MENS Preciousの2017年春号で掲載し、ただいま「小学館パルショップ」にて絶賛発売中であるフェリージ別注カメラバッグ。ここでは誌面では掲載できなかった、その制作秘話をご紹介。

2015年に「ライカM」を手に入れて以来、ずっと探し続けてきた理想のカメラバッグ。その条件は以下のようなものでした。

●ライカの美しさに見合った質感であること
●クラシックとモダンさがほどよくミックスされていること
●上質ではあるが、防犯上高級感を主張しすぎないこと
●クラシックなスーツやコート姿にフィットすること
●レンズをつけたカメラと、替えレンズ1本、財布程度が入る容量
●たすき掛けしたときに格好いいミニショルダーのデザイン

暇さえあればネットで検索しているし、都内のショップはだいたい調べ尽くしました。結果わかったのは、僕が求めるレベルの商品は「現在」世界中のどこにもないということ。

これ、カメラマニアの方々には怒られそうな発言だけれど、リベラーノのビスポークスーツを着て、ロレックスのバブルバックを嵌めているライカ使いは、いくら便利だからって●●●●(自主規制)のカメラバッグなんて使えないんですよぉぉ! あるとしたら過去数回ライカとエルメスとのコラボレーションによって制作された「エルメスエディション」のバッグだけでしょう。

ただあれって、カメラやレンズとのセット販売のみでウン百万円というコレクターアイテムで、たまに中古市場に流れてくることもあるのですが、さすがに現実的な選択肢とはいえない。こんな悩みを抱いているライカユーザーって、けっこういるんじゃないかなあ?

ならばカメラ業界の内側にいる人には絶対つくれない、そしてエルメス以来の伝説になるようなカメラバッグを僕がつくってみよう、と別注アイテムの制作を思い立ちました。

 

 

さて、まずはどことコラボろうか?

次世代に残る名品にしたいので、ブランドとしての「格」は必須。

しかしドンケとかビリンガムといった老舗のカメラバッグよりはモダンに、おしゃれにしたい。上質なレザーは必要だけれど、オールレザーは重さが心配。

・・・なんてことをいろいろ考えていったら、候補はひとつに絞られました。そう、フェリージです! 誰もが認める格があって、上品で、味わい深くて、でもモダンで・・・そんなこちらがつくるナイロン×レザーのコンビネーションバッグなら、僕の理想が100%叶えられるのでは? と思ったわけです。あと、もともとフェリージはベルトメーカーだったらしいので、ついでにカメラストラップもつくってもらえたら嬉しいな❤なんて目論みも・・・。

そんな思いをフェリージサイドにお伝えしたところ、嬉しいことに快諾! 予算度外視で、約1年半かけてつくっていただいたのがこのバッグです。だいたい別注アイテムって既存品のアレンジによってつくることが多いのですが、これはデザインから起こして頂いた完全別注!

正直言ってたった2ページの誌面ではすべての魅力を伝えきることは不可能だったので、この機会に僕がみっちりとご紹介しましょう。

魅力その①クラシックなのにモダンなルックス!

往年のカメラバッグを踏襲した2ストラップのクラシックなデザインですが、フェリージが誇るバケッタレザーとナイロンの組み合わせなら、こんなにもモダンに。通常のフェリージのバッグとは違い、カメラバッグに必須のクッションもしっかり入っており、カメラを保護してくれます。もちろん自立式。しかもとっても軽いのがうれしい! ライカはけっこう重たいからね・・・。

これは「トルトラ」というカーキ寄りのブラウンですが、ネイビーカラーも用意しています。

あと、とにかくミーハーな私がこだわったのが、ショルダーストラップを通常のキャンバスではなくレザーにしてもらったこと。ぶっちゃけ機能的にはキャンバスでいいのですが、これは完全に私の趣味です! これによって価格がドンと跳ね上がってしまいましたが、それも仕方ないと思わせるほど、雰囲気は抜群!

魅力その②段違いの質感!

