誰が、こんなに盛り上がると予想しただろう。誰がこんなに泣けるものとわかっていただろう。アジアで初の開催となったラグビーワールドカップ日本大会は、大成功のうちに幕を閉じた。日本代表の素晴らしい活躍も盛り上がりの要因であった。同時に、日本人のおもてなしが、海外の人たちににはとても素敵に映ったようだ。日本代表は目標であるベスト8入りを果たし、多くの日本人がラグビーに燃えた44日間だった。決勝は、ラグビー王国ニュージーランドを破って勢いに乗るイングランドと、12年ぶりになんとしても優勝杯を祖国に持ち帰りたい南アフリカ。北半球と南半球の対決となった。その頂点に立ったのは、カラダをはって、80分を闘いぬいて3度目の栄冠を手にした南アフリカだった。

カラダをはり続けた南アフリカが勝利の栄冠を獲得!

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栄冠を手にした南アフリカ。写真/藤岡雅樹

自分たちの強みにフォーカスしきるかっこ良さに拍手

僕自身の予想としては、イングランドが勝つのではないかと正直思っていた。

ところが、最初のスクラムで目論見が崩れた。南アフリカが圧倒した。

南アフリカは、得意のデフェンスから圧力をかける。ナンバー8のポジションにいるフェルミューレン選手を中心に、ボールによく絡む。イングランドは細かいミスもあり、なかなか勢いに乗り切れない。

ゲームは南アフリカペースで終始進んでいく。

その中でも少ないチャンスで、ボールを動かして、何とかペナルティーを獲得し、前半残りわずかで南アフリカ9点に対し、イングランド6点とした。再びスクラム。イングランドがペナルティーを犯す。南アフリカの司令塔・背番号10にポラードのキックが決まり12−6で前半を終了した。

後半、イングランドが少ないチャンスを生かして、もしトライが取れれば面白い試合になると思っていたが、状況はあまり変わらなかった。

スクラム
南アフリカの強力スクラムが試合の流れを決定付けた。写真/藤岡雅樹

イングランドも何とかスクラムで一度ターンオーバーを取ったり、キックオフから良いタックルをして反則を奪うこともあったが、流れを変えることには至らず。

南アフリカの圧力に屈していく。

その後、南アフリカのキックカウンターからのトライとターンオーバーからのトライで勝負は決した。

 この日、南アフリカはとにかくフォワードを中心にパワフルに闘った。ここまで、自分たちの強みを出すことにフォーカスして勝ち切ったチームはいないのではないか。潔い南アフリカはとてもかっこ良かった。

 初の黒人キャプテンのシヤ・コリシと名将・エラスムス監督。本当に良いチームを作ったと思った。

おめでとう!

 イングランドも前日本代表の監督であったエディさんを中心に、前大会の予選プール敗退から大きく成長した。次に繋がる大きなステップであったと思う。益々今後が楽しみである。

【編集部補足】決勝戦の翌日の11月3日、東京都内で世界のラグビーを管轄する「ワールドラグビー」による『ワールドラグビーアワード2019』の表彰式が開催された。年間最優秀チーム賞には南アフリカ代表が、また年間最優秀コーチ賞に南アフリカのラシー・エラスムス監督が、また年間最優秀選手賞にも南アフリカのピータステフ・デュトイ選手が選出された。3部門の栄冠を手に入れた南アフリカ「スプリングボクス」。おめでとうございました!