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「立春の候」は時候の挨拶として使われる言葉です。

この記事では、立春の意味や日時、春分の日との違いなどを解説していきます。また、時候の挨拶である「立春の候」の意味や使い方や、立春の縁起物の食べ物もご紹介しています。

■「立春の候」とは?「読み方」と「意味」

立春とは
立春とは

まず初めに、「立春」の意味をご紹介します。

「立春」は、二十四節気の節気のひとつです。この立春は、中国語で「立」という文字に「始まる」という意味があることから、「春の始まり」を意味します。「二十四節気」とは、一年を春夏秋冬の4つの季節に分け、それをさらに6つに分けた期間を指します。春夏秋冬という大きな4つの季節をそれぞれ6つずつに分けているので、4×6=24、1年を季節ごとに24等分したものが二十四節気です。みなさんご存知の、夏至や冬至、春分や秋分なども、二十四節気の節気(季節の区分、また、その変わり目を示す日)となります。二十四節気は、立春を起点(第一)として、季節が分けられています。

「読み方」

時候の挨拶である「立春の候」は、「りっしゅんのこう」と読みます。

「意味」

「立春の候」の意味は、「立春」は春の始まりを、「候」は季節や気候のことを指し、「寒さがゆるみ、春の始まりが感じられる頃となりました」といった意味合いのある挨拶です。

■2022年、2023年の立春は何時(いつ)?

立春を始めとした二十四節気の節気は、太陽の角度や動きにより、天文学的に決められています。太陽黄経が315度になった日が立春です。

ですので、年によって2月3日だったり、2月5日だったり、日にちが変わります。

2022年の立春

2022年の立春は、2月4日(金)、節入りの時刻は5時51分です。

2023年の立春

2023年の立春も、2月4日(土)、節入りの時刻は11時43分。 ちなみに、2020年の立春は2月4日、2021年の立春は2月3日でした。

■「旧正月」「春分の日」との違い

「旧正月」との違い

立春=旧暦の元旦(旧正月)だと思っている人はいませんか? これは、多くの場合、正しくありません。そもそも旧暦とは、明治5年まで使われていた、太陰太陽暦(たいいんたいようれき)のことをいいます。これは、月の満ち欠けを基準にした暦ですが、月の満ち欠けを基準にすると、実際の季節とずれが生じてしまいます。それを解消するために、閏月を入れて調整しているのです。一方、立春は二十四節気のひとつです。この二十四節気は、太陽の位置を基準とした季節区分のことを指します。このことからもわかるように、立春と旧暦の元旦(旧正月)は別のものなのです。

立春は二十四節気の最初の節気で、毎年2月4日ごろに巡ってきます。旧暦の元旦(旧正月)も1月末から2月頭になるため、2つの時期が近く、ややこしく感じてしまいますね。さらにややこしいことに、そもそも別のものである立春と、旧暦の元旦である1月1日(旧正月)は、約30年に1回重なる年があります。その年のことを「朔旦立春(さくたんりっしゅん)」または「立春正月」と呼び、とてもおめでたい日と言われてます。ちなみに、次の朔旦立春は、2022年の16年後で、2038年となるそうです。

「春分の日」との違い

立春の日と春分の日の違いを知るには、春分について理解する必要があります。春分も、二十四節気のひとつ。この日は、1年に2回ある昼と夜の長さがほぼ等しくなる日です。もうひとつは秋分の日です。この春分の日は、立春同様、その年によって日にちが変わります。天の赤道と太陽の通り道である黄道の交わる点「春分点」を太陽が通過した瞬間の日が春分の日となるのです。これは、毎年3月20日頃となります。

改めて、立春の日と春分の日の違いを整理すると、

・時期が違う(立春は2月4日頃、春分は3月20日頃)
・意味が違う(立春は「春の始まり」、春分は「昼と夜の長さがほぼ等しくなる日」)

