大人になった今でも、人生の目標や夢をもち、それに挑戦し続けている方は、どれくらいいらっしゃるでしょうか。あるいは現在進行形ではなく、心の奥底で「こんな風になりたい」「ああいうことがしたい」と願っている方なら、大勢いらっしゃるかもしれませんね。

あなたは自分の願望を口にするとき、「○○する」「○○になる」と断言していますか。それとも「○○したい」というように、断言することを避けてしまいますか? 後者のように願望を断言できない要因は、他人の目を気にして、自分の考えが否定されるのを恐れているから。

そう教えてくれたのは、『誰も君のことなんて気にしていない。』の著者である神田勘太朗さん。「○○したい」と言っていると、その望みが叶っていない状態が実現してしまい、夢はいつまでも叶わないまま進展しません。

以下では、夢や目標を叶えて人生をもっと輝かせるための方法を紹介します。心の奥で願っていることが実行できていない……という方は、ぜひ参考にしてみてください。

自分の人生をもっと輝かせる5つの方法

■1:なんでもいいから1番を目指す

1番を目指し、努力することに意味があります。
1番を目指し、努力することに意味があります。

勉強やスポーツ、仕事の業績など、これまでに何かでナンバーワンになった経験はありますか? たとえ1番が取れなかったとしても、トップを目指して努力したことは、きっとあるでしょう。実はこの1番を目指すという決意が、自分の人生を輝かせるためには大切なのだと神田さんは言います。

「何かの分野で夢を叶えることを望むなら、とにかく1番を目指しましょう。例えばスポーツでは、どの種目でも1位を目指しますよね。それは1番を目指すことによって生まれるエネルギーが大きいから。もちろん結果的に1位を取るに越したことはありませんが、それ以上に、ナンバーワンを目指せる人間になることが大事です。

それが妄想でも根拠のない自信でも構いません。また、ここでいう1番とは、『町内一』でも『マニアックなことの1位』でもOK。望むだけなら自由なので、目標はできるだけ大きく掲げましょう。

ただし、1番になるのは他人を見下すためではありません。重要なのは、『1番になってできること』と『2番以下でもできること』の格差が大きいということ。この傾向はビジネスの世界では特にハッキリしています。有力なクライアントはもっとも影響力のあるトップと仕事を組みたいと思っていて、2番手とは組みたくないのです」(神田さん)

トップだから偉い、人間的に優れている、ということではなく、1番を目指してできる限りの努力をすること自体に意味があるのだと覚えておきましょう。

■2:夢を口に出す

「マーフィーの成功法則」を実践し、行動につなげましょう。
「マーフィーの成功法則」を実践し、行動につなげましょう。

心の底から思っていることは実現するようにできている、という「マーフィーの成功法則」について、聞いたことがある方は多いはず。ですが、それを信じて日々実践している人は、少ないのではないでしょうか。

しかし、神田さんはこのマーフィーの成功法則の影響もあって、自分の願望をひたすら口に出すようになったのだそうです。

「マーフィーの教えでは、口に出して言い続けたことは、必ず現実になるとあります。夢は叶えるもの、キラキラ輝く美しいものなので、口にすることはよいことです。

声に出して他人に伝えることで、言ったからにはやらないといけないと思う。それと同時に、自分に責任を負わせることができるので、結果として行動につながりやすくなります」(神田さん)

他人に夢を伝えると、同じ目標をもった仲間が増えるきっかけになることもあるでしょう。周りの目を気にしながら生きている人にとって、自分の夢を口に出すのはなかなか難しいかもしれませんが、トライする価値はあるはずです。

■3:ビッグマウスで自分を鼓舞する

ビックマウスは他人ではなく自分自身に対して言う言葉。
ビックマウスは他人ではなく自分自身に対して言う言葉。

突拍子もないような事柄を公言する「ビッグマウス」。多くの場合、ビッグマウスはパフォーマンスの一環と受け取られがちで、あまりよいイメージがないかもしれません。ところが、その一方でビッグマウスには「自分にはそれができる」と自己暗示をかける効果があります。

