時間はあるけれどお金がない、お金はあるけれど時間がない……多くの人が、このいずれかの悩みを抱えているのではないでしょうか? しかし、なかにはお金も時間も手に入れている人もいます。では、どうしてこのような差が生まれるのか、真剣に考えたことはありますか?

「お金も時間ももっているのは、生まれながらのお金持ちか、ごく一部の天才だけ」と思ってしまうかもしれません。が、『なぜ、あの人は「お金」にも「時間」にも余裕があるのか?』の著者である岡崎かつひろさんは、「お金と働き方についてしっかり学べば、誰でも経済的・時間的自由を手に入れられる」と言います。

お金にも時間にも余裕のある経済的自由人と、そうでない人の差は、働き方の違い。前者は不労所得と呼ばれる「仕組みから得られる収入」を中心とした仕事の仕方をしていますが、後者は従業員として働いて給料をもらっています。

もちろん、どちらのほうが正しい、ということはありませんが、お金と時間に縛られずに生きるためには、長時間働いて給料をもらうという働き方に、固執しないことが大事です。

以下で紹介する、お金と時間を手に入れるための考え方を参考に、経済的・時間的自由を手に入れるための第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?

真似すれば富裕層の仲間入り!お金と時間を手に入れるための考え方5選

■1:「先にお金が出ていく=損」という思考を捨てる

投資や自己投資にお金を出し渋ると収入は増えません。
投資や自己投資にお金を出し渋ると収入は増えません。

貯金額が増えていくのを見ると、うれしくなりますよね。そのために無駄遣いを極力減らすのは、お金を増やすうえで大切なことです。ところが、貯金額を増やすことが目的になってしまい、「お金を払う=損」と考えてしまうのは困りものだと、岡崎さんは指摘します。

「何かを経験したり、新しい知識を身につけたり、自己投資をするためには、先にお金を支払う必要があることが多いです。例えば、学校に行くのも、資格を取るのも、お金を支払うのが先。

経済的・時間的自由人は、投資にお金を使いますが、投資も先払いが当たり前です。先にお金が出ていく=損をしている、ととらえているうちは、大きく得ていくことはできません」(岡崎さん)

無駄遣いをせず、貯金をすることはもちろん大事ですが、稼げる自分になるために必要な自己投資のお金を出し渋っていると、収入を大きく増やすことが難しくなります。貯金が趣味、という方は要注意です。

■2:お金は効果性で判断して使う

お金がない人によく見られる特徴のひとつは、浪費が多いこと。お金持ちは浪費をしませんが、必要とあれば惜しみなくお金を使います。お金をたくさん使うという点は同じでも、効果的なお金の使い方ができているかどうかで、大きな差が生まれるのです。

「経済的に自由になりたいのなら、お金を使うときにまず考えなければならないのは、効果性。つまり、自分にとって価値があるのか、まわりの人が喜んでくれるのか、自分の成長につながっているのかを考えてお金を使うということです。

例えば、バーゲンセールが好きな人は、安いからという理由だけで不必要なものを買ってしまう傾向があります。経済的に豊かな人たちの場合、将来的にプラスにならないものには、たとえ1円でも使いませんが、プラスになるのであれば、いくらでも使うことを惜しみません」(岡崎さん)

浪費癖は、その人の財布や鞄の中身、部屋の中、冷蔵庫などを見ればわかります。「もしかしたら使うかもしれない」と思いつつ、結局使わないものを溜め込んでしまうのは、浪費癖がある証拠。

買い物をするときは、安いかどうかではなく、それが本当に必要なのかどうかで判断しましょう。

■3:経験のためにお金と時間を使う

お金? 経験? 時間?
お金? 経験? 時間?

いまのあなたにとって、お金、時間、経験のうち、どれがいちばん大事でしょうか? この問いに対する答えは、その人のいまの状態や置かれている状況によって変わりますし、どれが大事かによって優劣があるわけでもありません。

しかし、経済的・時間的自由人を目指すなら、お金よりも時間を大事にする必要があります。なぜなら、収入(不労所得)を得られる仕組みをつくるためには、時間がかかるから。そして、その仕組みを手に入れるためには、相応の経験や自己投資が必要なのです。

「経済的・時間的自由人を目指すためには、まず成長のためにお金と時間を使い、稼げる自分になることが最優先。本を読んだり、セミナーに参加したり、自分にとってプラスになる人と付き合ったり……学びや経験を積むためにお金と時間を使いましょう。