ということになります。

■立春の挨拶「立春の候」が使える「時期」

立春の挨拶「立春の候」の読み方・意味・使う時期
立春の挨拶「立春の候」の読み方・意味・使う時期

この「立春の候」を使える時期はいつからいつまでなのでしょうか。 これは、立春の頃から、立春の次の二十四節気の節気である「雨水(うすい)」の前日までです。2022年の雨水は2月19日(土)となり、2022年に「立春の候」が使える時期は、立春の2月4日(金)前後の頃から2月18日(金)まで。2023年の雨水は2022年と同じく2月19日(日)ですので、2023年に「立春の候」が使える時期は、立春の2月4日(土)前後の頃から、2月18日(土)までとなります。

■「例文」

「立春の候」の使い方をご紹介しましょう。「立春の候」は時候の挨拶ですので、「拝啓」や「謹啓」などの頭語の後に入れます。 また、「立春の候」を「立春のみぎり」、「立春の折」と使うこともできます。以下が、「立春の候」の書き出しの例文となります。

・立春の候、貴社ますますご繁栄のことと心よりお慶び申し上げます。
・立春の候、皆様におかれましてはますますご活躍のこととお喜び申し上げます。
・立春のみぎり、○○様におかれましてはますますご清福にお過ごしのこととお喜び申し上げます。
・立春の折、皆様方におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。

■立春大吉とは

「立春大吉」と書かれたお札を、お寺や民家の軒先で見たことはありませんか。これは、禅寺の習慣で、このお札を貼ることで厄除けができるといわれています。厄除けができるのには理由があります。「立春大吉」という文字をよく見てください。縦書きにすると、左右対称になっており、裏からも表からも立春大吉と読めるようになっています。このお札が門や玄関に貼ってあると、鬼が門から入り、振り返ったときも同じようにお札の文字が見えるため、「この家以外にも、まだ入っていない家がある!」と勘違いして、入ってきた門から出て行ってしまうのだそうです。

そのことから、鬼や災いを寄せ付けず、平穏無事に過ごすことができるといわれています。立春大吉の札は、禅寺でいただくことができます。また、自分で書いてもいいそうです。いただいたお札は、立春(2月4日頃)から、雨水(2月19日頃)までの間に貼り、1年間貼り続けます。2023年の場合は、2月4日(土)の立春から、2月19日(日)の雨水までの間に貼ります。貼る場所は、玄関の外側から見て向かって右側や、神棚、大切な部屋の入り口など、外へ向け、目線よりも高い位置に貼るようにしましょう。また、貼るときは、画鋲は使わず、のりや両面テープを使うようにしましょう。

■立春の縁起物の「食べ物」は?「お酒」、「お花」おすすめも

立春に食べるとよいとされる物やお酒、お花がいくつかあります。立春の日に、食べ物やお酒、お花で「春」を迎えてみてはいかがでしょうか?

食べ物

立春の縁起物とされている食べ物には、豆腐、餅、大福、日本酒などがあります。豆腐は、古来より邪気を追い祓い、身を清めるといわれている食べ物です。その豆腐を立春の日、前日の節分と2日間にわたって食べることで、「立春大吉豆腐」となります。節分に豆腐を食べるのは、今までの罪や穢れを祓うこと、立春に食べるのは、体が清められ、幸せを呼び込むという言い伝えがあるそうです。

また、立春の朝にできた大福は縁起がよいとされています。その理由は、小豆や餅には穢れを祓うこと、また、大福の丸いかたちは、物事を丸く収めるという意味があるからです。立春の朝につくられる桜餅やうぐいす餅などの「立春生菓子」も、大福同様、食べると縁起がよいといわれており、和菓子店でも「立春」の名がついた生菓子が販売されています。豆腐や大福の餅の白い色が、汚れを祓うという意味もあるようです。

お酒

立春の日の朝一番に搾り上がった日本酒のことを「立春朝搾り」といいます。この日本酒は、地元の神社でお祓いし、“立春朝搾りに関わるすべての人の今年一年の幸運と繁栄を招く“とされる「縁起酒」です。これは、1998年から日本名門酒会によって始められた、比較的新しい習慣です。

