お店があるのは、嵐山の観光名所である渡月橋からほど近い「旧小林家住宅」。元々は江戸時代後期、現在の南丹市に豪農の大庄屋として建てられたもので、昭和54年に嵐山に移築。長年、博物館として親しまれてきましたが、閉館に伴い、京都市の重要文化財でもあるこの建物を、ほぼそのまま生かす形で再生したのが、【パンとエスプレッソと嵐山庭園】です。

築210年の邸宅がそのままカフェに

築210年の邸宅を利用したカフェ
築210年の邸宅を利用したカフェ
店内には縁側席もあり、庭園を間近に眺めながらくつろげる
店内には縁側席もあり、庭園を間近に眺めながらくつろげる
「エスプレッソと」と「パンと」を結ぶ石畳の小道
「エスプレッソと」と「パンと」を結ぶ石畳の小道

敷地内には、ベーカリーである「パンと」と、カフェ「エスプレッソと」の2棟の建物があり、庭園を通じて自由に行き来できるようになっています。まずは母屋である「エスプレッソと」に一歩足を踏み入れると、そこは、重厚な梁や月日を経た土壁がありし日の姿を思わせる、情緒あふれる空間。

壁や柱など、建物はほぼ邸宅として使われた姿を残している
壁や柱など、建物はほぼ邸宅として使われた姿を残している
座敷の一部がフローリングに改装されテーブル席に
座敷の一部がフローリングに改装されテーブル席に

入口から奥へと、砂利が敷き詰められた細い通路が続いており、かつて台所として使われていた土間には新たにオープンキッチンが設えられ、高床の座敷はテーブル席、座敷席、半個室として利用されています。

出汁や抹茶を使った“京都限定メニュー”

『合わせ出しのチャバタ 生ハムとモッツァレラ』800円(税込)~
『合わせ出しのチャバタ 生ハムとモッツァレラ』800円(税込)~

メニューは、コーヒーやブレッド系は他店舗と共通ですが、京都店限定として、生地にかつお昆布出汁を練りこみ旨味を効かせた『チャバタサンド』や、パン5種に、ハム、チーズ、抹茶のティラミスなどをたっぷり盛り込んだ和風のアフタヌーンティー『ブランティーセット』など、京都らしさを意識した品々も。

パン5種、ハム、チーズ、サラダ、ケークサレ、抹茶のティラミス、カヌレ、フルーツサラダなどをたっぷり盛り込んだ『ブランティーセット』2,300円(税込)
パン5種、ハム、チーズ、サラダ、ケークサレ、抹茶のティラミス、カヌレ、フルーツサラダなどをたっぷり盛り込んだ『ブランティーセット』2,300円(税込)

なかでもおすすめが、【パンとエスプレッソと】の名物であるキューブ型の食パン『ムー』を使ったフレンチトーストの抹茶風味『抹茶のフレンチトースト』。

スキレッド鍋で、熱々で登場する『抹茶のフレンチトースト』850円(税込)
スキレッド鍋で、熱々で登場する『抹茶のフレンチトースト』850円(税込)

宇治抹茶の粉末を加えたアパレイユに漬け込んで焼き上げた熱々のトーストに、抹茶蜜をかけて味わうひと品で、上品な抹茶の苦みと密のやさしい甘み、しっとりシュワシュワとしたバターテイストのパンの風味が相まって、なんともあとを引くおいしさ。耳のカリカリとした歯ごたえも魅力です。

季節の京野菜をトッピングしたご当地パンも

きなこや黒豆をつかったおやつ系の限定パンも評判

一方、ベーカリーである「パンと」には、食パンをはじめ、もちもち食感のハード系を中心に、常時30種がラインナップ。こちらにも限定品が用意されており、『京野菜を使ったカレーパン』280円(税込)や『九条ネギの南蛮味噌』280円(税込)など、京の旬の食材を盛り込んだパンに日替わりで出会えます。

観光客が多い嵐山ですが、少し奥まったこの界隈はとても静かで、落ち着いた雰囲気が楽しめます。おいしいコーヒーとパン、そして非日常感たっぷりの邸宅と庭園の風景に、癒されてみてはいかがでしょうか。

パンとエスプレッソと嵐山庭園のお店情報

記事元:ヒトサラ https://magazine.hitosara.com/article/1862/

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この記事の執筆者
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RECONSTRUCT :
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