人生を重ねた大人の女性だからこそ見えてくる、豊かな暮らしとは?を、Precious編集部が総力取材。計7名のお宅を取材した中の、4人目。パリ在住の総合美容薬局「ビュリー」のオーナー、ヴィクトワール・ドゥ・タイヤックさんの自宅をご紹介します。

ヴィクトワール・ドゥ・タイヤックさんの「色と遊び心いっぱいの家」を拝見

ヴィクトワール・ドゥ・タイヤックさん
「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー」オーナー
(Victoire de Taillac)パリのブティック「コレット」のプレスとして活躍後、自身のPRオフィスをもち、姉のジュエリーブランド「マリーエレーヌ ドゥ タイヤック」のPRを担当。美容雑誌『Corpus』も創刊。夫、ラムダン・トゥアミ氏と19世紀のパリの総合美容薬局「ビュリー」の再生プロジェクトに携わり、オリジナルプロダクツとともに復刻させた。

ヴィクトワール・ドゥ・タイヤックさんのHouse DATA

間取り…5部屋+キッチン+バスルーム 家族構成 …5人(夫と子供3人)、犬2匹 住み始めて何年? …7年

「家づくりで大切なのは、『大好きなもの』すべてが自分たちらしく調和してハーモニーを奏でること」

パリ発の総合美容専門店「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー」のオーナー、ヴィクトワール・ドゥ・タイヤックさんは、モード一家に生まれ、パリ・ビューティ界のキーパーソンとしても知られる女性。

ともに「ビュリー」に携わるアーティスティック・ディレクターの夫ラムダン・トゥアミさんとともに、新たなプロジェクトに携わるたび、パリからモロッコ、インド、ニューヨーク…へと引っ越しを重ね、2017年に「ビュリー」を東京にオープンさせるために、家族で日本に移り住んだあとは、再びパリに拠点を構えています。

ヴィクトワールさんが今、夫と3人の子供たちと暮らすのは、パリ7区のクラシックなアパルトマン。リビングの窓やテラスからは、大きな空とエッフェル塔の風景が広がる、絶好の場所にあります。

■1:寝室はエスニックな雰囲気

エスニックな雰囲気の夫婦の寝室にも花が飾られて。ベッドはモロッコのタンジェに住んでいたときに購入したアンティーク。
エスニックな雰囲気の夫婦の寝室にも花が飾られて。ベッドはモロッコのタンジェに住んでいたときに購入したアンティーク。

寝室のベッドはモロッコのタンジェで、ゴールドのパネルはインドで…と、この家には、世界を巡りながら暮らしてきたヴィクトワールさんの『大好きなもの』が集結。さまざまなテイストがミックスされ、ハーモニーを奏でています。

夫ラムダンさんが集めたオブジェのコーナー。石膏はイル・ド・フランスのアルクイユで手に入れたもの、彫刻は現代アーティスト、フィリップ・パレーノのもの…と新旧ミックス。
夫ラムダンさんが集めたオブジェのコーナー。石膏はイル・ド・フランスのアルクイユで手に入れたもの、彫刻は現代アーティスト、フィリップ・パレーノのもの…と新旧ミックス。
家に花は欠かさない。摘みたてのフレッシュさをそのままに生けるのが好き。
家に花は欠かさない。摘みたてのフレッシュさをそのままに生けるのが好き。
友人のアーティストが描いた家族の肖像。
友人のアーティストが描いた家族の肖像。

■2:カラフルなソファや、お気に入りアイテムが混じったアートなリビング

リビングをはじめすべての部屋は、「なに風」と限定されることなどない、フランス、モロッコ、インド、アメリカ…で出合った「お気に入りが入り混じった空間」と、ヴィクトワールさんは言います。

「家は家族がくつろぐための場所。家づくりで大切なのは、全体のトーンや家具、アートなどすべてが自分たちらしく調和していることだと思う。実は今は、好きなものが集まりすぎて、2軒分くらいの物があるのだけれど(笑)」。

リビングには、カラフルなベロアでカバーリングしたソファが。色とりどりの八角形のソファは夫がデザインし、東京の家で愛用していたもの。
リビングには、カラフルなベロアでカバーリングしたソファが。色とりどりの八角形のソファは夫がデザインし、東京の家で愛用していたもの。
リビングの一角にある、夫婦で集めてきたオブジェのコーナー。鏡はパリで購入したアンティーク。
リビングの一角にある、夫婦で集めてきたオブジェのコーナー。鏡はパリで購入したアンティーク。

「心地いい光の入るバスルームと、季節の花々が咲くバルコニーで過ごす穏やかな時間がお気に入りです」

バスルームで遊ぶ、ヴィクトワールさんと愛犬。
バスルームで遊ぶ、ヴィクトワールさんと愛犬。

■3:空とエッフェル塔が望める、バスルーム&バルコニー

この美しく楽しい家に住んで7年(間に日本にも1年滞在)。遊び心と異国情緒に満ちたチャーミングな家は、まるでヴィクトワールさん自身のよう。

そしてこの家が素敵なのは、常に進化していること。「家づくりに終わりはないと思う。もっと心地よくなるように…と、毎年変化させるの。今は、リビングにカーテンをつけることを計画中です」

ヴィクトワールさんが大好きな場所、バスルーム。赤系のラグはモロッコで、洗面台下のランドリーボックスはニューヨーク・ブリムフィールドのフリーマーケットで購入。
ヴィクトワールさんが大好きな場所、バスルーム。赤系のラグはモロッコで、洗面台下のランドリーボックスはニューヨーク・ブリムフィールドのフリーマーケットで購入。
バスルームには、愛用する「ビュリー」のスキンケアが並ぶ。19世紀風のドローイングのラベルがボトルを彩るコスメは、美しいアクセントに。ほかにも、ニューヨーク・ブルックリンで出合ったピンクのフラワーベースや韓国で購入した銅のゴブレットなどが。
バスルームには、愛用する「ビュリー」のスキンケアが並ぶ。19世紀風のドローイングのラベルがボトルを彩るコスメは、美しいアクセントに。ほかにも、ニューヨーク・ブルックリンで出合ったピンクのフラワーベースや韓国で購入した銅のゴブレットなどが。
季節の花々が咲くバルコニーには、イギリスのウェブサイトで見つけたガーデン用のテーブル&椅子が。
季節の花々が咲くバルコニーには、イギリスのウェブサイトで見つけたガーデン用のテーブル&椅子が。

パリのマダム流、今すぐ取り入れられるインテリアのヒント

愛すべき名作椅子は、ひとつずつ集めていくのが素敵

ヴィクトワール・ドゥ・タイヤックさんの美しく暮らすヒント
ヴィクトワール・ドゥ・タイヤックさんの美しく暮らすヒント

夫のラムダンさんが南仏で手に入れた最愛の椅子、ジャン・ヌレのラウンジチェアやミッドセンチュリーの椅子…ヴィクトワールさんの家には名作椅子がいくつもあるけれど、どれもが1脚ずつ。

「本当に気に入ったものだけを少しずつ集めたいから」と、ヴィクトワールさん。椅子はすべてそろえるのでなく、最愛のものだけを集めてコーナーにすると、楽しげな空間が演出できる。

PHOTO :
村松史郎
EDIT&WRITING :
田中美保、川村有布子、古里典子(Precious)
取材 :
粟野真理子