たっぷりと横幅があって、動きやすいのに加え、華奢感も引き出しやすいから、ワイドパンツの人気は衰えを見せません。しかも、冬にはタイツやレギンスとの重ね穿きが楽なので、防寒面でも頼もしい存在。近頃は色や形のバリエーションが広がり、さらに自在の着こなしが試せるようになってきました。

おしゃれ上手が多い、世界の王室の女性たちの中でも、オランダのマキシマ王妃(Queen Maxima)は、ワイドパンツをエレガントに着こなしていらっしゃいます。お出かけやパーティが増える年末年始を控えて、マキシマ王妃から、ワイドパンツコーディネートの手ほどきを受けていきましょう。

「ワイドパンツ」でドレスアップするには?マキシマ王妃直伝のロイヤルテクニック5

■1:艶やか色のコートと合わせた、チアフルなセットアップスタイル

イエローのロングコートとワイドパンツのセットアップ姿
華奢感を引き出す、エレガントな胸元のドレープ

ワイドパンツの量感を生かすと、ボディーに細感が生まれます。たっぷりしたアウターとの組み合わせは、さらに効果を発揮。堂々とした見え具合も、王妃がワイドパンツを好まれる理由なのではないでしょうか。

こちらは、鮮やかなイエローのロングコートとワイドパンツというセットアップ姿でセレモニーへ出かける際の、マキシマ王妃。気持ちまでポジティブにしてくれそうなビタミンイエローです。

コートとのセットアップは、ジャケットとの組み合わせに比べて、落ち感が強まり、優美な印象に。イエローと相性のいいグレーを、トップスとバッグ、シューズに迎え、全体をバイカラー(2色使い)にまとめています。コートの両袖に、腕を通さない肩掛けが余裕を漂わせていますね。

■2:オールブラックは「異なる質感合わせ」と「マント投入」で美しく

ワイドパンツとマントでのブラックコーデ
きらめく裾飾りがパンツに重なって、ウエスト周りをまばゆくカバー

最強の引き締め色、ブラックは、ワイドパンツをシャープに見せてくれる色です。トップスやはおりものも黒でそろえると、いっそうシックな装いに仕上がります。

会合に参加されるマキシマ王妃は、黒のワイドパンツで端正な着映えに整えていました。トップスはつやめきを帯びた黒系生地で、ウエスト周りにスパンコールが施されています。

同じ黒系でも、このように質感を変えることによって、黒の深みが際立つ仕掛け。シックなダークカラーをまとい慣れている、王妃ならではの目配りです。ドレスのように優美なマントをなびかせて、極上のブラックコーデにまとめ上げています。

■3:情熱レッドと定番ベージュのコンビで、華やぎと品格をマリアージュ

ベージュのワイドパンツに真っ赤なコート
リボン付きのパンプスでキュート寄りのエレガンスを演出

穏やかなトーンのベージュは、ワイドパンツにやさしいムードを寄り添わせてくれます。全体をベージュ系でまとめると、ノーブルな印象に。一方、ビビッドカラーのアウターと引き合わせて、艶やかさを引き立たせるコーデも選べます。

イベントのオープニングに参加したマキシマ王妃は、真っ赤なコートに身を包んで、舞台に華やぎを添えていました。ノーカラーのコートに、ボリュームイヤリングがマッチ。上品なベージュ系ワイドパンツは、王妃にふさわしい節度と品格を印象づけています。主張が強すぎないから、お仕事ルックでも使いやすいボトムスです。

■4:ボルドー系のワントーンで、落ち着いたムードのパンツスタイルに

抑え目な色のレッド系パンツルック
赤いロングイヤリングは顔周りにチークを差したかのよう

シルエットのイメージから、ワイドパンツにはマニッシュな印象があります。でも、レッド系の色を迎えれば、フェミニンな雰囲気にシフト。パンツルックをクールに見せたくないときに役立つ、着こなし技です。

表彰式に向かうマキシマ王妃が選んだのは、ボルドー系のワントーン・コーデ。ワインレッドに渋みを加えた、深い色合いは王妃ルックにぴったりの落ち着きをもたらしました。

パンツは裾を深いダブルで折り返し、レッグラインを一段と細く見せています。羽織り物は肩掛けで、凜々しい着映えに。共布の太めベルトがウエストをタイトに見せています。

■5:シャイニー柄ワイドパンツとベルベットのトップスで、グラマラスな主役ルックに

ボリュームイヤリングを添えて、ゴージャスでリュクスなムードに

無地を選ぶ人が多いワイドパンツですが、柄をあしらうと、一気に存在感が強まります。面積が広いから、装いの主役に急浮上。逆に、トップスは無地で引き立て役に回すのが賢い合わせ方です。

映画のプレミア上映という、華やいだ舞台に似つかわしく、マキシマ王妃は光沢を帯びた総柄ワイドパンツでご登場。シャイニーなきらめきは、王妃らしい特別感を醸し出しています。

ベルベット生地のブラウスとの質感コントラストがくっきり。そのままパーティーに出られそうな装いです。ブラウスの裾をしっかりウエストインして、脚を長く見せているのも、巧みなロイヤルテクニックです。


コート裾から適度な存在感を放つパンツは、冬ルックの重要なプレーヤー。タイツやブーツと重ねても、かさばりにくい点でも、ワイドパンツは冬にこそ穿きこなしたいボトムスです。

年末年始は出かける機会が多くなるだけに、ワイドパンツでしっかり防寒しつつ、マキシマ王妃のようにドレッシーな着こなしを楽しんでいただければと思います。

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この記事の執筆者
多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報、着こなし解説などを発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かした解説が好評。自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い。著書に『おしゃれの近道』『もっとおしゃれの近道』(学研パブリッシング)がある。
PHOTO :
AFLO
WRITING :
宮田理江
EDIT :
石原あや乃