自宅リビングをリフォームしたり、インテリアを一新したりしたときや、誕生日やクリスマスなどのイベント時には、自宅で大切な友人たちを招いてホームパーティーを開きたくなるもの。毎年開催するのが定番、という方もいるでしょう。

そんななかでも、欠かせないおもてなしのひとつが、ワイン。

「いつもワイン選びに自信がないのよね」「ゲストのみんなが喜んでくれるワインってどんなワイン?」などと心でつぶやいていませんか?

そこで今回は、初心者向けにホームパーティーでのワイン選びのポイントをご紹介します。

ワインに詳しい元CAで、現マナー講師として活躍する片岡かこさんに、ホームパーティーで喜ばれるワインの選び方やおすすめのワインを教わります。

キャビンアテンダント時代にも役立った!ワインの知識が会話のきっかけに!

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ワインの知識がきっかけで会話が弾むことも。

片岡さんはCA時代から、ワインにまつわる知識は、人とのコミュニケーションに役立っていたそう。ホームパーティーでもそれは有効。どんな風に役立つのでしょうか?

「機内では、お食事と一緒にワインを楽しまれるお客様も多く、CAにおすすめを聞いてくださる方もいらっしゃいました。そんなとき、私はお食事との相性をもとにおすすめをさせていただき、決めかねていらっしゃる様子でしたら、『ちなみに個人的には、こちらが好きです』と自分の好みもお伝えしていました。

そうすると『じゃあ試してみようかな』とお選びいただき、召し上がったあとにお客様の好みに合っていたかどうかお伺いするなど、コミュニケーションを取りやすくするきっかけになったものです。

ホームパーティーでも、お料理やワインについて、周りの参加者の方と会話が盛り上がると、より一層楽しい時間を過ごすことができますよ」

ワインの知識は、上質な会話を生むきっかけとなり、より相手との関係を深めてくれます。ポイントを押さえることから始めるのでも、充分です。

ホームパーティーで喜ばれるワインの選び方

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ホームパーティーに合うワインとは?

ホームパーティーのホストとして、また、ゲストとして手土産用にワインを持参する場合、参加する方に喜ばれる、ワインの選び方を教えていただきました。

ワイン選びでまず意識したいのは、お料理との相性!

「ワインを選ぶときに、特に意識したいのは、お食事との相性、マリアージュです。そのほか、パーティーのテーマや、パーティーが開催される季節などもワイン選びのヒントになります」

「私の経験をひとつお話します。今年の夏に『イタリア南部のお料理』をテーマに、友人宅でホームパーティーが開催されました。私はそのとき、夏という季節と、南イタリアを参考にして、フレッシュで果実感たっぷりの『ソーヴィニョン・ブラン』、シチリア島でつくられているパイナップルやライムの香りが感じられる『ピノ・グリージョ』などを持参しました。ホストの友人のお料理ともよく合い、気の置けない友人たちとのひとときを楽しむことができました」

まず一番は、「お料理との相性」や「パーティーのテーマ」「季節」にポイントを置くと間違いがなさそう。

出されるお料理が決まっていれば、それに合うワインを購入するお店の人に聞いてみるのもいいかもしれません。

事前にゲストやホストへヒアリングすると、よりスムーズ!

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事前ヒアリングは欠かせない

●自分がホストの場合

「参加者の方に次のことを聞いてみると、ワイン選びの参考になります」

【赤ワイン】酸味や渋みの好み
【白ワイン】酸味、樽香、甘みの好み

●自分がゲストの場合

「自分がゲストであれば、ホストの方にワインを手土産にお持ちしようと思っている旨を伝えると、ほかのゲストと重なることが防げたり、ホストのリクエストをおうかがいすることができたりするでしょう」

事前に好みや重複を聞いておくと、気の利いたセレクトができそうですね。

初心者にもおすすめのホームパーティ向きなワインの銘柄

とはいっても、初心者にとってワイン選びはとっても大変。ということで、ホームパーティーに合うワインの銘柄を白ワイン、赤ワインそれぞれで教えていただきました。

1:クラウディ・ベイ「ソーヴィニヨン・ブラン」(白ワイン)

「ニュージーランドはマールボロでつくられたブドウ、ソーヴィニョン・ブランを一躍有名にしたクラウディ・ベイ。涼しげな酸と爽やかな果実味が特徴です」

2:グイドボーノ「バローロ ル・コステ・ディ・モンフォルテ」(赤ワイン)

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グイドボーノ「バローロ ル・コステ・ディ・モンフォルテ」¥5,800(税抜)

「冬のパーティー料理で供されることが多く、煮込み料理などにもよく合う、コスパのよいイタリア産ワイン、バローロなので、おすすめです」

3:ラ・シャブリジェンヌ「シャブリ ラ・ピエレレ」(白ワイン)

「フランスのシャブリ地区の土壌の特性をよく感じられる、クラシカルなシャブリ・ワイン。牡蠣はもちろん、魚介のマリネなどに合うので、シーフードの前菜などと一緒にいただきたいワインです」

4:ラ・クレマ「モントレー・ピノ・ノワール」(赤ワイン)

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ラ・クレマ「モントレー・ピノ・ノワール」¥3,800(税抜)

「ジューシーさとスパイシーさが調和し、複雑な香りが感じられるエレガントなワインです」

片岡さんいわく、どれもホームパーティーにふさわしいレベル感と、パーティー料理に合う味わいなので、おすすめだそうですよ。

甘口、辛口、赤、白、ロゼ、スパークリング…出す順番は?

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タイミングと順番も重要

お料理によって合うものが変わるワイン。どんなタイミング、順番で出すのがいいのでしょうか? 種類ごとに教えていただきましょう。

「ご存知のように、白でも赤でも、軽めのもの、重めのものがあります。数種類のワインを楽しむ場合、次の順番にすると、お料理とも合いやすくおいしくいただくことができます」

1.食前酒の辛口のスパークリングワイン
2.軽めの白ワイン
3.重めの白ワイン
4.軽めの赤ワイン
5.重めの赤ワイン
6.甘口のワイン

「ちなみにロゼは、その色が可愛く、ホームパーティーでいただきたいと思われる女性も多いかもしれません。でも、ロゼワインは辛口から甘口、発泡性やデザートワインなど種類が多く、実はむずかしいワインです。

もし利用するなら、例えば庭先に咲いた桜を鑑賞しながらの、春のホームパーティーの際に『桜をイメージしてロゼワインを選んでみました』というように、雰囲気を盛り上げるために使うとよいのではないでしょうか」


ホームパーティーを盛り上げ、会話を弾ませるのに一役買うワイン。

今回教えてもらったのは、ほんの入り口。ホームパーティーをきっかけに、ワインへの学びを深めていくのも素敵です。

片岡かこさん
マナー講師
(かたおか かこ)大学卒業後、ANAの客室乗務員として約6年間乗務。国内外の1000人以上のVIPのお客様をはじめ、様々な世代や国籍のお客様へのサービスを行った経験から、現在はマナー講師として講座を主宰し、「女性が自分を好きになり、自信を持って生きていく」お手伝いをしている。マナーライターとしても活動。ソムリエ資格を持ちメディア掲載、執筆実績も多数。https://kakokataoka.amebaownd.com/

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PHOTO :
ENOTECA online
WRITING :
石原亜香利
EDIT :
安念美和子、榊原淳