革のいい香りを放つタンニンなめしのバケッタレザーに、きめ細かなナイロンツイル、味わい深いステッチ、磨き抜かれた金属パーツ・・・。機能性はさることながら、イタリアンメイドならではの嗜好性の高さが素晴らしい。こういうムードのカメラバッグ、今までなかったでしょ? ね?ね?

魅力その③日常使いにぴったりなサイズ感!

レンズをつけたカメラ1台、替えレンズ1本、財布・・・程度が入る、ちょうどいいサイズ。

小物やケアグッズが収納できるポケットは表側に2つ、背面にひとつ、裏側にひとつ。内装はブラックのキャンバス。中身が脱落しないように、レザーのベルトもついているし、可動式の間仕切りも1枚入れています。あと、蓋を開けた時にフラップにしっかりマチがついている点も見逃せません。カメラを入れなくても持ち歩きたくなるんです! 女性にもよいでしょう!

魅力その④ストラップを外せば、インナーバッグにも!

ご覧のとおりストラップを外せば、インナーバッグになっちゃいます。これなら荷物が多い日にも安心。普段持ち歩いている蓋なしトートバッグの中に入れて持ち運べます。海外旅行のときなんかに便利ですね。

魅力その⑤レザーストラップもついてくる!

フェリージ製のカメラストラップなんてそれだけでも買いたいくらいですが、なんとこいつもオマケにつけちゃってます!

僕の愛機「ライカMP」にぴったりですね。この味わい深い革の質感とステッチがたまりません。

1㎝幅程度とやや細めなので、首や肩からぶら下げるだけではなく、手にグルグル巻きにしたり、ちょっと縛っちゃってもいいと思います。タンニンなめしによってつくられるフェリージの革は比較的すぐに味が出るので、経年変化が楽しみですね。いまのところ別売りはしていないので、バッグを買わないと手に入りませんよ〜!

魅力⑥とにもかくにも格好いい!

カメラの腕は下手くそだけれど見た目には人一倍ウルサい私が、こだわり抜いたのが「格好よさ」。

クラシックなリネンスーツにもご覧のとおりバッチリはまっているでしょう? かといって決してビリンガムほどクラシカルではなく、ちゃんとモダンなスタイルに仕上がるという点こそが、フェリージを選んだ狙いなんです。われながら、レザーのストラップは正解だったと思います!

スーツやジャケットもいいけれど、ズバリこのバッグはコートに合わせるのが最高です。

忘れもしない2015年秋、ルイ・ヴィトンのコレクションでトレンチコートにショルダーバッグを2個掛けしたスタイルがありましたが、それ以来私はコート×ミニショルダーというスタイルに夢中。ショップで見かけると、どんなに不便なサイズでも買ってしまいます。正直いって、だからこそこのサイズ感にこだわったという側面もあるほどに・・・。

くどいようですが、そんなときに、このレザーのストラップが効くんだよな〜!

・・・という具合に趣味やこだわりをガンガン積み重ねていったら、あら不思議、いつの間にか従来のフェリージから発売されているミニショルダーの倍くらいの価格になってしまいました〜! でも正直いって全然高いとは思いませんよ。だって「エルメスエディション」ばりにいいものができたから・・・。

機能は好き好きですが、この雰囲気、そしておしゃれさは現在世の中にあるカメラバッグの中で最強!と、日夜いいモノばかりに囲まれている山下英介は断言します。今のところ小学館のパルショップだけで通販されていますが、ライカ使いのみならず、ファッションにウルサいカメラユーザーなら誰もが納得のいくつくりになっていると思うので、ぜひ一度手に取ってみてください!
 

ここで紹介したフェリージのカメラバッグはこちらから購入できます!
小学館パルショップ
www.pal-shop.jp/mensprecious

この記事の執筆者
MEN'S Preciousファッションディレクター。幼少期からの洋服好き、雑誌好きが高じてファッション編集者の道へ。男性ファッション誌編集部員、フリーエディターを経て、現在は『MEN'S Precious』にてファッションディレクターを務める。趣味は買い物と昭和な喫茶店めぐり。