広島県庄原市の魅力を、現地取材を通じてお届けする連作記事、第3回です。本記事では、庄原の自然の恵みから生み出された、魅惑的な食べ物&飲み物をご紹介します。

ワイン、乳製品、パン、りんご。庄原だから手に入るもの

農業や酪農が盛んな庄原では、地元の食材を使ったさまざまな食品が手に入ります。2014年には、大阪の一流ホテルで活躍したソムリエがオープンしたワインショップ「大澤田葡萄酒店」も誕生。そこで、“ワインに合う”をキーワードに、庄原メイドのフードを探しに行ってきました。

【まずはワイン!】華麗なる経歴のソムリエによるワインショップ「大澤田葡萄酒店」

フランスやスペイン、ポルトガルでワインの勉強を重ね、大阪リーガロイヤルホテルのフレンチレストラン「シャンボール」などでソムリエとして活躍。日本最大のワインスクール「アカデミー・デュ・ヴァン」大阪校事務局長&講師としても勤務し、現在もソムリエ資格取得試験の参考書を作成されている吉川(きっかわ)直子さんが、結婚を機に引っ越してきた庄原で開いたワインショップが、この「大澤田(おぞた)葡萄酒店」です。

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吉川さんの義父が建てたという建屋をショップに。ワインショップらしからぬ、和風の内観が新鮮

ソムリエ自体がいない庄原市において、ワインショップ自体が珍しい中、吉川さんがこれまでに築いてきた縁や知識を生かし、都心でも入手困難な銘柄を多数、取り扱っています。そのため、県内や近県の都市部から買いにくるお客さんも多いそう。

そんな吉川さんに、40代・50代の女性におすすめのワインを紹介してもらいました。

「ヴォーヌロマネ プルミエ クリュ クロ パラントゥ 2016」

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「ヴォーヌロマネ プルミエ クリュ クロ パラントゥ 2016」¥188,000(税抜)

「ブルゴーニュの神様との異名を持つ醸造家アンリ・ジャイエ氏に師事し、現在のワイン造りの世界では頂点に君臨するひとりであるエマニュエル・ルジェ氏。そのルジェ氏の代表作がこちらです。ジャイエ氏に倣い、自然に育てたブドウを手摘みで収穫したワインは、果実味たっぷり」(吉川さん)。

日本には限られた数しか入ってきておらず、吉川さんだからこそラインナップできた1本と言えます。

「ゼクト・1900・ブリュット・リースリング2011」

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「ゼクト・1900・ブリュット・リースリング2011」¥5,400(税抜)

ドイツでは最高級とされている白ワインブドウ種・リースリング。

「1900年に植樹されたリースリングの果実を使って作られたスパークリングワインです。爽やかさを生み出す酸味を信条とするスパークリングワインの中でも、最高の酸味が味わえます。年に1度しか入荷しない、希少な銘柄です」(吉川さん)。

「ラングドック レゾー・ド・フルーレンス」

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左:「ラングドック レゾー・ド・フルーレンス 2017」、右:「ラングドック レゾー・ド・フルーレンス 2016」各¥1,650(税抜)

「ペトリュス」で醸造長を務めた人物が手掛けるワインで、2019年6月には伊勢神宮にも奉納されています。
「手頃な価格ですが、1万円クラスのワインと遜色ない労力をかけて造られており、味は折り紙付き」(吉川さん)。

お店に足を運べば、吉川さんとワイン談義をしながら、好みの1本を導き出してもらえる貴重な経験もできるはず。

問い合わせ先

【お次はチーズ!】自然放牧した牛やヤギのミルクを使う「三良坂フロマージュ」

ワインを入手できたら、それに合わせるチーズも欲しいもの。実は庄原は、明治時代に日本で初めて国営の種牛牧場をつくり、日本の酪農発展の礎を築いた土地。そのため、現在も酪農が盛んで、近隣には乳製品を取り扱うお店が点在しています。その1軒が庄原市の隣、三次市にある「三良坂フロマージュ」。

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乳製品=洋風のイメージを覆す、瓦屋根と筆文字の看板が印象的な外観

自然放牧した牛とヤギのミルクとを使用し、フランスとイタリアの伝統製法に則ったナチュラルチーズが人気。

人気No.1チーズは「フロマージュ・ド・みらさか」

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「フロマージュ・ド・みらさか」¥1,050(税抜)

