TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSで、あなたは上司とつながっていますか?

SNSは本来、自分の思いや関心のあることを何でも気軽に投稿できるツールですが、もしも上司とつながっているのであれば、話は別。上司とのコメントのやりとりや、何気ない個人的なつぶやきで上司の不興をかわないように、社会人として節度ある振る舞いが求められます。

「特に仕事で何かやらかした心当たりはないのに、何だか最近、上司の態度が冷たいような……」という場合、もしかすると、SNSで何らかの地雷を踏んでしまったおそれも!?

そこで、今回は、コミュニケーション講師の吉井奈々さんから、上司とSNSでつながるときのNG行動を教えていただきました。

上司とSNS上でやりとりするときのNG行動3選

まずは、上司とSNS上でやりとりするときのNGから。

■1:上司に対する言葉遣いがくだけすぎるのはNG

気が緩んでつい言葉遣いが雑に…
気が緩んでつい言葉遣いが雑に…

SNSはカジュアルなツールなため、ビジネスメールとくらべて、上司に対する言葉遣いが多少はフレンドリーになるのは、ごく自然なこと。とはいえ、SNSだからといって、無礼講が許されるわけではありません。

「たとえば、自分の投稿にポジティブなコメントをくれた上司に対し、『ありがとうございまーす』と返すのはOKですが、『あざーす』まで砕けてしまうのは、いくらSNSでも許されません。

また、上司が人気レストランでの食事中に、料理の画像を投稿した場合など、『わぁ、おいしそうですね!』はアリですが、『ヤバい!』までいくと、言葉遣いが乱暴すぎます。

あとは、『草生える』、『胸熱』、『kwsk』など、ネットスラングの使用も控えたほうがいいでしょう。そもそも上司に意味が通じなかったり、たとえ通じても、馴れ馴れしい感じでよい印象を持たれなかったりするおそれがあります」(吉井さん)

■2:相手のペースに合わないスタンプを使うのはNG

スタンプの使用は相手に合わせる
スタンプの使用は相手に合わせる

上司を相手にLINEでやりとりする際、スタンプをどれくらい使ってもよいか悩む人は多いはず。吉井さんによれば、スタンプは、相手のペースに合わせた使用が望ましいとのことです。

「気心の知れた友達に対するのと同じ感覚で、上司に安易にスタンプを送るのは危険です。

たとえば、変顔やくねくねしたポーズなどの面白系のスタンプは、友達同士で使う分には場を和ませる効果があるものの、上司には意味が通じず、『俺を馬鹿にしてるのか?』と怒らせてしまうおそれがあります。

もちろん、スタンプは便利ですし、上司に対して使ってはいけないというわけではないのですが、相手の使用頻度や好きなジャンルをよく見極めることが大切です。

上司がテンポよく、しかも、ちょっとマニアックなスタンプまで使いこなしているのであれば、あなたの側もそれほど堅苦しく考える必要はありません。他方で、上司のほうからスタンプを使ってこない場合は、自分も使用を控えたほうが安全でしょう」(吉井さん)

■3:異性の上司へのコメントに「ハートマーク」をつけるのはNG

ハートマークは誤解を招く元
ハートマークは誤解を招く元

「たとえば、『先日はランチありがとうございました~♡♡♡』など、コメントにハートマークを添えるのは、異性の上司にはやめておきましょう。

ハートマークは、『俺に気がある?』という勘違いを招く元。かりに、上司自身が意に介さないとしても、タイムラインでそのコメントを目にした人が、よからぬ想像を働かせるおそれもあります。

かわいい感じにしたいなら、ハートマーク以外の音符や星、四つ葉のクローバーなどにしておくのが無難です」(吉井さん)


上司とつながっているSNSで避けるべきNG投稿3選

「SNSでつながっているといっても、私のつぶやきなんて、どうせ上司は見ていないだろう」なんて好き放題つぶやいていませんか? あなたのその書き込み、上司からしっかりチェックされていますよ!

■4:上司への悪口をにおわせるのはNG

悪口はにおわせるだけでも命取り!
悪口はにおわせるだけでも命取り!

