世の中には、二種類のカメラがある。すなわちライカと、それ以外のカメラだ。そんな極論を提示したとしても、大きな反論は起こらないだろう。ライカとは、写真撮影者にとって特別な存在だ。

ほかのカメラには代え難い、究極の道具!歴史の一瞬をとらえた天才たち

アンリ・カルティエ=ブレッソン

【Henri Cartier-Bresson】アンリ・カルティエ=ブレッソン/'30~'70年代に活躍したフランスの天才写真家。ライカを自在に操り、自分の脳内イメージと現実の構図が合致する「決定的瞬間」をとらえる試みに成功。その手法には、ライカが欠かせなかったのはいうまでもない。写真:ロイター/アフロ
【Henri Cartier-Bresson】アンリ・カルティエ=ブレッソン/'30~'70年代に活躍したフランスの天才写真家。ライカを自在に操り、自分の脳内イメージと現実の構図が合致する「決定的瞬間」をとらえる試みに成功。その手法には、ライカが欠かせなかったのはいうまでもない。写真:ロイター/アフロ

ロベール・ドアノー

【Robert Doisneau】ロベール・ドアノー/パリを愛し、市井の人々の混沌の中に身を投じ、日常の中で起こる奇跡的な瞬間をユーモアあふれる視点でとらえたドアノー。彼がパリと同様に生涯愛し続けたカメラはライカだった。機動力に長たけた愛機なくして、その軽妙な写真は生まれなかった。写真:Gamma Rapho/アフロ
【Robert Doisneau】ロベール・ドアノー/パリを愛し、市井の人々の混沌の中に身を投じ、日常の中で起こる奇跡的な瞬間をユーモアあふれる視点でとらえたドアノー。彼がパリと同様に生涯愛し続けたカメラはライカだった。機動力に長たけた愛機なくして、その軽妙な写真は生まれなかった。写真:Gamma Rapho/アフロ

 ジョセフ・クーデルカ

【Josef Koudelka】ジョセフ・クーデルカ/1968年、「プラハの春」を嫌い侵攻してきた旧ソ連軍と市民の攻防をとらえ、世界的に注目された報道カメラマン。ライカでシャッターチャンスを狙う左の写真は、クーデルカをマグナム・フォトへと導いたエリオット・アーウィットによって撮影された。写真:AP/アフロ

その理由は、どこにあるのか?何よりもまず、ライカは優れた性能のカメラである。しかもカタログ上に記載される数値だけでなく、撮影者の官能に響く性能に優れているのである。『ライカM3』のファインダーをのぞけば、写真として切り取られるフレームが鮮明に浮かび上がる。レンズを操作してピント合わせをしてみれば、他のカメラと比較するのがおこがましいほど明瞭度が抜きん出ている。

すなわちライカとは、人間の視神経と脳が判断し、手で操作して一瞬を切り取るという「写欲」に対し、過不足なく応えてくれる究極の道具なのだ。ゆえに世界中のフォトグラファーたちはこぞってライカを愛用した。あるときはシリアスなジャーナリズムの現場に、そしてあるときは、ごく私的でアーティスティックな視線を作品化する瞬間にライカがあった。

よく整備されたライカを手にして、フィルムを巻き上げ、レリーズボタンを押してみれば、瞬時にそれ以外のカメラとの違いがわかるだろう。なめらかな操作感と、ごく静かなシャッター音が触覚と聴覚を心地よく刺激してくれる。

写真機とは視覚情報を伝達するためのツールだが、ライカは視覚を超えた知覚に訴えかけてくる。すなわち、写真を撮ることはもちろんのこと、ただ手にしているだけでも心地よいのだ。この共通する感覚は、クラシックライカから現行品まで変わることがない。

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