デリケートゾーンの悩みには、ニオイ、かゆみやくすみといったトラブルだけでなく、顔の肌と同じように乾燥するということもあるとか・・・。しかし、すぐに自分の目で見ることができ、比較もしやすい顔や体の肌のように、すぐ気づけないから難しいもの。

そこで、日頃からケアすることをおすすめしている、美容・アンチエイジング医師の黒田愛美先生にお話を伺いました。

 
黒田愛美先生
日本美容外科学会専門医。医療法人社団喜美会 自由が丘クリニック
(くろだあいみ)美容・アンチエイジング専門医。トライアスリートとしての顔も持つ。著書『アスリート医師が教える最強のアンチエイジング』(文藝春秋)

日本は遅れていた!?デリケートゾーンケアの本来の目的

VIO脱毛をしている人のデリケートゾーンケアは必須と言える。
VIO脱毛をしている人のデリケートゾーンケアは必須と言える。

日本では遅れているとも言われる「デリケートゾーンケア」の意識。欧米では、子供の頃から親にデリケートゾーンの正しい洗い方やケア方法を習うといいます。

確かにそれを聞くと、自分が子供の頃に親とそんな話はしなかった…と思う人も多いはず。日本人の恥じらいを大切にする性格や考え方の特徴でもあるかもしれませんが、大切な自分の体のことであることは間違いないので、本来は、きちんと知識を持つべき点と言えるでしょう。

「ここ数年で、日本でも色々と情報が出るようにはなりましたよね。ただ、その分、間違った知識や自己判断でケアをしてしまう人もいるように見受けられます。

クリニックに来られる患者様からも相談を受けますが、近年、日本でもVIO脱毛が当たり前になったというこで、話題になることが多くなったと思います。デリケートゾーンの赤みやかゆみなどのトラブルについてです。

Iラインなどの脱毛は、生理時が快適になったりいい面もありますし、するかしないかも個人の自由なのですが、ただ、毛がなくなることは本来、毛で守られていた皮膚面が露出することでかぶれたり炎症を起こしてしまうこともあるのです。

サロンに通っている間はスタッフの方に言われるので、脱毛後にしっかり保湿ケアをしているかと思いますが、通わなくなるとぱったりと保湿ケアをやめてしまう方も多いようで、それがトラブルのきっかけになることも。保湿ケアは、脱毛が終わっても当たり前に続けていただいた方が良いですね。

それだけでなく、保湿ケアの前にはきちんと洗うという知識も知っていただきたいです。

顔や頭、髪は専用で洗っているのにデリケートゾーンは無頓着で、体のものと同じように洗っていること自体、本来は疑問に思うべきところだったんです。という私も、きちんと知る前は石けんで洗っていましたので(笑)。

今は、海外のように当たり前に様々な専用の商品が売られるようになってきているので、アイテムを選ぶところからデリケートゾーンケアを知っていくのも良いかと思います」(黒田先生)

デリケートゾーンは別途、きちんとケアするべき理由とは?

そもそもデリケートゾーンのケアといっても、顔や体とどう違うのでしょうか。なぜ別でするべきなのかをお聞きしました。

「基本的に肌のケアで大切なのは、洗う(汚れを落とす)そして保湿をきちんとすることです。それは、体や顔もデリケートゾーンも全て同じことなのです。肌には、常在菌が1兆個くらいあります。

善玉菌である、「表皮ブドウ球菌」という美肌菌とも呼ばれるいい菌があり、それが肌を弱酸性に保ちグリセリンという保湿力を高める潤い成分を作り出します。そうして、皮膚のバリアをつくってくれます。

洗いすぎや刺激の強いものを使用、殺菌作用のあるものなどを使用すると、皮膚のフローラが死んでしまいバランスが崩れてしまいます。それは、乾燥やたるみの原因となってしまうのです。乾燥すると傷つきやすくなりバリアが壊れ、アレルギーを起こしやすくなったり、赤くなったりとトラブルを招きます。

デリケートゾーンは、目と同じくらい薄い皮膚です。角質のない粘膜である膣がすぐ近くにあり、剥き出しの状態です。それは、ある意味悪いものも入りやすく、粘膜まわりは色々なものを吸収しやすいこともありとてもリスキーなエリアと言えるでしょう。

そのため、ボディ専用などのものは刺激が強くデリケートゾーン周りに使うのはリスクが高いのです。

デリケートゾーンというだけありますから、本来、気を遣いケアをしてこなかったことが不思議とも言える場所なのです。肌のバリア機能がきちんと整っていれば、多少のことがあってもバランスがとれます。