時間がなければ、何もすることはできません。その時間をつくるために、お金を使うことも時には必要です。例えば、勤務地から離れた場所に住んでいる人は、会社のすぐ近くに引っ越すことで通勤時間を減らせます。多少お金が余計にかかるとしても、自己投資に使う時間を捻出するためなら、価値のあるお金の使い方だと言えるでしょう」(岡崎さん)

お金を節約するために時間を余計に使うということは、時間よりもお金を大事にしているということ。時間がなければ、それだけ経験を積むのは難しくなります。自分にとって必要な経験を積んで成長するためには、お金を使って時間をつくるのも手です。

■4:判断基準をお金ではなく別の基準にする

相手の気持ちや自分にとっての価値などを基準にすることが大切です。
相手の気持ちや自分にとっての価値などを基準にすることが大切です。

誰か大切な人と飲食店で食事をしたとき、「もう少し安いお店がいいな」と思うこともありますよね。しかし、それは物事をお金で判断しているから。大切な人のことを思うなら、その人と過ごすのにふさわしい場所を選びたいところです。

「経済的に自由な人は、物事の判断基準がお金ではありません。例えば、飲食店を選ぶときは、恋人とのデートでは素敵なホテルのレストラン、友人との再会を祝うならBAR、気の合う仲間とワイワイ飲むなら気楽な居酒屋など。金額の問題ではなく、その人との関係からどこを選ぶかが大事なのです。

これはものを買うときも同じ。ブランドだから買うのではなく、本当に欲しいから買うのです。オフィスや住む場所も、自分にとって最も価値があるところを選んでいます」(岡崎さん)

知らず知らずのうちに、お金を基準に物事を判断してしまいがちですが、その事実に気がつくだけで、ほかの基準で判断することもできるようになるはず。金額だけで判断せず、どうすればもっと喜んでもらえるか、どうすればもっと仕事がしやすいか……と考える習慣を身につけたいですね。

■5:お金を生み出さないものは、すべて負債と考える

家や車は、実は大きな負債かも!?
家や車は、実は大きな負債かも!?

経済的・時間的自由人を目指して経験を積み、いざ不労所得を得るための仕組みをつくるとなると、投資として大きなお金を動かす機会が生じます。投資にリターンの保証はなく、かといって保証を求めすぎると大きなリターンは得られません。このように、投資にはリスクが付きものであることを理解しておく必要があります。

不労所得のなかに不動産投資という選択肢がありますが、手を出す前にきちんと調べることが必須。投資と思って買ったものの、収入よりも税金やローンなどの出費のほうが大きく、実際には負債だった、ということも……。

「家や車などを資産だと思っている人もいらっしゃいますが、実際には支出のほうが大きい負債であることがほとんど。やっとの思いでローンを支払い終わったころには、大した価値が残っていないことも多いです。家や車をもっていても、お金が出ていくだけなら負債だと考えましょう。

金融資産とはお金を生み出すもの、負債とはお金を奪うもの。家でも車でも株であっても、お金を生み出さず、口座からお金をもっていくものであれば、それは負債なのです。不動産の場合、お金を生み出さなければ固定資産税などが取られるため、もっているだけで毎年マイナスになります」(岡崎さん)

不動産や車、株のほか、身近な例ではローンや分割払いも立派な負債。欲しいものがあったとき、「ボーナス払いにすればいい」「がんばっている自分へのご褒美」などと軽く考えて、負債を抱え込んでしまわないように、注意しましょう。


経済的・時間的な自由を手に入れるには、そのための基礎づくりが欠かせません。だからこそ、稼ぐためだけに働くのではなく、学ぶために働くことも大切。焦らずに正しい知識と経験を身につければ、きっと望み通りの人生が手に入るでしょう。

岡崎かつひろさん
経営者・起業家
(おかざき かつひろ)株式会社DW代表取締役、ほか2社を有する傍ら、ビジネストレーニング事業や業務コンサルティング、飲食店経営などを展開。講演会は累積動員人数10万人を超える。著書に『自分を安売りするのは“いますぐ”やめなさい。』『言いなりの人生は“いますぐ”やめなさい。』『憂鬱な毎日は“いますぐ”やめなさい。』(いずれも、きずな出版)がある。
http://okazakikatsuhiro.com/
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
上原 純
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