美しいフォルムや独特の書き味で、文房具ファンを魅了し続けている万年筆。ペンでありながらもアクセサリーのように、身につける楽しみがある一品です。

ラインナップも、手ごろな価格から高価なもの、デザインやカラーもさまざまなので、文房具好きな方への贈り物にもぴったり。

今回は、美しいカラーの万年筆を作り出すブランド「helico(ヘリコ)」の代表で、万年筆職人である諏訪匠さんに、贈り物のための万年筆の選び方を聞きました。

親族や同僚、友達に贈る「ギフトとしての万年筆」の選び方

お話を伺った諏訪さんのブランド「helico」は、アクリル樹脂を使った独特のカラーとオリジナル刻印の入った、特注のペン先を特徴とする万年筆メーカーです。

1本1本、手作業で最後まで調整しており、同じデザインカラーでも、まったく同じものはないという、独自性の高さも特徴。ギフトに選ばれることも多いといいます。

「万年筆は人を飾るアクセサリー的な一面と、手紙を書くなど自分の気持ちを伝えるための道具としての一面、があります。だからこそ、贈った相手から、贈り物の万年筆を使ってお礼の手紙を書くことで、贈り主に対して気持ちを返すこともできますよね。

ただ、贈るだけでは終わらない。もらった人もお礼の気持ちを、万年筆を使って伝えられるところが、ギフトとしての万年筆の強みだと思います」(諏訪さん)

諏訪さんがお客様と接する中で培った、贈り物としての万年筆を選ぶときのポイントを伺いました。

■1:贈る相手の「好きな色」で選ぶ

さまざまな色がある万年筆の軸。どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。そんなときは、贈る相手の好きな色を選ぶといいとおっしゃいます。

「お客様が迷われているときは、贈る相手の方がよく着ている服の色や、クルマの色を聞きます。あとはその方の雰囲気やイメージに合うものを選ぶといいと思います」(諏訪さん)

■2:季節で選ぶ

もし、相手の好きなカラーに自信が持てないときは、贈る季節に合わせた色選びもひとつの方法です。

「特にhelicoは柄や色の鮮やかさに特徴があるため、季節に合わせたカラーを選ぶ方が多いですね。

例えば梅雨のシーズンなら明るい水色。秋になると暖色系を選ばれる方が多くなります。意外なのは冬ですね。寒いから暖色かと思いきや、青や水色系が人気です」(諏訪さん)

春に人気の桜をほうふつとさせるピンク系の万年筆画像
春は桜をほうふつとさせるピンク系がダントツの人気。ダイヤモンドアイズ万年筆 ¥45,000:税別・スチールペン先

 季節ごとの人気カラーは、春はピンク系(桜色)、黄緑(新緑)、梅雨から夏は水色、青、秋はオレンジ、朱色、冬は白、青、水色系とのことでした。ぜひ参考にしてみてくださいね。

■3:商品名から選ぶ

万年筆とひと口に言っても、各社のアイテムにはさまざまな名前がついています。例えばhelicoの場合、青×黄色のグラデーションには「ブルーパイナップル」といった名前がついており、選ぶときのヒントにも使えます。

鮮やかな青とイエローの万年筆「ブルーパイナップル」画像
「ブルーパイナップル」は鮮やかな青とイエロー。

「お客様のうち、半分くらいの方が色の名前を聞いてこられます。受験生への贈り物だと季節の移ろいをグラデーションで表現している『シーズンチェンジ』が人気でした。最近では『ブルーパイナップル』や『アイスプリンセス』などが人気ですね」(諏訪さん)

純白のドレスをまとったような印象の「アイスプリンセス」画像
「アイスプリンセス」は純白のドレスをまとったような印象です。

 ■4:使用目的に合わせてデザインから選ぶ

贈る相手がいつもどのように万年筆を持ち歩いて使うか、想像してデザインを選ぶのも、贈り物選びには役立ちます。

helicoの「シュクル」シリーズ画像
helicoの「シュクル」シリーズは、小さなハンドバッグでもスマートに収まるサイズ感で女性に人気。シュクル万年筆¥18,000:税別・スチールペン先

