近年は、ホテルや旅館のほか、一棟貸切型の宿泊スタイルも需要が増してきているのをご存知ですか?

一棟貸切型とは、客室ではなく一棟をまるごと貸し切り、利用するスタイル。多くの場合、自炊できるキッチンがあったり、バーベキューができる庭があったりと、まるで別荘暮らしのような滞在ができるのが特徴です。

でも、これまでのホテルや旅館に慣れていると、一棟貸切型の宿泊施設をいざ利用する際に、思わぬ落とし穴にはまってしまうことも。

そんな一棟貸切型の落とし穴を防ぎ、思う存分楽しむためのポイントを、一棟貸切型ステイの販売を行う2社、コテージ貸別荘・コンドミニアム専門サイト ICUネットと楽天LIFULL STAY(ライフルステイ)の担当者に教わりました。

ICUネット担当者がアドバイス!一棟貸切型宿泊の落とし穴とは?

一棟貸切型宿泊の落とし穴とは?
一棟貸切型宿泊の落とし穴とは?

まずは、コテージ貸別荘・コンドミニアム専門サイト ICUネットの担当者に一棟貸し切り宿泊施設に泊まるときの落とし穴を教えていただきました。

■1:宿泊人数と料金設定の落とし穴

「一棟貸切型は、人数が比較的自由というメリットがある反面、建物ごとに人数制限があるのが一般的。6人と10人では寝具の用意数も変わってくるので、最大・最小人数は事前に確認しておきましょう。

料金設定にも注意。例えば、10名用建物を予約した建物の最小料金が8名料金からしか設定が無い場合、当日、宿泊するのが6名になってしまったとすると、ひとり当たりが割高になってしまいます。宿泊人数が6~10名であれば、6名ならいくら、8名ならいくら、10名ならいくら、などと網羅する料金設定の施設を選ぶのをおすすめします」

■2:間取りの落とし穴

「社員旅行やちょっと距離感のある人との滞在では、寝室の数や扉が閉まるのか、仕切りだけなのか、なども事前に確認しておくと、快適に過ごせます。

ベッドなのか布団なのか、によっても滞在性は異なります。みんなで修学旅行みたいにざっくばらんにステイしたいときは、布団なら人数の割り振りもわりと自由。ベッドだと容易に動かすことはできませんので、寝室分けが必要になります」

■3:アクセス・周辺環境の落とし穴

「一棟貸切は、リゾート地が多く、車での移動が必須となることがほとんど。駐車場の有無や何台まで置けるか、事前確認も重要です。

また周辺環境も確認しておくといいですね。“ポツンと一軒屋”的な立地であれば、それほど周囲を気にせずに楽しめますが、一棟貸切とはいえ、すぐ近くに民家や別の建物がある場合は夜まで屋外での大騒ぎは禁止していることがほとんどです」

■4:楽しみ方の落とし穴

「ハメを外したくなるのはわかりますが、大騒ぎのパーティーはどの施設もご法度。また退室時は汚しっぱなし、やりっぱなしはNG。借りたときの形で返す、というのが基本です。マナーとルールを守った滞在者が増えることが、良質な施設を増やす原動力にもなります」

一棟貸切宿泊施設を存分に楽しむためのポイント

(画像はイメージ)
(画像はイメージ)

続いてICUネットの担当者に、一棟貸切宿泊施設を存分に楽しむためのポイントを教えていただきました。

■1:下調べを入念に!

「ホテルなどの管理下に置かれた施設とは異なり、自分たちのプロデュースでいかようにも旅を演出できます。その分、下調べを入念に」

■2:その土地を楽しむ

「リゾート地の森の中や温泉地などに多い一棟貸切型。都会とは異なる空気感や、鳥のさえずり、森の木々のさざめきなどもぜひ感じてください。自炊の食材を近くで購入するなら、地元の人との交流も楽しめるといいですね」

■3:普段できないことを楽しむ!

