ジュエリーブランド『NATUR & NICOLAI BERGMANN（ナチュア & ニコライ バーグマン）』を新しく発表した、フラワーアーティストのニコライ バーグマンさんと、Preciousモデルの生方ななえさんとの、ジュエリーにまつわる対談。後編では、ニコライさんご本人のプロポーズで、奥様へジュエリーを贈ったときのエピソードも飛び出しました。
NATUR & NICOLAI BERGMANNの青山旗艦店の3階で談笑するふたり
花もジュエリーも、どこから見ても美しいデザインを
ななえ：ゴールドのコレクションは、また個性的なデザインですね。
ニコライ：「Fine」コレクションは、「Twist（ツイスト）」と「Petals（ペタルズ）」の２ラインあって、Petals は花びらがモチーフです。
ななえ：花びらがひらりという感じの動きのあるデザイン、小さなパールが見え隠れしてかわいいですね。
実際に葉のジュエリーを手にはめてみる生方さん
ニコライ：僕は『Future Bloom』というマガジンをつくっていて、今もう5冊目なのだけれど、その本もただのフラワーデザインの紹介ではなく、花を裏から見たり、逆さにしたり、花の持つ美しさをあらゆる角度から追求しているんです。ジュエリーも同じ。どこから見ても美しい形をデザインしています。
ななえ：確かに、この指輪もちょっと角度を変えると見え方が全然違いますね。それに指をとてもきれいに見せてくれますね。置いてあるのを見るのと、実際つけてみるのとでは印象が変わりますね。
ニコライ：そう、今回ジュエリーという立体をデザインしてみて、そこが難しくておもしろいと思いました。イメージは平面、サンプルは立体でしょう？ イメージがそのまま形にならなかったり、逆に発見があったり。何度も描いてはサンプルをつくり、描いてはつくり（笑）。
ななえ：この形ひとつを生み出すまで、地道な作業の積み重ねなんですね。
ニコライ：見えないところも、納得がいくまでデザインしたいというこだわりはあります。
ななえ：アップルのスティーブ・ジョブズも、裏側や中を開けても美しい製品づくりにこだわっていたというのを思い出しました。ネジのひとつにも妥協したくないって。
ニコライ：わかる気がするな。クリエーターとして手を抜きたくない。
ななえ：こちらの曲線のシリーズもきれいですね。
ニコライ：Twistは「枝」がモチーフになっているんです。
枝がモチーフのブレスレット
ななえ：まあ、枝のイメージなんですね。繊細だけど力強さもありますね。とても好きなデザインです。
ニコライ：これも日本で知った美しさです。枝物や蔓を上手に使う日本の生け花はすごいと思うんです。すごくインスピレーションを受けました。
ななえ：カジュアル、ファイン、どちらのコレクションも、単独でもいいですけど、組み合わせて使ってもよさそうですね。
ニコライ：そう、同じコレクションの中で、ミックスしてつけてもマッチするようように考えています。
鎌倉のアジサイをジュエリーのモチーフに
ななえ：見た目は異なっても、ニコライさんのデザイン哲学が一貫しているからですね。ところで、ちなみに、ニコライさんのいちばん好きな花は何ですか？
ニコライ：うーん、難しい質問。みんな好き。嫌いな花はないですよ（笑）。あ、そうだ。僕が日本に来て最初に感動した花は、鎌倉のアジサイなんです。もちろん、ヨーロッパにもアジサイはあるんだけど、鎌倉で見たすごいボリュームと繊細で美しい色に圧倒されました。
ななえ：まあ、そうなんですね。アジサイは私も好きな花です。鎌倉はアジサイの名所ですね。
ななえ：まあ、そうなんですね。アジサイは私も好きな花です。鎌倉はアジサイの名所ですね。
ニコライ：その時のインスピレーションが、その後の僕の仕事に大きな影響を与えているので、それを今回のジュエリーのブライダルコレクションのひとつに表現しました。
ななえ：わあ、ウェディングにアジサイなんて意外だけど、ジューンブライドにぴったりですね。
ニコライ：ブライダルコレクションは、オーダーメイドもできるんですよ。
ななえ：素敵。好きな花の指輪を贈られたらうれしいですね。
ニコライ：プロポーズはサプライズが大切ですからね。
プロポーズはジュエリーに花を添えて
ななえ：聞いてもいいかしら？ ニコライさんは奥様にプロポーズする時はどうなさったの？
ニコライ：僕の話？ えー（照れながら）、奥さんはネコが大好きで飼いたがっていたの。それでネコと、その首輪に指輪をつけて贈ったんです。気づいてもらえるまで時間がかかったけど（笑）
ななえ：なんてチャーミング！
ニコライ：僕の店では、フラワーボックスに指輪や腕時計などをしのばせるギフトの依頼がよくありますよ。
ななえ：ニコライさんのフラワーボックスに、ナチュアのブライダルリングをしのばせて、なんてすてきですね。
“身につける花”としてつくられたジュエリー
ななえ：ジュエリーもお花も、自分を元気づけてくれるものだなと思います。不思議な力がありますね。
ニコライ：そう、とても大切な存在。ななえさんは、花を部屋に飾りますか？
ななえ：私の母がいつも部屋に花を飾っている人なんです。それが当たり前だと思っていたから、ひとり暮らしをするようになって、花を絶やさないってすごいことなんだと気づきました。
