熱気という点ではもはや日本を代表する自動車イベントと化した「東京オートサロン」。元々はチューニングカーの祭典だったが、近年は自動車メーカーも展示に積極的で、今年も注目モデルが披露された。そのひとつがトヨタの新型ヤリス(旧名ヴィッツ)のとびきり硬派なスポーツカーだ。

セリカGT-FOURの興奮をふたたび!

東京オートサロン2020の会場には、トヨタ自動車の豊田章男社長と、ガズーレーシングの友山茂樹プレジデントが登場。
東京オートサロン2020の会場には、トヨタ自動車の豊田章男社長と、ガズーレーシングの友山茂樹プレジデントが登場。
RZ“First Edition”は、マットブラック塗装のラジエターグリル、フロントサイドディフューザー、リヤスポイラーとリヤバンパーを特別装備。
RZ“First Edition”は、マットブラック塗装のラジエターグリル、フロントサイドディフューザー、リヤスポイラーとリヤバンパーを特別装備。

あるていど分別ある年齢になったら、おとなしいセダンに乗ってゴルフに出かけるのが、いい人生の過ごしかただろうか。そんなことはない、いつまでも若々しいクルマ選びをしていたい、なんて思う大人には、トヨタ自動車が発表した「GRヤリス」はどうだろう。

2019年1月初旬に開催された「東京オートサロン2020」でベールをぬいだホットハッチ(速いハッチバック車)だ。なにしろ、世界ラリー選手権(WRC)の2017年度と18年度はマニュファクチャラー選手権、19年度はドライバー選手権を獲得したモデルがベースである。

「従来のトヨタ車では考えられない、“スーパー・ホットハッチ”」。初お披露目の場に姿を現した、ガズーレーシングカンパニーの友山茂樹プレジデントは、272馬力を発生する1.6リッター3気筒エンジン搭載のGRヤリスをそう表現した。

ヤリスは、従来のトヨタ・ヴィッツの海外名。2020年2月10日発売予定の4代目から、ヤリスの名前となる。スタイリングこそ、コンパクトさが売り物のヤリスと近いけれど、GRヤリスの中身は「かつてWRC黄金時代を築いたセリカGT-FOUR以来20年ぶりの4WDスポーツ」(前出の友山氏)というほどのものだ。

ウェブサイトで予約開始!

スポーティなコクピットで、変速機は6段マニュアルのみとなる。
スポーティなコクピットで、変速機は6段マニュアルのみとなる。
シートはからだが滑らないような素材で張られたハイバックタイプ。
シートはからだが滑らないような素材で張られたハイバックタイプ。

3995ミリとボディサイズは小柄。軽量化が徹底していて、フード、ドア、リアハッチにアルミニウムを、ルーフにはカーボンファイバーが採用される。エンジントルクは370Nmもある。

「GR-FOUR」と名づけられた専用の4WDシステムは多板クラッチによる前後駆動力可変システム採用だ。手動で「ノーマル」「スポーツ」「トラック」が選べるシステムと組み合わされている。

任意で3つのモードが選べる。「ノーマル」でフロントに60パーセント、「スポーツ」ではリアに70パーセント、そして走行性能を突き詰めたと説明される「トラック」では前後50パーセントとなるのだ。

大きなエアダムと一体化したフロントバンパー、張り出したフェンダーが目を惹くうえに、リアにはスポイラーとディフューザーが備わる。すべてラリーで戦闘力は実証済みのはずだ。

「ファーストエディション」が2019年夏に発売される。価格は「ファーストエディションRZ」が396万円、「同RZハイパフォーマンス」が456万円。1月10日からウェブサイトで事前予約の受付けが始まっている。

【トヨタGRヤリスRZ“High-performance・First Edition”】
ボディサイズ:全長3995×全幅1805×全高1,460㎜
駆動方式:4WD
トランスミッション:6段MT
エンジン:1,618cc直列3気筒DOHCターボ
最高出力:200kW(272PS)
最大トルク:370Nm
価格:¥4,560,000(税込)

問い合わせ先

トヨタ

TEL:0800-700-7700

この記事の執筆者
自動車誌やグルメ誌の編集長経験をもつフリーランス。守備範囲はほかにもホテル、旅、プロダクト全般、インタビューなど。ライフスタイル誌やウェブメディアなどで活躍中。