「大人数だからこそできることがあります。BBQ設備ではひとりではなかなかつくらないお料理にも挑戦できます。BBQだけでなく、バームクーヘンを焼いている人もいますし、屋外で本格流しそうめんをやっている人もいます。

普段家でつくり置きしているフルーツビネガーなど、自作の物を皆にふるまってみたり、自宅で育てている食物をBBQ食材にしてみたり、手づくりお菓子をデザートに持ち寄ってみたり。ひとりではできないことができる機会を楽しみましょう」

準備しておきたいグッズとは?

一棟貸切型の宿泊施設で自炊をする場合、このようなグッズを準備しておくとよいそうです。ICUネットの担当者のアドバイスをぜひ参考にしましょう!

■1:消耗品

「リゾート地の一棟貸し貸別荘などであれば、バーベキュー設備が整っていることが多いです。ただ、消耗品は用意されていないことがほとんど。ラップなどは屋外に食材を持ち出し、しばらく放置時間があるときなどには虫などをブロックするのにあると便利です。

ペーパータオルや紙皿・紙コップなどの使い捨て容器も。通常の食器は用意されていることがほとんどですが、使用後に洗ったりするのがちょっと面倒な場合もあります。使い捨て容器なら洗う時間を短縮できます。

紙皿ではせっかくのBBQもちょっと味気ないな、という場合は、大皿だけお気に入りのものを持ち込んだりするのもいいですね」

■2:食材・調味料

「食材も用意が必要です。調味料も衛生面から、用意していない施設がほとんど。時間がないときは現地近くのスーパーなどで調達することになりますが、小さいサイズはなかなか置いてなく、到底使い切れず、無駄になります。コンビニに売っている小さいサイズを事前に入手しておくのがおすすめです」

■3:クーラーボックス

「冷蔵庫がたいてい完備されているのが一棟貸切型の便利なところではありますが、BBQスペースとリビングが離れている場合は、クーラーボックスなどもあると便利。建物に戻って冷蔵庫にわざわざ冷たいビールを取りに行くより、その場で冷たいビールをさっと取り出せます」

■4:こだわりの調理器具

「自炊用の設備は各宿で異なりますが、通常、家庭にある包丁・まな板・鍋・食器・カトラリーなどの調理器具はほとんど用意がされています。“知らないで全部持って行ったけど、全部あって無駄になった”、というお声もいただいていますので、気になるものは確認したほうがいいですね。BBQをするならダッチオーブンやこだわりのBBQセットなども持込可能な施設があります」

ICUネットがおすすめする宿泊施設2選!

一棟貸切型宿泊施設の参考に、ICUネットがおすすめする宿泊施設をチェックしておきましょう。

■1:「伊豆002」(静岡県・中伊豆)

「伊豆002」
「伊豆002」

温泉付き。おすすめは10名から20名で貸し切れる大型棟。高い天井に吹き抜けのある瀟洒な山小屋風のつくり。こだわりの照明や天井から床までの全面ガラス窓からは周辺の山々を望める。建物内には岩風呂温泉が付いており、貸切でいつでも温泉浴が楽しめます。

周辺は伊豆の観光名所にも出やすい好立地。自炊するなら、ここでしか手に入らない地産地消のブランド牛“伊豆牛”のBBQがおすすめ。

■2:「東京100」(東京・日本橋)

「東京100」
「東京100」

一戸建て貸切ではないものの、最上階のワンフロアを貸切で利用可能。大人女子会に好評な8名まで一緒に泊まれる部屋は約80平米。最寄り駅から徒歩1~2分で都内どこへ行くにもアクセス良好。和室の雪見障子を上げるとライトアップされた石庭が見えます。

おしゃれな特注キッチンには食洗器付きで自炊もラクラク。自炊のほか、ケータリングをしている人も。

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楽天LIFULL STAY担当者がアドバイス!一棟貸切型の宿泊を楽しむポイント