立春朝搾り「【2020年】一ノ蔵「立春朝搾り」特別純米生原酒 720ml」(一ノ蔵)

立春朝搾り「【2020年】一ノ蔵「立春朝搾り」特別純米生原酒 720ml」(一ノ蔵)
立春朝搾り「【2020年】一ノ蔵「立春朝搾り」特別純米生原酒 720ml」(一ノ蔵)※写真は2020年のもの

「一ノ蔵」は、宮城の伝統的な手づくりの地酒を醸造している蔵元です。一ノ蔵の「立春朝搾り」は、立春の日にしぼりあがる、まさにできたての新酒。その清らかでフルーティーな高い香りと、フレッシュで躍動感溢れる味わいは、春を迎えるのにぴったりです。

京都の立春朝搾り「月の桂 令和2年 立春朝搾り 純米吟醸 生原酒 720ml」(増田徳兵衞商店)

京都の立春朝搾り「月の桂 令和2年 立春朝搾り 純米吟醸 生原酒 720ml」(増田徳兵衞商店)
京都の立春朝搾り「月の桂 令和2年 立春朝搾り 純米吟醸 生原酒 720ml」(増田徳兵衞商店)※写真は2020年のもの

延宝三年(一六七五年)創業の京都伏見の造り酒屋「増田徳兵衞商店」。こちらでつくられている「月の桂」は、多くの作家や墨客に賛美され「文人の酒」とも呼ばれています。その立春朝搾りは、もろみを前日より一晩中搾り続け、翌日の「立春の日」未明に搾り上ります。そして夜も明けやらぬ早朝から、近郊の酒屋たちも手伝って瓶詰め・出荷され、蔵元ゆかりの神社のお祓いを受けるのだそうです。

フレッシュな味わいの立春朝搾りで、春を祝いましょう。

お花

立春の時期に咲く花をめでながら、春の訪れを心待ちにするのも風流ですね。

福寿草(フクジュソウ)「【山野草】福寿草「福寿海」」(四国ガーデン)

福寿草(フクジュソウ)「【山野草】福寿草「福寿海」」(四国ガーデン)
福寿草(フクジュソウ)「【山野草】福寿草「福寿海」」(四国ガーデン)

立春のころ花開く福寿草は、その名前から縁起のいい花として知られています。こちらの福寿草は、福寿草のなかでも大輪品種。花びらの数も多く、半八重咲になるため、開花するとお庭に春をもたらしてくれます。 

黄梅(オウバイ)「黄梅」(小品盆栽 京都 広樹園)

黄梅(オウバイ)「黄梅」(小品盆栽 京都 広樹園)
黄梅(オウバイ)「黄梅」(小品盆栽 京都 広樹園)

黄梅は立春前後に開花する花で、中国では「迎春花」と呼ばれています。「黄梅」という名前は、黄色い梅のような花をつけることが由来だそう。ですが、梅とは関係がなく、ジャスミンの仲間です。黄梅の小さな盆栽で、春の訪れを感じてみてはいかがでしょうか。 

立春から春を始めましょう!

当記事では、立春とはどのようなものなのか、「旧正月」「春分の日」との違いなど「立春」にまつわる基礎知識まとめをご紹介しました。また、立春は旧暦の元旦(旧正月)ではないことや、立春の日と春分の日の違い、立春の挨拶「立春の候」の読み方・意味・使う時期、使い方や例文についてもチェックしています。さらに、立春大吉とはどのよううなものなのか、立春の縁起物である立春大吉豆腐・大福・生菓子などの食べ物や、立春のお酒・立春朝搾り、福寿草や黄梅などの立春の花のおすすめをまとめてみました。暦の上では春が始まる「立春」。立春には、1年が平穏無事に暮らせることを願い、「立春大吉」の札を貼り、縁起物をいただきましょう。そのように過ごすことで、毎春が幸先のいいスタートとなるはずです。

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