私がラグビー部に入部したのは2004年、つまり、今から15年前のことです。15年前というとだいぶ昔のような気もしますが、さすがにスマホはなかったものの、ケータイで撮る写真はカラーだったし、音楽はiPodで聴く時代。今とそこまで大きく変わらない……というのは語弊がありますが、それほど大昔でもない印象です。

ラグビーには地獄の夏合宿、そして冬の公式戦がある!

彼らと過ごすうちに、少しずつ気持ちも変わっていきました

泥だらけ、汗まみれ、汚い、危ない。それがラグビー。そこに魅力を感じる女子もいるのだ。

しかし、私が入ったラグビー部には、なぜか昭和の香りが漂っていました。部員たちは「いつから着ているんだろう?」っていうぐらいのボロボロのジャージを着て、穴が空きすぎてどこから足を通したらいいかわからない靴下を履いてグラウンドに現れます。

もちろんスパイクも、先っぽがパカーンとあいていて、見るも無残な状態に。しかし彼らのすごいところは、大抵のものをビニテで直してしまうこと。ビニテでぐるぐる巻きのスパイクを履き、もはや布よりもビニテの面積の方が大きいジャージや靴下を身につけて練習に励む姿は、戦後を彷彿とさせるほどです。

また、唯一「かっこいい」と言われる先輩がいましたが、それこそ昭和のアイドルのような出で立ちで、練習が終わって私服になると、ポロシャツにデニム。やはりファッションセンスとは無縁だったようで、イケメンはイケメンでも何世代か前のイケメンのようでした。

夏場の練習は地獄でした。炎天下の練習で、部員も女子マネも共に丸焦げです。練習はフォワード組とバックス組に分かれて行うのですが、フォワードの担当になるともう最悪。いかついメンズ達が密集してスクラムの練習をするので、汗臭さが3メートル先まで匂う事態に。練習の最後はみんなで川沿いを走って終了です。

マネージャーは部員たちの最後をチャリで走るのですが、道の途中で一人、数十メートル先でまた一人と、部員が力尽きて倒れているんですね。起こして、水をあげて、ブドウ糖をあげると彼らはまた走り出すのですが、救助する側も気が気でなく、これには疲労困憊でした。

冬は公式戦が始まります。これもまた壮絶です。練習でもケガはしますが、試合となるとそのレベルも格段に上がります。捻挫なんて当たり前で、見ているこっちまで痛くなるようなひどい擦り傷や、脱臼、骨折で負傷する部員が続出。救急車が何回グラウンドに来たかわかりません。

運悪く入院するほどの重症な場合もあります。しかしそんな時には、お見舞いにバナナとエロ本を持って行くという謎の伝統があり、部員たちは甲斐甲斐しく病院に通い、見事なチーム愛を発揮します。

そして、極寒にも関わらず、代謝の良い彼らの汗臭さは変わることなく、試合後、ジャージを脱いで私服になれば「それ、夏も来てましたよね?」というポロシャツにジャケットを1枚だけ羽織った格好で飲み会に繰り出します。

このように、ラグビー部とは、どこか原始的で、年間を通して頑なに汗臭さを貫き、ファッションセンスのなさもなんら変わることなく、男同士で戯れ、汗を流すことに生きがいを感じるだいぶ変わったメンズたちの集団だということが、ラグビー部に入部してわかったことです。

講義が終わり、グラウンドに行き、ぼーっと運動部を眺めます。

サッカー部と野球部は、ジャージはカラフルだし、髪型も今っぽいし、マネージャーと仲よさそうに喋っちゃって、なんかキラキラしてるなあ。

そんなことを思いながらふと隣を見ると、ビニテでぐるぐる巻きのジャージを着た男たちが、泥だらけになって、がっちりと身を寄せ合いながら練習に励んでいる。砂埃のせいなのか、なぜかラグビー部の場所だけがセピア色に見えてきて、隣のサッカー部との間に時空の歪みを感じるレベル。

ダサい。くさい。見てるのも痛々しい。
だけど……なんかカッコイイ。

見た目なんか気にせず、ただただ強くなることに一心不乱な彼ら。ラグビー部こそ、男の中の男なのだと、彼らと一緒に過ごす日々の中で、そんなことを思うようになった私なのでした。

小松あや
1986年生まれ。もっともっとをモットーに。欲張りに生きる女磨きブロガー。東京医科歯科大学卒業後、看護師として都内の病院で8年勤務。現在はInstagramとブログで美容やライフスタイルについての情報発信をしている。『私に鞭打つ再婚ライフ』というブログを執筆中。アメーバオフィシャルブロガーであり、「再婚同士がどのように結婚ライフを楽しくしていくか?」ということをテーマに、独自の結婚観や、日々の生活での気づきを綴っている。大学時代の4年間をラグビー部のマネージャーとして過ごし、ラグビー部員の生態やメンタリティなどの人間観察をしていた。現在、当時のラグビー部員だった男性と再婚。趣味特技、再婚と採血。苦手なこと、離婚。