一棟貸切型の宿泊を楽しむポイント
一棟貸切型の宿泊を楽しむポイント

続いては、楽天ライフルステイの担当者に、一棟貸切型の宿泊施設を楽しむポイントをアドバイスいただきました。

■1:早めの予約を

「一棟貸切の宿泊施設は総戸数が少ないことも考えられますので、ギリギリの日程での予約だと空きが無い可能性も。お気に入りを見つけたら早めの予約をおすすめします」

■2:アメニティーや設備の事前確認を

「どんなアメニティーや設備が付いているかで、荷物の準備や当日の荷物の大きさにも響きます。シャンプーや歯ブラシ、洗濯機に冷蔵庫、また車で行くのであれば駐車場など、自分が希望するものがそろっているか事前に確認することをおすすめします」

■3:平米数や部屋数を確認

「『一棟』とひと口に言っても平米数はそれぞれですので、事前に平米数や部屋数を確認し、泊まる人数でゆったりできるスペースがあるかどうか確認しましょう」

■4:連泊しながらゆっくり滞在がおすすめ

「宿泊費を抑える目的で1泊利用、というのもよいですが、一棟貸切型は別荘感覚で使えるため、バケーション先として連泊しながらゆったり滞在するのがおすすめです。特に小さなお子様がいる場合は、周りを気にしたり、ほかのお客様に気兼ねしたりすることなく、自宅のように過ごせます」

■5:セキュリティー視点で選ぶ

「ホテルや旅館とは違ったプライベートな空間を楽しめる一方で、セキュリティーなど安全面が気になる方は、どのようなセキュリティーがあるのかという視点でも宿泊施設を選ぶと、当日、心置きなく安心して過ごせます」

自炊する場合の準備

自炊をする場合、どんな準備をしておけばよいでしょうか?

■1:最寄りのスーパーの場所の確認

「食材を買えるように、また地元産の食材や地酒など、その土地ならではの物が買える場所の下調べをしておくといいですね」

■2:食材や調味料リストの事前共有

「グループ旅の場合は、それぞれ持ち寄る食材や調味料リストを事前に情報共有しておくと、無駄なかぶりをなくすことができます」

■3:フライパンなどで手軽につくれるレシピの準備を

「調理器具が用意されている場合も、最低限の器具である可能性があるので、フライパンなどで手軽につくれるレシピの準備をしておくといいと思います」

楽天LIFULL STAYがおすすめする宿泊施設2選

楽天ライフルステイでは、どんな一棟貸切型の宿泊施設がおすすめなのでしょうか。参考にこの2施設をチェックしておきましょう。

■1:宿坊「和空三井寺」(滋賀県・大津市)

宿坊「和空三井寺」
宿坊「和空三井寺」

三井寺境内の僧坊を改装した宿坊「和空三井寺」を一棟丸ごと貸し切りできる場所。1日1組(2~4名)朝食付きで利用でき、夕食は、老舗名店出張料理など要相談で対応可能です。

「山伏」「坐禅」「写経」「腕輪念珠(ビーズブレスレット)づくり」などの各種体験もできます。

■2:Rakuten STAY VILLA 宮古島 前浜ビーチ(沖縄県・宮古島市)

Rakuten STAY VILLA 宮古島 前浜ビーチ
Rakuten STAY VILLA 宮古島 前浜ビーチ

コンテナ建築を取り入れた、新しいタイプの宿泊施設「Rakuten STAY VILLA」の1号店。VILLA 宮古島では、一棟につき1組限定・最大5名で宿泊でき、ホテル宿泊とはひと味違うプライベート空間を堪能できます。

与那覇前浜ビーチまで車で約3分、ヴィラの贅沢で優雅な雰囲気、本格的なBBQグリルのあるアウトドアデッキ、温かみのあるウッド調インテリア、ダブルベッド2台とソファベッド1台でゆったり滞在できるのも魅力です。

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一棟貸切型は、ホテルや旅館での滞在とも、キャンプとも違う、楽しみ方があるようです。ぜひアドバイスを参考に、秋冬に向けて、貴重な滞在を計画してみてはいかがでしょうか。

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
石原亜香利