「ビッグマウスの本質は、他人ではなく自分自身に対して言う言葉だということ。例えばサッカーの本田圭佑選手をはじめ、ビッグマウスで有名になったスポーツ選手は、臆面もなくビッグマウス発言をすることで自分自身を鼓舞し、目標実現のためのエネルギーを強化しました。その結果、それまで不可能と思われていたことを実現したのです。

自分の中で確信があり、その夢を実現するために真剣に努力していれば、大きいことを公言しても『口先だけだ』と言われることはないでしょう」(神田さん)

大きいことを公言した結果、失敗すれば中傷する人も現れるかもしれませんが、同時にピンチを救ってくれる人や応援してくれる人が出てくる可能性もあります。ビッグマウスを上手に活用してチャンスを掴みましょう。

■4:自分自身の「取扱説明書」をつくる

自分自身の欠点は、なるべく他人に知られたくないですよね。ところが、自分の欠点を理解して、それをあらかじめ周囲に伝えておくと、苦手なことや自分にはできないことがあってもうまく補うことができるでしょう。

「しっかりと自己分析を行ない、自分の欠点を把握していれば、それを補う方法が見つかります。できないことや苦手なことを把握するのは、自分自身の取扱説明書をつくるようなもの。ぼくの場合、新しい仲間を誘うとき、まず自分にできないことを先に表明してしまいます。自分にできないことは、得意な人に任せてしまうのもひとつの方法です。

大抵の人は、他人を減点方式で採点します。最初は相手に対して勝手に期待値を上げ、気に入らないことがあるたびに点数を落とす。だから最後には相手の評価を著しく落として幻滅してしまうのです。減点方式は他人だけでなく、自己評価でもしてしまいがち。そうではなく、自分の悪いところを先に認めてしまえば、加点方式で評価を高めていくことができます」(神田さん)

自分の欠点を補うためには、悪い点を認めることが近道。あなたは自分の欠点について、どのくらい理解しているでしょうか。また、その悪い点を素直に認められますか?

■5:人生を20年ごとに区切って計画する

「20年未来計画表」をつくり、目標を意識に刷り込みましょう。
「20年未来計画表」をつくり、目標を意識に刷り込みましょう。

未来を思い描くとき、何年先を想像するかは人それぞれ。ですが、神田さんは夢の実現のために、人生を20年で区切って計画する「20年未来計画表」を提案しています。

「成人式は通常20歳だし、30代はまだ若手でも40代は立派なベテラン。そして60代になったら会社勤めの方はその先の人生を考えなくてはなりません。このように、人生は大体20年単位で大きく変わっていきます。だから人生計画を立てるときもゴールは20年先にしておいて、その先は考えない。

ぼくの場合、2004年に『2025年にダンスで世界一になる』ということを決め、それからざっくりと中間達成目標のようなものを年表にしました。例えば『5年後には日本を制覇し、そこから5年でアジアへ行く。そこから5年でヨーロッパに行って、最後はアメリカで全世界制覇』といった具合です。

いま15年くらいが経過して、まだ途中の段階で実現していないこともありますが、大体イメージ通りになっています。一方で、いまでは興味をもっていないことは目標から外しています。計画表は1年~5年くらいのスパンで見直して、細かい部分を書き直してもOKです」(神田さん)

20年未来計画表を作成したら、壁に貼り出したり、定期的に取り出したりして、意識に刷り込んでおきましょう。


本当にやりたいことがやれず、不満だらけ……そんな日々を輝かせることができるのは、自分自身の行動だけ。「やりたいことや願いがない」という方も、ありのままの自分を認めてあげれば、きっと本当にやりたかったことが見つかるはずです。

『誰も君のことなんて気にしない。』著=神田勘太朗(カリスマカンタロー)きずな出版 ¥1,480(税抜)
『誰も君のことなんて気にしない。』著=神田勘太朗(カリスマカンタロー)きずな出版 ¥1,480(税抜)
神田勘太朗(カリスマカンタロー)さん
会社経営者・ダンサー
(かんだ かんたろう)株式会社アノマリー代表取締役。ダンサーとして活躍する一方、ダンスイベントをプロデュースするほか、日本のストリートダンスコンテンツを海外へ発信。日本一のダンスバトル大会「DANCE ALIVE HERO’S」は、両国国技館を埋め尽くす大規模なイベントへ成長している。公式twitter
この記事の執筆者
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WRITING :
上原 純
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