「男性なら胸ポケットに入れることが多いので、クリップ付きのものを。女性ならハンドバッグに入れたり、ポーチの中に入れることを考えて小さなものを…など、どのように使われるかを想像して選ぶと、使ってもらいやすいですよ」(諏訪さん)

デザインだけでは物足りない!? こだわり派向けの万年筆の選び方

万年筆の魅力は、軸のデザインだけではありません。インクを選んだり、ペン先を選んだりすることで、より好みの筆記具にカスタマイズできます。

例えば、インクの色と合わせて軸を選ぶという方法。各社定番カラーから個性ある色まで数多く出している中から、軸と合わせて選んでセットで贈り物にすれば、より特別感が増します。

「かつては万年筆のインクはブルーブラックが定番でしたが、今では何百色ものインクが販売されていますので、シュクル万年筆のペンブランクに合うインク選びも、楽しみになると思います」(諏訪さん)

helicoがインクメーカーとコラボして作ったインク「儚き蒼」画像
helicoがインクメーカーとコラボして作ったインク「儚き蒼」。青いペン軸と組み合わせれば、統一感のあるギフトに。

またペン先が選べるのも万年筆の楽しみのひとつ。通常、スチールか18金のペン先を選びます。金は腐食しないのが特徴ですが、スチールでもメッキ技術が上がっているので、10年20年でダメになるということはないそうです。

上 | 18金、下 | スチールのペン先画像
右が18金、左がスチールのペン先。普段ボールペンを使っている人は筆圧が高い場合があるので、まずスチールから使い始めて。

「金のペン先は筆当たりがやわらかく、手になじむのが特徴です。ただ普段ボールペンを使っていると、筆圧が高くなりがち。万年筆に慣れていない方には、まずスチールのペン先で慣れてから、金のペン先に変えることをおすすめします」(諏訪さん)

 helicoのおすすめギフト万年筆

最後に、helicoの商品からギフトにおすすめの万年筆を教えてもらいました。

■1:小型のリップサイズの「シュクル」

「Rumbring Rose つるばら」シュクル万年筆画像
「Rumbring Rose つるばら」シュクル万年筆¥18,000:税別・スチールペン先

シュクル万年筆は百種類以上の色柄から選ぶことができる、小さなリップサイズの万年筆。「プレゼントではダントツで選ばれています」とのこと。ショートカートリッジ対応なので、瓶からインクを吸うといった作業も必要ないのがうれしいですね。

■2:クリップがない「Perfume/パフューム」

「First Frost 初霜」パフューム万年筆(シガータイプ)画像
「First Frost 初霜」パフューム万年筆(シガータイプ)¥31,000:税別・スチールペン先

シュクルを一般のペンサイズに大きくしたシリーズ。クリップがないシンプルなデザインが女性に人気だそう。中にコンバーターと呼ばれる吸引器が入っているので、好きなインクの色を選んで使うことができます。 

■3:八角形の「ダイヤモンドアイズ」

「Endress Summer 終わらない夏」 ダイヤモンドアイズ万年筆画像
「Endress Summer 終わらない夏」ダイヤモンドアイズ万年筆 ¥45,000:税別・スチールペン先

八角形の形をした万年筆のシリーズ。見る角度によって輝きが異なる美しいペンです。「まさに技術の見せどころです(笑)。ワンランク上の贈り物におすすめです」(諏訪さん)。

文房具好きに限らず、お世話になっている人の記念日やお祝いに贈りたい万年筆。多彩な軸デザインに加え、ペン先やインクといった細部までこだわることで、オリジナルのギフトをつくることもできます。

数ある商品の中から、贈る相手に長く使ってもらえる1本を、ぜひ探し出してみてくださいね。

問い合わせ先

<2019年の出店イベント情報>

  • Color Session 名古屋イベント 9月1日のみ
  • 東京インターナショナルペンショー 10月5日、6日
  • 台湾(台南)ペンショー 10月26日、27日
  • NAGASAWA梅田茶屋町店 万年筆サミット 12月初旬
  • ※主にイベント出展での展示販売。Twitterやインスタグラムでも販売可能な作品を紹介しています。
この記事の執筆者
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WRITING :
ミノシマタカコ