。

お店にはプレーンコロッケをはじめ、鮮やかなピンクが目をひく「ビーツ&クリームチーズ」や、とろ〜りチーズとゴロッとしたマッシュルームの食感が楽しい「マッシュルームチーズメルトメンチ」など、ほかでは見たことのないメニューが並んでいます。

どんどん新しいメニューが生まれ、ラインナップが変わっていくそう
どんどん新しいメニューが生まれ、ラインナップが変わっていくそう
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多彩なメニューラインナップは、仕事で料理家と一緒になる機会が多かったオーナーの夢から始まったそう。

「オーナーが出版関係の人で、料理家の方々と仕事をする機会が多く、彼らのつくる個性的な料理をひとつのコロッケに凝縮したいという夢があったそうです。そこで、立派なひと皿になる内容をコロッケの中に再現したような、変わり種のコロッケをいつも考えています」(田窪さん)

一方で、コロッケ専門店としてプレーンコロッケにもこだわっています。あえて具をジャガイモのみでシンプルにし、ジャガイモの甘さと食感を楽しめるように考えられたレシピだとのこと。そのプレーンコロッケを家庭用にアレンジしたのが、ご紹介した「究極のコロッケ」レシピです。

まずは自宅でプレーンコロッケにチャレンジ。揚げ方のコツを押さえたら、おいしかったあの店の料理や懐かしいお母さんの味をギュッと詰め込んだ箱庭をつくるように、アレンジコロッケもつくって楽しんでみませんか? 

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この記事の執筆者
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WRITING :
加藤良子
EDIT :
廣瀬 翼(東京通信社)