ニコライ：いいね。すてきなお母さん。
ななえ：そんな光景が原点なので、いまは忙しくてなかなか余裕がないけど、いつか花を絶やさず飾るような、ていねいな暮らしがしたいなと思っているんです。
ニコライ：そんな忙しい女性のために、いつも花や植物を身近に感じてもらえるよう、身につける「自然」をつくりたくて、このジュエリーをつくったんですよ。
ななえ：身につける自然……いいですね。“ニコライ バーグマンの花”をずっと身につけていられると思うと、ちょっとうれしい気持ちになりますね。
ニコライ：自分への贈り物として選んでもらえたらうれしいです。もちろん誰かへのプレゼントにもですが。
ななえ：まさに自分へのご褒美にしたいジュエリーだなと思いました。
ニコライ：ありがとう。ななえさんが、ジュエリーを選ぶポイントがあれば教えてほしいな。
小ぶりで控えめなジュエリーが今の気分
ななえ：私は小ぶりなものが好きなんです。今の自分には、控えめなものが似合うかなと。いつか大ぶりのジュエリーも似合うように歳を重ねたいと思いますけれど。
ニコライ：ジュエリーはあくまでも自分を引き立ててくれるもの、ですからね。
ななえ：買うときは必ず身につけて、鏡をみて、自分の肌の色や骨格に合うか、よく吟味します。それに、ジュエリーって、すごく肌に近い物じゃないですか。つけていて心地いいかどうかも重要ですね。
ニコライ：その日につけるジュエリーを決めるのは？
ななえ：洋服とのコーディネートはもちろん、TPOも考えます。きょうの大切なミーティングにはこれ！というような、お守りみたいな要素もありますね。
ニコライ：お守りか、いいね。
ななえ：それに、大切に使って、だんだん自分のものになっていく感じも楽しみのひとつなんです。
花を選ぶようにジュエリーを選ぶ
ニコライ：女性のお客様に、花を選ぶようにジュエリーを選んでもらえたらいいなと思っているんです。南青山の僕の店で、花を見て、ジュエリーを見て、自分のお気に入りを見つけてほしい。
ななえ：それはとても贅沢な時間ですね。お店の空間もすてきですしね。
ニコライ：自然光がたっぷり入って、ゆったりと天井が高くて、ホテルのロビーのようなイメージ。もちろんお花もたっぷり。くつろげる空間にしたかったんです。
ななえ：いるだけでラグジュアリーな気分になれますね。
ニコライ：花もジュエリーも特別なことじゃなくて、生活の中の楽しみにしてほしい。気軽にふらっと訪ねられるジュエリーショップにしたいですね。
ななえ：季節のお花を買うように、ジュエリーを選ぶなんて、気持ちに余裕が生まれますね。
ニコライ：そうそう、それが目指しているところです。
ニコライ・バーグマン氏の手がけたジュエリーたち
ななえ：花言葉ってありますよね。花に思いを込めて贈ったり、贈られたりってすてきなことだと思うんです。ニコライさんのジュエリーには、ニコライさんなりの花言葉を感じるような、情緒があってすてきです。
ニコライ：わあ、ありがとう。最高のほめ言葉だね。
ななえ：次のコレクションも、どんな植物が登場するか、今から楽しみです。
ニコライ：ちょっと先だけど、2020年で『ニコライ バーグマン フラワーズ & デザイン』がちょうど日本で20周年を迎えるので、その時はまたいろいろ新しい展開を考えています。
ななえ：また、新しいプレゼンテーションがあるのですね。とても楽しみです。今日はありがとうございました。
NATUR & NICOLAI BERGMANN（ナチュア & ニコライ バーグマン）
ナチュア＆ニコライ バーグマン ブランドイメージphoto
ニコライ バーグマン初のジュエリーブランド。2017年5月、東京・南青山に旗艦店がオープン。花や葉、実や木々など植物の世界をテーマに、ニコライ バーグマンの故郷であるスカンジナビアンの美学に基づく北欧デザインのジュエリーが話題です。
PROFILE
ニコライ バーグマン
1976年、デンマーク・コペンハーゲン出身。フラワーデザイン界に新たな次元を開いた、日本でもっとも有名な外国人アーティストのひとり。2001年、『ニコライ バーグマン フラワーズ & デザイン』創設。南青山の本店を筆頭に、国内主要都市に店舗を展開。5月26日、ジュエリーブランド『NATUR & NICOLAI BERGMANN（ナチュア & ニコライ バーグマン）』を発表。その活躍はフラワーデザイン界のみならず、ファション界、デザイン界にまで及び、世界有数の企業とさまざまなプロジェクトが進行中。
NICOLAI BERGMANN FLOWERS & DESIGN（ニコライ バーグマン フラワーズ & デザイン）
NICOLAI BERGMANN FLOWERS & DESIGN（ニコライ バーグマン フラワーズ & デザイン）
この記事の執筆者
- TEXT ：
- Precious.jp編集部
- 2017.10.30 更新
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- クレジット ：
- 撮影／内山めぐみ 文／菅野和子
