バラクータの『G-9』やバブアーの『インターナショナル ジャケット』など、カジュアルアイテムの着こなしで名高いスティーブ・マックイーン。しかし代表作のひとつ『華麗なる賭け』では上品なスーツ姿も印象的だ。身長177㎝と海外の俳優としてはそれほど大柄でもなかった彼が、かくも魅力的にスーツを装うことができた理由とは? 映画からファッションを学ぶイベントを定期的に開催し、かつて顧客の要望で『華麗なる賭け』を意識したスーツを仕立てたこともあるという「テーラーグランド」代表・長谷井孝紀さんはこう分析する。

スティーブ・マックイーンのスーツ姿はなぜかっこいい?

写真:Mary Evans Picture Library/アフロ

「本来、マックイーンのスーツ姿といえば『ブリット』や『ゲッタウェイ』で見られる武骨なイメージ。それだけに、『華麗なる賭け』の上品なスーツ姿はやや異色といえるのですが、彼本来の持ち味であるタフさとエレガントなスーツがコントラストをなし、非常に印象的なたたずまいを見せているのではないでしょうか。ちなみにこのスーツ、ディテールもなかなか興味深い一着。ラペルにフラワーホールが開いておらず、そでボタンもひとつ。そしてウエストコートのすそが直線になっています。これを仕立てたのは、今はなき英国テーラー『ダグラス・ヘイワード』といわれています。米国スーツに比べて欧州的な洗練を感じさせる仕立ては、当時注目されていたコンチネンタルスタイルの影響が感じられますね。中背なマックイーンの体型へ自然にフィットしているのも、美しいたたずまいの要因でしょう」

スティーブ・マックイーン
Steve McQueen
1930年生まれ。キング・オブ・クールと称され、アンチヒーローとしてのキャラクターで1960年代の反体制文化を象徴する名優として地位を確立。本格的なアクションを自身でこなし、タフな男の象徴としても人気を博した。
<出典>
MEN'S Precious秋号「紳士の装い大全集2019」
メンズプレシャス秋号の表紙
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