SNSのなかでも、とりわけTwitterは、自分の思いを自由につぶやくユーザーが少なくありませんが、上司とつながっているときには、投稿内容にくれぐれも要注意です。

「上司をはっきりと名指しにして悪口を書き込む人は、さすがにいないかと思いますが、『あいつと顔を合わせるのが辛い』とか『Nの奴、むかつく!』など、匂わせ投稿はよく見かけます。

ボカしておけば大丈夫と思っているのかもしれませんが、はっきり言ってバレバレです」(吉井さん)

かりに、会社とは無関係の悪口であったとしても、上司が見れば「もしかして俺のこと?」と勘違いさせるおそれもあります。ネガティブな感情をSNSにぶちまけたい気持ちは理解できますが、人間関係をこじらせたくなければ、悪口の書き込みはやめましょう。

■5:上の世代を批判する内容を書き込んだり、シェアしたりするのはNG

どんな記事に「いいね」したかも意外と見られている
どんな記事に「いいね」したかも意外と見られている

SNSで特定の誰かに対する悪口を書き込むのはご法度ですが、上の世代全体を批判したりダメ出ししたりする投稿が、地雷となるおそれも。

「たとえば、ニュースの感想として、『最近の50代って子どもっぽい人が多くない?』とか『いるいる、こういう痛い50代!』などと書き込んだ場合、特定の上司に向けた批判ではありませんが、この書き込みを見た50代の上司は、『自分もそう思われているのかな?』と思うかもしれません。

また、ネット記事のシェアでも注意が必要です。たとえば、『リーダーシップに欠ける上司の特徴●選』というタイトルの記事をシェアした場合、本人にそのつもりはなくても、上司は『自分への当てつけか?』と悪く捉えてしまうおそれがあります」(吉井さん)

■6:愚痴や不満をうかつに書き込むのはNG

ネガティブな投稿は基本的には避けるべし
ネガティブな投稿は基本的には避けるべし

「たとえば、『今週は残業続きで疲れたー。もうウンザリ』など、本人にとっては、率直な気持ちをつぶやいただけですが、上司から見れば、あまりいい気分はしないもの。とりわけ、残業を命じた当の上司であれば、『そんなに仕事が嫌なのか』と以後、仕事を依頼しにくくなるかもしれません。

また、たとえば、休暇中に『これからリフレッシュしてきます』くらいならば問題ないのですが、気分が舞い上がって『はぁ~。仕事の憂さ晴らしになるわ~』とか『地獄のような日々と引き換え、ここは天国』など、日常を貶めるような表現になってしまうのは考えものです」(吉井さん)

たとえプライベートなアカウントであるとしても、上司から見られるおそれのあるSNSでは、原則してネガティブな投稿は控えるのが安全かもしれませんね。

最後に、吉井さんからワンポイント・アドバイスを。

「SNSでの投稿で、OKかNGかの判断に迷ったら、自分にこう問いかけてみましょう。それは、『SNSではなく、面と向かって上司にその発言ができる?』というシンプルな質問です。

相手が目に前にいることを想像するだけで、SNSでの失敗はかなり減らせると思います」(吉井さん)

SNSで上司と部下がつながると、職場ではわからないお互いのプライベートな面を垣間見ることができ、人間関係にとってプラスに作用することもあります。逆に、SNSのせいで、職場の雰囲気が悪くなってしまった……なんてことにならないように、今回ご紹介した地雷は踏まないように心がけましょう。

吉井奈々さん
一般社団法人JCMA 代表理事、コミュニケーション講師、コミュニケーションYouTuber、オトナの気くばり講座代表
(よしい なな)元男性でありながら、女性として結婚をして幸せを手に入れる。10代から水商売・ショービジネスの経営にも携わり、結婚を機に水商売を卒業し、現在はコミュニケーション講師として活躍する。日本全国の企業に呼ばれ、数多くの社員研修にて「現場で実際に使えるコミュニケーション」、スタッフの育て方、そして「自分を大切にするコミュニケーション」など教科書ではなくリアルな現場から学んだコンテンツを伝える。NHK・Eテレの教育番組「Rの法則」や、日テレ「解決ナイナイアンサー」レギュラー出演など、数多くのメディアに出演し、男女、年齢、職業問わず、数多くのクライアントの相談に応えている。毎週(水)(土)で発信しているYouTubeの映像は1日10万時間以上再生され、総再生回数は370万回を超す、コミュニケーションYouTuberとして多くの悩みに答えている。
【吉井奈々 YouTubeチャンネル】
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
中田綾美
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