だからこそ、日々デリケートゾーンはボディとは分けて、デリケートゾーン専用またはボディと両用可能という表記のあるアイテムでしっかりケアをすることをおすすめします」(黒田先生)

誰にでも起きるデリケートゾーンの悩みは気にするのではなく、正しく理解してケアを

優しくケアをするという知識とアイテムで、悩みは減らせる。
優しくケアをするという知識とアイテムで、悩みは減らせる。

デリケートゾーンというと、膣の近くのところだけと思いがちですが、いわゆるVラインと呼ばれる足の付け根も皮膚が薄くデリケート。膣周りのデリケートゾーンもそうですが、女性が気にしがちなことの一つには、黒ずみがあります。それも、デリケートゾーンケアになるのでしょうか。

「下着のスレと思われたりもしますが、実は黒ずみは、女性ホルモンの関係で思春期の段階で黒くなっていくものなんです。基本的に、女性全員が黒ずんでいるので、気にしたりコンプレックスを持つ必要はないのですが、人と比較できる部位でないため、自分はより黒いのではないか…と悩んでしまうこともあるかもしれないですね。

スレや摩擦は肌が黒ずむ原因なので、できることとしては、より黒ずまないようにするために摩擦を少なくしたり、血流が悪いとリンパが滞り悪いものを排出しにくくしてしまうので、血行をよくして常にデトックスできるような体にしておくのがよいかと思います。

下着のゴムなどによって締め付けたり、スレたりするような足の付け根部位なども、保湿ケアをするとくすみにくく透明感が出てきやすくなったりもします。顔と同じように、むしろ顔よりセンシティブだからこそ、くすみやかゆみ、かぶれが出やすいといえるのです。

洗いすぎもNGですね。汚れを落とすだけでなく保湿も大切ということを常に覚えておいていただきたいです。デリケートゾーン専用や、ボディと兼用できるような保湿アイテムを使うのも良いでしょう。

通常のボディクリームは、浸透しにくく、更に下着やストッキングなどをつけて蒸れたりかぶれたり、デスクワークだと座り時間が長くなり、元々体温の高い場所なので更に湿度が上がってしまうため、かゆみが出てしまったりする原因にもなりかねません」(黒田先生)

やはり保湿が大切!正しいデリケートゾーンケアアイテムの選び方とは?

正しい知識でケアすることで日常のストレスも減少できる。
正しい知識でケアすることで日常のストレスも減少できる。

デリケートゾーンケアのアイテムを選ぶ際に、気をつけるとよいことを伺いました。

「直接洗ったり塗ったりして使用するものであれば、弱酸性であることを気にして見て選んでいただきたいです。前述の通り、肌は弱酸性ですので、非弱酸性のものの使用は刺激により、肌のph値を崩す原因になりかねないからです。

あとは、これもトラブルの可能性となるため界面活性剤や乳化剤、防腐剤などが入ってないものがもちろん良いです。

そして、例えばセラミドなどの保湿成分が入っているものが良いです。皮膚の角質層の間を埋めている細胞間脂質はセラミドで出来ており、バリアを作ったり保湿を高める役割をしています。セラミドは加齢とともに減少するため、年々乾燥が進んだり、かさつきが出やすくなるのです。ですから、外から摂取すると良いでしょう。

乳酸菌が入っているようなものも良いですね。エンテロコッカスという乳酸菌が、皮膚に常在する善玉菌です。乳酸菌は、表皮ブドウ球菌という善玉菌のエサとなる菌です。表皮ブドウ球菌は、潤いや皮膚のバリアを高めたりするので、乳酸菌のエサがあることで表皮ブドウ球菌の役割が増すため、摂取すると良いでしょう。

考え方はスキンケアやヘアケアと一緒なので、とにかくきちんとデイリーに続けやすいものから選び、まずは日々の習慣にしていくことが大切です。ケアすることに慣れていけば、日常生活のストレスや不快感なども軽減できるサポートになると思います」(黒田先生)

おすすめの最新「デリケートゾーンケア」アイテム3選

デリケートゾーンケアといえば、専用の石けんなど洗浄剤が多く知られており、すでに愛用している方も多いと思います。そこで今回は、洗った後のアフターケアや、出先でもケアできるもの、体の内側からケアしていく、といった最新のデリケートゾーンケアアイテムをご紹介します。

