名門ブルーノート・レコードからデビューした若き天才ヴィブラフォン奏者が、自身のユニットでブルーノート東京に登場。11月のライヴ・スケジュールにその名が挙がったのが、ジョエル・ロスだ。

 ロスがヴィブラフォンの演奏を始めたのは14歳ごろ。それ以前は、教会の集会で主にドラムを叩いていたという。ドラムは3歳から始めたという情報があるから、リズム感については天賦の才の持ち主なのだろう。

新たなジャズ・シーンを牽引していく可能性を秘めたアーティスト

ジョエル・ロス

 ちなみに、ヴィブラフォンは楽器の分類でいえば「音板打楽器」。同じ打楽器つながりでドラム奏者がヴィブラフォンを演奏するのは、実は珍しくない。

 ヴィブラフォンという楽器は、発祥からまだ1世紀を経ていない。その存在が注目され、支持を得るようになったのは、ジャズ・シーンに登場してから。一躍その名を高めたのは、1940年代からの活躍がめざましかったライオネル・ハンプトン。次いで、MJQ(モダン・ジャズ・クァルテット)のスター・プレイヤー、ミルト・ジャクソンだろう。すでにハービー・ハンコックやルイス・ヘイズらなどの大御所からも高い評価を受けているというジョエル・ロスは、必ずや偉大な先達に並ぶ名ヴァイブ・プレーヤーとして名を残すに違いない。

 今回の来日にあわせてデビュー・アルバム『キングメーカー』が11月6日に国内販売されるが、刺激的なリズムと豊かなハーモニーに溢れる楽曲が並ぶ。その全曲がロスのオリジナルで占められており、演奏家としてだけでなく、作曲家としても見事な才能を開花させている。

 ブルーノート東京での日本初登場のライヴ。どんなスタイルでヴィブラフォンを操るのか、そのパフォーマンスも楽しみ。一度しかない先取りの機会を、絶対に観逃したくない。

ジョエル・ロス

■スケジュール:11月12日(火)、13日(水)
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この記事の執筆者
音楽情報誌や新聞の記事・編集を手がけるプロダクションを経てフリーに。アウトドア雑誌、週刊誌、婦人雑誌、ライフスタイル誌などの記者・インタビュアー・ライター、単行本の編集サポートなどにたずさわる。近年ではレストラン取材やエンターテイメントの情報発信の記事なども担当し、ジャンルを問わないマルチなライターを実践する。