人それぞれに考え方が異なり、多彩なファッションを楽しむように、「どう暮らすか?」も千差万別ですよね。住まう部屋は生き方の鏡そのもの。人生経験を重ねてきた大人の女性だからこそ見えてくる、豊かな暮らしを総力取材しました。

計7名のお宅を取材した中の6人目は、著名なファッションデザイナー、トリー・バーチさんのニューヨークの邸宅です。

トリー・バーチさんの「ミックスを楽しむ家」を拝見

トリー・バーチさん
トリー・バーチ会長/クリエイティブ オフィサー
(Tory Burch)自身のファッションスタイルや感性を表現した、今年15年目を迎えた人気のブランド、トリー・バーチ〟の会長兼クリエイティブ オフィサー。経営者、母、慈善家とさまざまな顔をもつ。写真は、スタンダードプードルの愛犬ルルと。

トリー・バーチさんのHouse DATA

間取り…非公開 家族構成 …夫と子供、犬1匹 住み始めて何年? …10年

「元々あった家を自分らしくつくり替えることに楽しさを感じます。歴史のある家には物語がある。新たな章を書き加える感覚」

ファッションデザイナーのトリー・バーチさんが「家族と暮らす、最も幸せな場所」と呼ぶ家は、N.Y.サウスハンプトンのなかでもラグジュアリーな地区として知られるウェスタリーにある、1929年建造のジョージアン様式の大邸宅です。

■1:チェッカーパターンの「玄関ホール」

黒と白のチェッカーパターンの床にひと目惚れした玄関ホール。©Francois Halard/Trunk Archive
黒と白のチェッカーパターンの床にひと目惚れした玄関ホール。©Francois Halard/Trunk Archive

「2009年に購入して以来、ここで暮らしていますが、最近になってようやく完成しつつあると感じています」

私邸のリノベーションも、全店舗の内装デザインを任せる建築家ダニエル・ロムアルデスと手がけたそう。

■2:古いものと新しいものがMIXされた「ダイニングルーム」や「ゲストルーム」

ハンドペイントのタイルを巧みに用いた壁紙が美しいダイニングルーム。
ハンドペイントのタイルを巧みに用いた壁紙が美しいダイニングルーム。
 ゲストルームもさまざまな時代やスタイルをミックスしたトリーさんらしい美意識にあふれた空間。「完璧にマッチしていないインテリアが気に入っています」©Noa Griffel for Tory Burch
 ゲストルームもさまざまな時代やスタイルをミックスしたトリーさんらしい美意識にあふれた空間。「完璧にマッチしていないインテリアが気に入っています」©Noa Griffel for Tory Burch

「彼も私も、古いものと新しいもの、高価なものと手ごろなものを自由にミックスするのが好き。家具や装飾は、両親から譲り受けたものや友人からのギフト、旅先やオークションで出合った掘り出しもの、近所の蚤の市で見つけたオブジェなどです。この家の以前のオーナーが置いていったラグや鏡もリペアして使っているんですよ。ストーリーのあるものに惹かれます」

■3:お花で満ちた広大な「庭」

7エーカーの広大な庭は、夫や子供たちと楽しむテニスコートやプール、パビリオンを擁する。©Noa Griffel for Tory Burch
7エーカーの広大な庭は、夫や子供たちと楽しむテニスコートやプール、パビリオンを擁する。©Noa Griffel for Tory Burch
花は外壁のレンガに映える白とペールピンクのローズを選び、低木に沿って紫のサルビアを植栽。©Noa Griffel for Tory Burch
花は外壁のレンガに映える白とペールピンクのローズを選び、低木に沿って紫のサルビアを植栽。©Noa Griffel for Tory Burch
至福の時間だというテラスでの朝食。愛犬と一緒に座り、新聞に目を通し、メールをチェックして1日の計画を立てる。©Noa Griffel for Tory Burch
至福の時間だというテラスでの朝食。愛犬と一緒に座り、新聞に目を通し、メールをチェックして1日の計画を立てる。©Noa Griffel for Tory Burch

今の関心事は畑、と言うトリーさん。「毎朝、ウェリントンブーツを履いて庭の畑に出ます。雑草を抜き、ランチやディナーの材料を調達。今年は特にトマトが素晴らしい出来栄えです」


トリー・バーチ流、今すぐ取り入れられるインテリアのヒント

目の高さにつくる華やかなディスプレイコーナー

トリー・バーチさんの美しく暮らすヒント©Noa Griffel for Tory Burch
トリー・バーチさんの美しく暮らすヒント©Noa Griffel for Tory Burch

トリーさんの家には、マントルピースやコンソールテーブルのディスプレイと壁紙のハーモニーで魅せるコーナーがいたるところに。

「トプカプ宮殿のイズニックタイルを思わせるようなブルー基調の壁紙に、ランプやスタンドを左右対称に配置。オブジェは、旅行先のモロッコやインド、中国などの蚤の市で見つけたもので、世界中のさまざまなスタイルをミックスさせるのが好きです」

EDIT&WRITING :
田中美保、下村葉月、古里典子(Precious)