みずみずしい舌触りで涼を感じる和菓子は、夏のおもたせにもぴったりの一品。特につるんとした食感と上品な甘さを楽しめる「水ようかん」は、夏に食べたくなる和菓子のひとつですよね。

しかしながら、素人目にはお店によって味の違いを感じにくい「水ようかん」は、正直どこの商品を買おうか迷子になってしまう和菓子でもあります。

そこで今回は、『ニッポン全国和菓子の食べある記』の著者で、髙島屋で約10年和菓子のバイヤーを務める畑主税(はたちから)さんに、本当においしい水ようかんを5つ、お伺いしました。

岬屋「白小豆水ようかん」の画像
夏においしい水ようかん。

和菓子のプロに聞いた!夏に食べたい「本当においしい水ようかん」5選

■1:飲めるほどやわらかい!?「水羊羹」/越後屋若狭

越後屋若狭の「水羊羹」の画像
「水羊羹」¥3,218(税込)

越後屋若狭(えちごやわかさ)は、元文5年(1740年)頃創業の東京・両国にある老舗和菓子店。看板商品の「水羊羹」は、一度食べたら忘れない、飲めるほどになめらかな食感が人気の一品です。

スプーンですくう必要がないほど柔らかい水羊羹の画像
スプーンですくう必要がないほどの柔らかさ。

口の中に入れると、水ようかんが舌の上で溶けるように、こしあんの上品な甘さが広がります。みずみずしい食感であっさりといただける、優しい味わいの水ようかんです。

髙島屋では、毎年6月から8月の期間限定にて販売されています。

新宿髙島屋・日本橋髙島屋は第3水曜日、横浜髙島屋では第4水曜日のみ入荷があり、各店の「銘菓百選」の売場にて事前予約が可能です。

■2:ごまが香ばしい白あんの水ようかん「涼一滴」/紫野源水

紫野源水「涼一滴」の画像
「涼一滴」各1個 ¥960(税込)※髙島屋での販売

白い陶器の器が爽やかな水ようかんは、京都にある「紫野源水(むらさきのげんすい)」の「涼一滴」。

さらりとした小豆のこしあんを使用した「水ようかん」と、備中産の白小豆のあんに炒った胡麻で風味付けした「ごま風味」の2種類があります。

甘さをギリギリまで抑えられている「水ようかん」は、軽やかな口あたり。さっぱりとした喉越しで、小豆のコクのある甘さが苦手な方でも食べられそうです。

紫野源水「涼一滴」の「ごま風味」の画像
「涼一滴」の「ごま風味」。

また「ごま風味」は、ごまの香ばしい香りと、品のある白小豆のあんの相性が絶妙な一品。柔らかく、とろける食感で、素朴な甘さにほっこりする味わいです。

髙島屋では、夏季限定にて年に1〜2回ほど、入荷状況により、店舗限定にて販売されます。

■3:名古屋で売れに売れているみずみずしい食感の「水羊羹」/むらさきや

むらさきやの「水羊羹」の画像
「水羊羹」1本 ¥2,160(税込)

バラエティ番組で取り上げられたことをきっかけに、ジェイアール名古屋タカシマヤで、今売れに売れているという水ようかんが、愛知県・伏見にある「むらさきや」の水羊羹。

透明のクリアケースに流し込まれた「水羊羹」は、その色味から小豆の濃さがうかがえます。

むらさきやの「水羊羹」を切り分けてお皿に並べた画像
小豆の色味をしっかり感じられる水羊羹。

取り出してみると、包丁を入れる必要がないと感じるほど、みずみずしく滑らか。

約4時間、職人が手作業で煮詰めた小豆のこしあんを使用しているため、口に入れた瞬間、あずきの旨味と風味、そして甘味をしっかり感じられます。甘党の舌も満足させる、濃厚な味わいの水ようかんです。

髙島屋では、ジェイアール名古屋タカシマヤと新宿高島屋にて、入荷状況により夏季限定にて販売されます。

■4:パッケージが器になる「生水羊羹」/桃林堂

桃林堂「生水羊羹」のパッケージの画像
桃林堂「生水羊羹」 各1個 ¥324(税込)

可愛らしい箱型のパッケージが目を引く、東京・青山に本店を構える桃林堂の「生水羊羹」。

手のひらに乗る手頃なサイズ感とお値段、そしてパッケージをそのままお皿として使うことができるため、職場への差し入れなどにも重宝する一品です。

「生水羊羹 小豆」の画像
「生水羊羹 小豆」 ¥324(税込)

「生水羊羹」は、小豆と抹茶の全2種類。「小豆」は、みずみずしい食感ながら、小豆のあんの風味をしっかりと感じられるおいしさ。程よい甘さで、あっという間に食べられます。

「生水羊羹 抹茶」の画像
「生水羊羹 抹茶」 ¥324(税込)

「抹茶」は、白小豆のさっぱりとした甘さと、宇治抹茶の程よい苦味のバランスが絶妙な水ようかん。スッキリとした味わいで、暑さが厳しい日でもスプーンが進む水ようかんです。

髙島屋での販売は、日本橋髙島屋と新宿髙島屋にて、入荷状況により、夏季限定にて販売されます。(※桃林堂での夏季休暇を除く)

 ■5:白小豆の上品な味わいと粒の旨味を楽しめる「白小豆水ようかん」/岬屋

岬屋「白小豆水ようかん」の画像
「白小豆水ようかん」 ¥3,672(税込)

「和菓子好きにぜひオススメしたい」と畑さんが教えてくれたのが、東京・渋谷にある京菓子 岬屋の「白小豆水ようかん」。

岬屋の白小豆ようかんの画像
包丁を入れると白小豆の粒が顔を出す。「白小豆水ようかん」/岬屋

その栽培の難しさから、高価で珍しい白小豆をふんだんに使った贅沢な水ようかんは、白小豆の品のある甘さと、粒の旨味を存分に味わえます。しっかりと粒を感じられる食感のいい水ようかんです。

また「岬屋」の水ようかんは、白小豆の粒あんの他に、白小豆のこしあん、普通の小豆の粒あんとこしあんと4種類のラインナップがあります。好みに合わせて選べるのが嬉しいですね。

髙島屋では8月末まで、日本橋髙島屋と新宿髙島屋にて、毎週火曜日に販売されています。


全国の和菓子屋を1,000軒以上も食べ歩いてきた畑さんが厳選した水ようかんは、どれもこれまで感じていた水ようかんのおいしさを上回るものばかりでした。

小豆の優しい甘味は、暑さでバテ気味の身体に優しく染み渡ります。ゆっくりとおやつを楽しめる日は、水ようかんで涼をとってみてはいかがでしょうか。

問い合わせ先

  • 新宿髙島屋 
  • 営業時間/平日・日曜日 10:00〜20:00 、金・土曜日 10:00〜20:30
  • 定休日/なし
  • TEL:03-5361-1111
  • 住所/東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-2
この記事の執筆者
TEXT :
Precious.jp編集部 
2020.3.7 更新
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WRITING :
文 希紀