ピュアなライン、包み込むようなボリュームのシルエットで、基調となるカラーは、クレイ(チャコールグレー)、エベンヌ(濃茶)、黒。

 素材は、センシュアルな極薄レザー、機能的なハイテク素材。ディテールに遊び心を取り入れているのも見逃せない。

 今回はデジタル・アーティストのミゲル・シュヴァリエとのコラボにより、彼がデザインしたモチーフが各所に使われ、現代的なグラフィックの魅力がプラスされている。

 レザーのコートはフードが取り外せるタイプ。素材は極薄のカーフ使いで、しかもレザーでありながら防水性が高いという驚きの機能性を持ち、シャツには、ミゲル・シュヴァリエがデザインしたパターンを使用。ワークパンツのようなパンツは、丈が短くて、裾を窄ませている。靴は厚底のサイドゴアブーツだ。

2020-21年秋冬、エルメス メンズ・コレクション

現代のダンディに贈る、軽快で構築的なウエア

メインルックがこちら。極薄のカーフ使いのアウターにグラフィックなシャツ、ワークパンツを合わせる。
メインルックがこちら。極薄のカーフ使いやアウターにグラフィックなシャツ、ワークパンツを合わせる。 photo Filippo Fior
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フロント部分にユニークなディテール。前たてだけレザーが付いていたり、左側だけに二枚、身ごろがついてレイヤードになっている。
フロント部分にユニークなディテール。前たてだけレザーが付いていたり、左側だけに二枚、身ごろがついてレイヤードになっている。photo Filippo Fior
ニットはゆったりめでアーム太めのドロップショルダー。襟部分だけ模様が入ってアクセントになっている。
ニットはゆったりめでアーム太めのドロップショルダー。襟部分だけ模様が入ってアクセントになっている。photo Filippo Fior
ウールのフランネルにストライプのステッチを入れて、キルティング風に。ボディバッグにも注目を。
ウールのフランネルにストライプのステッチを入れて、キルティング風に。ボディバッグにも注目を。photo Filippo Fior
ミゲルのデジタル・モチーフが大胆にプリント、刺繍されたシャツ。
ミゲル・シュヴァリエのデジタル・モチーフが大胆にプリント、刺繍されたシャツ。photo Filippo Fior
光沢のあるテクニカル素材を使用したブルゾン。
光沢のあるテクニカル素材を使用したブルゾン。photo Filippo Fior
新しいカードケースにも注目を。シェーヌ・ダンクルのディテールを採用している。
新しいカードケースにも注目を。シェーヌ・ダンクルのディテールを採用している。photo Filippo Fior
ダブルになったフロント部分の内側が光沢のある素材使いでソワレ仕様。素肌にスーチングというセンシュアルな着こなしを提案する。photo Filippo Fior
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「エルメス」らしいエレガンスと、現代的な機能性を合わせ持つウエアを披露したこのコレクション。「エルメス」といえば“旅”だが、まさにこのエレガンスと機能性こそ、軽快に世界を旅する伊達男たちが求めるもの。彼らの琴線に触れる1着が必ず見つかるに違いない。

この記事の執筆者
某女性誌編集者を経て2003年に渡仏。東京とパリを行き来しながら、食、旅、デザイン、モード、ビューティなどの広い分野を手掛ける。趣味は料理と健康とワイン。2013年南仏プロヴァンスのシャンブル・ドットのインテリアと暮らし方を取り上げた『憧れのプロヴァンス流インテリアスタイル』(講談社刊)の著者として、2016年から年1回、英語版東京シティガイドブック『Tokyo Now』(igrecca inc.刊)を主幹として上梓。
公式サイト:Tokyo Now