ぜひ味わってほしいのが、柏の葉で包んだ白カビチーズ「フロマージュ・ド・みらさか」。2013年の国際チーズコンテストで銀賞を受賞し、ワインに合わせても美味。

ヤギのミルクを使った、その名も「ヤギアイス」

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「ヤギアイス ミックス」イートイン¥373、テイクアウト¥364(ともに税抜)

ドライブの合間には、ヤギのミルクで作ったソフトクリームをいただいて、エネルギーチャージするのもおすすめです。

問い合わせ先

【お次はパンを!】無添加とオーガニック食材にこだわったベーカリー「ル・サンク」

ワイン、チーズとそろったら、パンも手に入れたい。石窯で焼く自家製天然酵母パンと無添加ケーキのお店「ル・サンク」もあります。

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お店は古民家に併設されています

オーナーの長谷川氏は、東京の人気ベーカリー「ル・ヴァン」で修行後、約20年前に庄原にIターンし、「ル・サンク」をオープン。クロワッサン以外のパンは砂糖や油脂などを入れない、無添加とオーガニック食材にこだわり、遠方からのリピーターが多数いらっしゃるのだそう。

多彩にそろうハード系ブレッド

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左から:「いちじくパン」¥580、「ハードトースト」¥580、「玄米パン」¥750(すべて税抜)

「いちじくパン」はくるみを練り込んだ生地に、いちじくの甘酢っぱさが口の中に広がります。庄原産の古代米を使って作った「玄米パン」も、同店でしか味わえない逸品です。

「森のケーキ」にはドライフルーツたっぷり!

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「森のケーキ」¥1,850(税抜)

卵と砂糖を使わずに焼き上げた「森のケーキ」は、ドライフルーツそのものを食べている感覚になるほどさまざまなドライフルーツがぎっしり。ドライフルーツの甘さだけなので、くどさはなく、いくらでも食べられそう!
翌日の朝食やおやつがほしい時にぴったりのお店です。

問い合わせ先

  • ル・サンク 
    TEL:0824-88-7937
  • 営業時間/11:00~18:00(パンを焼く日は水・金・土曜、ケーキを焼く日は火曜) 
    休業日/日・月曜
    住所/広島県庄原市総領町五箇289

【デザートにはリンゴを!】県内で有名なブランドりんごを求めて「山上観光りんご園」へ

ワインを楽しんだら、デザートにりんごはいかが?

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真っ赤に熟れたりんごは、眺めているだけでも幸せな気持ちに

昼夜の寒暖差が大きな庄原は、知る人ぞ知るりんごの産地でもあります。「小奴可(おぬか)りんご」は、広島県外にはほぼ出回らず、広島市内では贈答品として利用されている高級品。

市内にはりんご狩りが楽しめるりんご園があり、「山上観光りんご園」もそのひとつ。

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さまざまな品種が実っていますが、木ごとに品種が明示されています。気になるものを食べ比べても

園内では25品種以上が育てられており、9月上旬〜11月下旬のまさに今が収穫を楽しめるシーズンです。園内では食べ放題、持ち帰りは量り売りと太っ腹なところも魅力。

アップルパイなどの加工品も販売

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左から:アップルパイ¥400、りんごジャム¥450(ともに税込)

しぼりたてのりんごジュースやアップルパイ。りんごジャムといった加工品も販売していますので、お土産にするのもオススメです。里山の思い出だけでなく、食の体験も充実させて、庄原での滞在をよりメモリアルなものにしてはいかがでしょうか。

問い合わせ先

  • 山上観光りんご園 
    TEL:08477-5-0112
  • 営業期間/9月上旬~11月下旬
    営業時間/9:00〜17:00
    入園料/大人¥600、小学生¥400円、3歳以上¥300(税込)、持ち帰り1kg¥500(税込)
    TEL/08477-5-0112
    住所/広島県庄原市東城町加谷686


以上、広島県庄原市で買い回りをしたい、ワイン・チーズ・パン・リンゴの名スポットをご紹介しました。日本の古き良き風景を眺めながら、のんびりと地元産の名物をいただき、心も体も癒す…。そんな庄原への旅に、お出かけしてみませんか?

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この記事の執筆者
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WRITING :
津島千佳
EDIT :
石原あや乃