■1:ボディもデリケートゾーンも全身保湿ケアできる「アイム ラフロリア」のクリーム

ボディクリーム_1,ボディケア_1
Mellia アイムラフロリア デリケートボディクリーム 150g ¥6,800

優美なイヴピアッツェローズの香りを纏い潤す、デリケートゾーンケアシリーズ 「アイム ラフロリア」の新アイテム。

乳酸菌(保湿成分)で肌自らの潤う力を引き出しながら、みずみずしくふっくらとした肌へと導きます。デリケートゾーンの pH値と同じ弱酸性(pH4~5)のため、デリケートゾーンの常在菌バランスを保ち、潤いを維持します。

また、乾燥によるくすみを目立たなくする3種のビタミン C 誘導体も配合。 乳酸菌とセラミド2つの潤い効果で、デリケートゾーンをふっくら保湿し、肌のバリア機能を整えます。女性ホルモンをケアするザクロ果実エキスや大豆イソフラボン、血行を促す和漢成分、ニオイケアのための茶カテキンなど、植物の恵みを配合し、デリケートゾーンのニオイ、乾燥、かゆみといったトラブルを改善に導きます。

デリケートゾーンから全身まで1本で使えるため、手軽にケアができるだけでなくボディの肌の弱い方の保湿クリームとしてもおすすめ。

■2:デイリーにニオイケアできる「THREE」のミスト

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THREE ピュリファイングインティメイトミスト 30mL ¥3,800

気になるニオイ対策ができるフレグランスミストで、ブレンド精油、芳香水、植物エキスの力で汗などの不快なニオイを抑えます。

日本での栽培は珍しいと言われる、希少で良質な長野県産のアンズ生果実を丸ごと絞ってできるアンズ果実エキスを配合。肌トラブルによるダメージをケアし、健やかで美しい肌を育みます。女性に良いとされ健康食品などにも用いられるセイヨウニンジンボク果実エキスも配合しており、肌の潤いを高め水分バランスの向上を助けやわらかく弾力あるはだへ導きます。

日常生活での体のニオイに敏感になってしまう時、心地よい芳香でリフレッシュできます。デリケートゾーンはもちろん、ワキの下など気になるニオイをケアします。シュッとティッシュに吹きかけて、気になる部分を優しく拭き取るだけ。ニオイの元を拭き取り、気持ちも安らかに。ポーチに入れて携帯できるので、外出先でニオイが気になった時も手軽に使えます。

■3:飲む「粘膜ケア」!体の中から働きかけ潤いケアする「シンプリス」のサプリメント

保湿_1,乾燥_1
シンプリス センシュアル ネンマク ケア 44.6g(3粒×30袋) ¥8,700 栄養機能食品(ビタミンA)

体の粘膜は、口腔内、目、鼻、胃、腸そしてデリケートゾーンなどがあります。粘膜は、自浄作用を持った粘液で覆われ、クリーンに保たれていますが、加齢により粘液の分泌は減少し、環境変化、ストレスなどの影響を受けやすい部分でもあります。

口のニオイやコンタクトレンズでの目の辛さ、今まで感じなかった体のニオイに鼻が敏感になる、乾きによるセックスでの痛みなど…日常生活で感じやすいこれらの不快感は全て粘膜の乾燥によるトラブルと言われています。こういった気になるニオイや、目鼻などの乾き、デリケートゾーンの潤い不足などに内側からアプローチする粘膜ケアサプリメントがこちら。

粘膜のうるおいをアップさせるシーベリー果実油、粘膜を健康に保つ女性ホルモン様物質を多く含むアグアへエキスを配合。さらに、高い消臭抗菌作用のあるメントール、抗酸化力の高いアスタキサンチン、体内でビタミンAに変換され皮膚や粘膜の健康維持をサポートしてくれるβカロテンなど、贅沢に成分を配合。

朝、起きたての息にも自信を持てるような、日々のニオイと乾燥のケアを内側から可能。1日1袋(3粒)を目安に、水やぬるま湯などと一緒に飲むだけでOKな手軽さも魅力です。

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ホルモンバランスで体質がかわり、以前は平気だった生理用品などでかぶれてしまうようになったなど、デリケートゾーンの悩みは、年齢とともにより持つようになります。なかなか言えないし聞けない話ですが、デリケートゾーンケアをするようになって、ストレスが減り、心境の変化や快適さが変わったという声が増えているのも事実。

以前は、悩みを抱えているけど相談しにくいという状況が日本にはあった印象ですが、このように専用商品が増えているなど、多くの女性が自分ごととして情報を得られるようになってきました。スキンケアやヘアケアと同じように、日常生活に取り入れることで快適な女性ライフを過ごしてみませんか。

※商品の価格はすべて税抜です。

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Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
EDIT&WRITING :
Sachi Tamura