イタリアのメディアから、王冠を持たないだけのイタリアの王様と呼ばれた、フィアット元名誉会長のジャンニ・アニエッリは、ありったけの権力をほしいままにしただけではなく、類まれなる服飾のセンスも身につけていた。イタリアきっての洒落者の装いをご覧あれ!

アニエッリを魅力的に思う7つの理由

■1:スーツ姿に清潔感がある!

 GIUSEPPE PINO/CONTRASTO/amanaimages
GIUSEPPE PINO/CONTRASTO/amanaimages

グレーフランネルのスーツを着用し、紡毛素材による同系色のグレーのタイを合わせるのが見事だった。決して、カシミアなどの高級素材に目を向けなかったのが、アニエッリの美意識である。ゆるやかな曲線を描いた、大きなラペルのダブル6ボタンのスーツは、明らかにカラチェニによる極上の仕立てである。

■2:洋服のハズし方が粋!

 Alinari/AFLO
Alinari/AFLO

グレーのスーツに対して、ネイビーのスーツも高貴に着こなす。足元の靴は、右ページのグレースーツ同様にブラウンシューズを合わせながらも、このときは、その気品あふれるスーツスタイルにあえて、カジュアルなダークブラウンのスエードブーツを選ぶ。スーツに遊び心を加えるのは、アニエッリの真骨頂である。

■3:表情が渋い!

 Capital Pictures/amanaimages
Capital Pictures/amanaimages

はにかんだ笑顔が魅力的な一方で、アニエッリがときおり見せる、厳しく渋い表情。イタリア最大の自動車メーカーであるフィアット社を背負い、ビジネスの第一線を駆け抜ける帝王に迫りくるプレッシャーは、常人には想像し難い。苦み走った顔の裏に、イタリアを世界に導く最良の方策を熟慮していたのではないか。

■4:誰もがお手本にしたくなる、男らしいカジュアルファッション

カジュアルなスタイルもまた、アニエッリらしい個性的なアイテム選びが際立つ。厚手のダンガリーやシャンブレー生地のシャツ。プルオーバータイプのカプリシ ャツなどもよく身につけていた。冬になれば、たっぷりとダウンの入った大ぶりのコート。どれも、アニエッリの男らしいスタイルをつくり出していたのだ。 ZUMA Press/AFLO
カジュアルなスタイルもまた、アニエッリらしい個性的なアイテム選びが際立つ。厚手のダンガリーやシャンブレー生地のシャツ。プルオーバータイプのカプリシャツなどもよく身につけていた。冬になれば、たっぷりとダウンの入った大ぶりのコート。どれも、アニエッリの男らしいスタイルをつくり出していたのだ。 ZUMA Press/AFLO

■5:スポーティファッションも!

右足の負傷を機に、カーレースからは離れたものの、晩年まで、夏はコート・ダジュールを中心にクルーザー三昧。海辺では逞しい肢体を見せつけた。冬は、ヘリコプターでサン・モリッツの頂まで飛び、スキーを楽しむ。独特の存在感を放つオールインワンのジャンプスーツ姿。痛めた右足をプロテクトして滑降した。 Globe Photos/AFLO
右足の負傷を機に、カーレースからは離れたものの、晩年まで、夏はコート・ダジュールを中心にクルーザー三昧。海辺では逞しい肢体を見せつけた。冬は、ヘリコプターでサン・モリッツの頂まで飛び、スキーを楽しむ。独特の存在感を放つオールインワンのジャンプスーツ姿。痛めた右足をプロテクトして滑降した。Globe Photos/AFLO

■6:所作のひとつひとつがエレガント!

Capital Pictures/amanaimages
Capital Pictures/amanaimages

正真正銘の貴族、アニエッリは、しぐさひとつとっても粋である。仕立てのスーツに身を包み、よく脚を組むが、これがなんともセクシーである。スーツのそで口から覗くのは、シャツのカフの上につけた時計だ。様々な写真に散見される、イタリア人特有の身振り手振りでのコミュニケーションも、やはり気品が漂う。

■7:くつろいでいる表情も魅力的!

Best Image/AFLO

生まれ育ったトリノの本邸で、妻マレッラと一緒にリラックスした時を過ごす。広大な庭で、家族そろって散歩をするのも好きだったアニエッリ。メランジェのニットからシャツの大きな襟を出し、はき慣れたデニムを合わせる。スエードのブーツは、トッズが初期に手がけた『ウインターゴンミーニ』だろうか…。

この記事の執筆者
TEXT :
MEN'S Precious編集部 
BY :
MEN'S Precious2019年秋号より
名品の魅力を伝える「モノ語りマガジン」を手がける編集者集団です。メンズ・ラグジュアリーのモノ・コト・知識情報、服装のHow toや選ぶべきクルマ、味わうべき美食などの情報を提供します。
Faceboook へのリンク
Twitter へのリンク
EDIT&WRITING :
矢部克已(UFFIZI MEDIA)